2017年5月17日水曜日

しあわせ1605

ぼや川より
さあここで・涙見せれば・落ちるはず
・・・こえ~・・・

最貧国だったボリビアに住んでいるときが一番幸せだった
国連が幸福度の国別ランキングを~・・・
住んだのは、何もない村だった
だが歯医者以外、最低限のものは揃っていた
教会、病院(派遣医1人)、小学校、雑貨屋、鉄道の駅、バスケットコート、サッカーグランド、フットサル競技場
住居は草木の間に点在
家々の庭には棒や柵があったが、いつでも乗り越えることができた
電話もインターネットもない
用事があれば実際に家を訪問し、人と会う 
家の中の居間にはベッドとラジカセがあるだけ
テレビを持つ家は一軒だけだったが、電波が届かない
口コミとラジオが外の世界との窓口
昼は暑く村人は家の前の縁台に座って夕涼み
夜の帳が落ちると、電気がない村の天空いっぱいに、星屑がまたたく間に銀河を作った
土日の夜になるとディスコティックや酒場が開いた
同世代の職場の友人たちと連れだって訪れた
給料日のあとは賑わってが夜10時には村の電気が消えた
生活は単純、友人や家族との語らい、酒、音楽、踊り、恋愛、サッカー
こかに人にとって他に何が必要だろうか?
長い年月、この素朴さが幸せの源泉だと思っていた
国連が世界幸福デー(3月20日)に発表した幸福度ランキングの上位7カ国までは寒い北の国々
1位から順にノルウェー、デンマーク、アイスランド、スイス、フィンランド、オランダ、カナダ
日本は51位、ボリビアは58位
両者のポイントは、5.920、5.823と誤差の範囲
幸福度レポートの背景を調べてみると
持続可能な開発ソリューション・ネットワーク (Sustainable Development Solutions Network:SDSN)(潘基文国連前前事務総長が2012年8月に設立)が支援し
コロンビア大学のジェフリー・サックス教授の指導のもとで運営されている
調査資料を作るのは、ギャロップ社
幸福度を図る指標となっている6つの項目
1人当たりGDP、社会的支援、健康寿命は適切かも
人生の選択の自由度、寛容さ、腐敗の認識は・・・

1.人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
選択肢がたくさんあるから幸せとは限らない
選択肢があり過ぎると逆に困ることも
結局は親を継いで良かったということもある
(家元、政治家、芸能人、農家、漁業者、窯元、開発を拒否するアマゾンの先住民など)
さらに親が子に生活のための技能を伝えるのは、もともとの人類の本来の姿だったのだから、子が家業を継ぐことは、親の幸福度を高める

2.寛容さ(過去1カ月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
キリスト教徒やイスラム教徒や小乗仏教徒には寄付の習慣がある
教会に行くと寄付のための籠が回され、オフィスには時々何かの寄付の依頼が回ってくる
日本でいえば町内会費に近い感覚
イスラムではワキーフ・貧者への財産の寄進
これは幸福度を高めるが義務でもある
寄付は、寛容さの国際比較の指標としては?

3.腐敗の認識(政府に腐敗が蔓延しているか)
あまりに腐敗が蔓延すると、国民は不幸になるだろう
けれども政府の腐敗度が限りなく高いベネズエラで
「チャべスの文句をいうのは良くないよ。だってぼくらはチャべスのプロジェクトでチャべスのお金をもらっているのだから」
ベネズエラのお金(国民の税金)であるのだが、大統領のものという認識
このように道徳観は国によって全く違う
腐敗に頼って生活し、幸福になっている人間もたくさんいる
・・・それで自分が損をしてると思ってるかどうか?

