2019年7月8日月曜日

熱を運ぶ中性粒子

ぼや川より
正論が・足を引っ張る・会議室
・・・する~・・・

2019/7/2京都大学・東京大学・茨城大学・ミシガン大・ロスアラモス国立研究所などの研究グループ
絶縁体中で金属のように熱を運ぶ役割を持つ未知の中性粒子を発見したと発表
固体中で熱を運ぶ役割を持つのは、動き回れる電子(伝導電子)と
固体を構成する原子の振動(格子振動)の2種類
金属は動き回れる電子が多いため熱伝導率は高く
絶縁体は動き回れる電子が少ないため熱伝導率は低い
研究グループはイッテルビウム12ホウ化物(YbB12)という絶縁体物質に注目
YbB12を0.1ケルビンという絶対零度近傍まで冷やし
格子振動による熱伝導を無視できる状態で測定
電気を通さないにもかかわらず金属のような温度変化を示した
京都大学の松田裕司教授
「これは伝導電子以外に熱を運ぶ中性粒子が存在しないと説明できない現象だ」
同研究グループは18年にも、金属を特徴付ける現象の1つをYbB12で観測したとする研究結果を米科学雑誌Scienceに発表していた
この研究結果に対し、他の研究者から
「何らかの未知の粒子があるのではないか」
という意見が出ていた
京都大学の松田裕司教授
「しかし、今回の研究から示唆される中性粒子が昨年受けた意見を補強するものなのかはまだ分からない。今後の研究で明らかにしていきたい」

もう少し詳しく
量子力学の世界においては、光も音も粒子であり波でもある
金属は奇妙でない普通の物質
光を反射する、電流を通す、ひんやり冷たい、というこれら三つの性質は、全て関連していて、金属の本質的な特徴で自由電子の作っている性質
金属の中では無数の電子がうようよ泳ぎ回ってる
金属の結晶構造は金属原子が規則正しく整列
電子は原子から原子へ、原子の隙間をすりぬけ、自由に動き回ります
この自由に動き回る電子を自由電子と呼び
このような自由電子を持つ物質が金属
普通、自由電子は個々にランダムに泳ぎ回っています
が金属に電場をかけると、電場から力を受けた電子は一斉に移動
電子が一斉に移動=電流
光つまり電磁波は、自由電子の集団の中を通過することができません
電磁波は自由電子の集団に出会うと、中に入ることができずに跳ね返される
このため、金属は光をぴかぴか反射
自由電子の集団は熱もよく伝える
体温よりも低温の金属に触ると指先の熱が自由電子の働きで速やかに金属内に伝わり、指先の温度が下がる
これが金属に触るとひんやり冷たく感じる
普通の物質の絶縁体
つまり電流をあまり通さない物質
ほとんどの物質は金属か絶縁体のどちらか
絶縁体の中に自由電子はない
電子はたくさんあっるけど、絶縁体を構成する原子や分子の中にがっちり組み込まれていて、絶縁体中をふらふら泳ぎ回れない
そのため絶縁体は電流をあまり通さず、熱もよく伝わらない
ただし自由電子を持たない絶縁体は光をぴかぴか反射することがないかというと、そうとも限らない
自由電子以外にも電磁波を減衰させたり反射させたりする物理現象はあって絶縁体でも光を反射するものや金属光沢を持つものはある

で・イッテルビウム12ホウ化物(YbB12)という物質が、絶縁体なのに、まるで金属みたいに熱をよく伝えることを発見
イッテルビウムYbは原子番号70番
周期表の左から3列目の希土類(レアアース)と呼ばれる元素グループ
希土類の元素はどれもこれも化学的な性質が似通っている
その上イッテルビウムは、歴史的事情により、イットリウムY、テルビウムTb、エルビウムErという名前の兄弟姉妹を持ちます
一方のホウ素Bはゴキブリ退治に使われるホウ酸だんごの原料
周期表のホウ素の右には炭素C、窒素N、酸素O
自然界でも人体内でも科学の教科書でも活躍しまくりなのですが
ホウ素はそれほど利用されず宇宙でも量が少ないマイナー元素
これには宇宙的事情があって、恒星内の核融合反応で元素が合成される際、原子番号2のヘリウムHeの原子核からは炭素C(原子番号6)が合成され
途中のリチウムLi〜ホウ素B(原子番号3〜5)は抜かされてる
恒星内でできた炭素や酸素O(原子番号8)が宇宙空間に放出され、そこで他の粒子と交通事故的な衝突を起こして壊れると
破片としてリチウム〜ホウ素が作られる
そういう稀な現象によって合成されるホウ素は、宇宙でも量が少ない
量が少ないと自然や経済の営みに利用される機会も少なく・・・
さて、このイッテルビウムとホウ素という2種の元素が化合したイッテルビウム12ホウ化物は電流をほとんど通さず、自由電子を持たない絶縁体(のはず)
ところがこれを、全ての運動が凍りつく絶対0度近い0.1 K(ケルビン)程度まで超冷却するなどのテクニックを用いて、熱をどれほど通すかを表わす熱伝導率を測った
金属のような高い熱伝導率が得られた
イッテルビウム12ホウ化物は電流は通さないのに熱はよく通す