国連の幸福論は、世界の多様性を無視?
比較の項目を変えれば、順位は簡単に動く
カナダに留学していたコロンビア人は
「寒い、友人や恋人もネットで見つけるしかない、面白くない、何もない、住みたくない」

国の所与の条件は不公平になるので入れたくないのだろうが
気候、天変地異、景観、そして食、治安、職場環境、恋愛、冒険などを比較項目とすれば、幸福度の表は様相が激変する

調査方法も?
1人当たりGDP、健康寿命以外の項目は、0~10の値を選ぶアンケートらしいのだが
悲観的か楽観的か見栄っ張りか控えめかなど、国民の気質により回答の振れ幅は大きい

結局誰のためのレポートかといえば
毎年同じ形態の仕事ができるので、手離れがよく、関係する調査機関や大学などは簡単に?コウケられる

両国の幸福を測る項目のうち、アマゾンの村を再訪する前に、気がついていた目立った相違点は3つある

地縁・血縁 
国連調査の社会的支援(困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)に相当する
郊外に住むサラリーマンは地縁がない
親戚や友人は遠方に住み、簡単には会えない
何か問題が起こると、家族(妻)に過度の負担がかかる
縁が少ないと、最後に頼るのは行政機関
だが行政はしばしば恣意的な対応
生活保護を受けられずに自殺するなど、全く救われないこともある
一方、アマゾンの小村は狭く、傍らに友人や血縁や名付け親や恋人がいる
クモの巣のようにセーフティネットが張りめぐらされている

利便性
おそらく日本は世界一便利
けれどもコンビニやウォシュレットに代表される日本の利便性は、生きる実感を乏しくさせる罠?
さらに、ヤマト運輸に見られるように消費者の利便性を極大にするためには、それを実行する労働者に過度の負担を強いる
利便性は、もろ刃の剣
電気がないから幸せだとさえ・・・
・・・ネットがなければセキュリティなんて・・・

時間―スローライフ
ボリビアのスローライフの象徴は列車
ブラジル国境と大都市のサンタクルスを繋ぐ列車は、1日遅れ、2日遅れはあたりまえ
どこかで脱線し復旧に遅れているから
1時間遅れで列車が到着すると、イライラするどころか、「ラッキー、時間とおりだ」と幸運を感じるようになった

愚かと云う貴い徳
フーテンの寅さん
寅さんはふらりと柴又に戻り、マドンナに振られ、家族と喧嘩して、家を出る
その都度、家族は嫌な気分を味あわさせられる
不快で寅さんは愚かである
ところが何度喧嘩をしても家族は寅さんを受け入れる
ボリビアはとてつもなく寛容度が高い社会
鉄道局の中にはかつてゲリラだった人間もいた、それを悔いている彼は精神的に不安定でコカイン中毒だった
クーデターに失敗して国境の通関会社に勤務していた元大佐も
日系人の中には九州で人を殺してきたと嘯く人間もいた
結婚詐欺を働いて撃たれそうになり、酒代を踏み倒し、村から逃げた日系人もいた
コカインの売人になり、刑務所に入っていた女性も
はぐれ者、失敗者、犯罪者を抱えてくれる懐の深い社会
日本人が昭和30年代を懐かしむのは、当時地縁や血縁がまだ保ったれていたこともあるが、今よりも緩い社会だったからだろう
寄付行為などで社会の寛容度を測るのは、ピントが外れている
寛容さとは、ひとことでいえば、こんな自分でも生きられると思えること
・・・今の日本は・・・

で・シンガポール
昔のシンガポールは住みやすい国だった
シンガポールは東京23区とほぼ同じ広さの島に、米国や日本などから資本と技術を導入し工業化に成功した国家
90年代に人件費が高騰すると、ハイテクや金融サービスが主体の産業構造へと転換し、経済的には成功した。同時に高層ビルや緑が調和した景観があり汚職は無く治安の良さも最高
シンガポールの国民1人当たりの国内総生産(GDP)は2007年に日本、2011年に米国をそれぞれ追い抜き、現在は独立時に比べ100倍以上の約5万5000ドルに膨らんだ