実は、電流を通さずに熱を通すということは、この物質内を未知の粒子がうようよ泳ぎ回っていることを意味する
量子力学は、物理学の中でも特に訳が分からないことで悪名高い分野
偉い先生も、量子力学を理解している人はいないと・・・
量子力学は、電子だとかフォトン(光子)だとか原子だとかヒッグス粒子だとかいったミクロな物体を扱う物理学
そういうミクロな物体の従う物理法則は、私たちが日常見たり触れたりできるマクロな物体の振る舞いとまるで違う
量子力学の常識外れな法則の第一は”ミクロな粒子は波の性質も持つ”
音や水面の波紋などの波は、波長と振動数を持ち
この位置にあると正確にえない
電子だとかフォトンなどといった粒子もまた、波のように、波長と振動数を持ち
この位置にあると正確にいうことはできない
常識外れな量子力学においては粒子が波の性質を持つばかりではなく
無くなって逆に波も粒子の性質を持つ
例えば、固体の中は音という波が伝わる
結晶を構成する原子が振動し、その振動が結晶中を伝わっていくのが音
この振動を量子力学の数学的手法で扱うと、粒子の性質が
粒子を1個、2個と数えるように音を1個、2個と数えることができる
この音の粒子はフォノン(音子)といいますが、なぜか音子という言葉はあまり使われずフォノンと呼ぶのが普通
フォノン1個のエネルギーは極めて微弱
私たちが指先や鼓膜で感じることができるほどの強さで物体が振動するときには
物体の中を膨大な数のフォノンが飛び交う
熱の正体は、原子や分子の乱雑な運動
固体が熱を持つとき、その原子はぶるぶる乱雑に震えてる
・・・まるで妻を前にした・・・
原子がぶるぶる乱雑に震えている状態は、さまざまな周波数と強さの音の重ね合わせ
固体内にさまざまな周波数と強さの音を響かせると、原子がぶるぶる乱雑に震えている状態を作り出せrう
(さまざまな周波数と強さの音の重ね合わせは、つまり雑音です
固体が熱を持つとき、もしもその振動をマイクで拾うことができたら、雑音が聞こえます。)
そうすると、量子力学的な見方だと、固体が熱を持つとき、その内部はさまざまな周波数の粒子が飛び交っている
また、熱が伝わるときには、粒子が移動し、ぶつかり合って、エネルギーを伝える

イッテルビウム12ホウ化物は、電流を通しません
つまり金属のような自由電子を持ちません
ところがこの物質は、よく熱を通します
これは、自由電子に代わる何らかの量子力学的粒子が、この物質内を飛び回り、ぶつかり合い、エネルギーを伝えていることになる
でも
そのフォノンとやらがイッテルビウム12ホウ化物内を飛び回っているんじゃないの?
この物質を構成するイッテルビウム原子とホウ素原子がぶるぶる震えて、それが量子力学的見地からは多数のフォノンと見なせて
フォノンが移動したりぶつかり合ったりして熱を伝えていると解釈したく・・・
けれども報告によると、この物質は0.1 Kという超低温でもよく熱を通す
このような超低温では、イッテルビウム原子とホウ素原子の熱運動もすっかりおとなしくなって、物質内は静まり返り、フォノンではうまく熱が運べない
すると、この物質の中では、自由電子ではない
原子振動のフォノンでもない
未知の粒子が熱を伝えている?
この未知の量子力学的粒子の正体は
今まで理論的研究が見逃していた、物質内部を伝わる何らかの波?
真空中を伝わる光と違って、物質内を伝わる波にはさまざまなバリエーションが
イッテルビウム12ホウ化物内に並ぶ原子や電子の組み合わせの、何らかの励起(れいき)か変位が、波となって物質内を伝わるなら、それは量子力学的には粒子と見なせる
イッテルビウム12ホウ化物の内部には、これまで知られていなかった波が駆け巡っては散乱
それが電流は伝えないものの熱は伝えるのだと・・・

・・・ワタスのツタない物理に対する概念が・・・

今日は~
サクラ
のたうち回ってる
当然4月
ところで、昼飯を食べて昼寝してたトコの桜が伐採されてた
桜の幹のはシノブ、ノキシノブ、ヒメノキシノブなんかが着いてて
いい感じだったのに・・・

PS:2019/8/4
加筆

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