経済が強くて豊かな国家群が決して幸福ではない・・・
ルクセンブルグやオーストリア、スイス、フィンランドやベルギーは大国ではないが、落ち着いていてオンリー・ワンの強みと特徴を持っている
その意味ではシンガポールは小国であり、経済的にも成功し、リー・クアンユー元首相の理想を実現化した国家だから幸せな国であるはず
シンガポールは独立後わずか50年でアジアで最も豊かな国となったが・・・
シンガポールに実際に住んでみると、国民の生活は格差の拡大などで能力至上主義の成長モデルは行き詰まっている?
米国の調査会社ギャラップが2015年に発表した日常生活の幸福度調査で、シンガポールは、148カ国中、なんと最下位・・・
街にはゴミひとつ落ちていないし、なぜかハエや蚊などもどこにも飛んでいないという気持ち悪いほどの衛生管理が
いまや安全で清潔な世界的な観光都市となったが、実際に住んでみると何か息苦しさを感じる管理社会で、富裕層にとってはよいのかもしれないが、一般庶民にとっては住みにくく疑問が残る部分が多い?
世界のベスト空港は3年連続1位、最も住みやすい都市でも1位、ビジネスに適した国でも世界1位、IT技術活用度まで世界1位
株の売買が非課税で、相続税もない
考えてみればこれも富裕層にとってメリットがあるだけで一般人にとっては手放しで幸せだということにはならない
このようにすべてが素晴らしく見える裏には、実は厳しい規律が存在
今やシンガポールは明るい北朝鮮などと揶揄されている

大国はビジネスには好都合だが、実際に住んでみると競争社会なので一般市民にとって幸福感は?
大国の三大条件とは人口、軍事力、資源を挙げることができるが
最近では世界の覇権を求めるという大国的発想そのものが時代遅れでは
・・・かの国

国連による幸福度ランキングではスイス、アイスランド、デンマーク、ノルウェイ、カナダ、フィンランド、オランダ、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリアがトップ10
日本は46位だが、まだましなほう、この中には大国は一切入っていない
無論のこと、モノの見方によって幸福感の尺度は変わってくるので、これらの幸せランキングを鵜呑みにするつもりはないが
少なくとも経済力や軍事力や資源力だけが国家の価値だという考え方は明らかに変化してきている

幸せの6項目とは?
現代人の幸福感を具体的に分類すると、いくつかの要素が浮かび上がってくる
つまり、その要素は以下の6項目にまとめられる?
1 教育文化レベルが高い
2 IT分野に強みがある
3 自然環境と治安が整備されている
4 医療費と教育費がかからない
5 労働時間が比較的に少なくおおらかで親切な国民性
6 物質主義ではなく精神性が高く、趣味や家庭を大切にしている

中国の貧富の格差社会は幸せには見えない
鄧小平
「先に豊かになれる者から豊かになれ、そして落伍した者を助けよ」
という先富論は、経済面からすると正しい判断
しかし、社会主義自由経済による金権主義だけでは決して幸せになれない
中国の経済力は改善したが、その生活をみると単に格差社会を進めただけ・・・

日本は何を求めるべきか?
日本もこれからは真剣に幸福感について発想の転換をする必要が
大国の条件である人口については世界の幸せな小国をお手本にして、少子化を強みに変える方策を考えるべき
軍事大国を目指すのではなく軍事の基礎になる技術立国を目指すべきだし
資源の確保についてもグローバル経済の中で日本の経済力を活用した世界の資源企業を傘下に収める手法を模索することが賢明だろう
産業の空洞化が進むならば、資源が必要な産業は海外に移転させ
日本国内には技術大国としてのR&Dセンターを強化し、世界の産業界をリードできるような平和大国を・・・
古い価値観の覇権大国を目指さず、小国の良さを追求したほうが国民は幸せになると
・・・もう無理かもしれないが(笑)
日本にとって教育、IT分野、自然環境と治安については、まずまずのレベル?
医療費、教育費、労働時間、おおらかさ、精神性や趣味や家庭を大切にする
要素については今後の日本のテーマだと・・・

大国による覇権競争が人類を不幸にしている
要するに国家をまとめやすいのは小国(小さな政府)
米国の価値観の真似をするのではなくて日本らしい幸せな国家を追求するべきだと・・・

・・・ムカ~シから足るを知る・座って半畳寝て一畳とか色々云われてるけど
いっこうに進歩がナイのが人類

今日は~
セッコク/Dendrobium moniliforme右近丸
セッコク/Dendrobium moniliforme播磨黄花
連休から咲いてる
今年は少し遅いような・・・
いつかは分ける?
考えるとウツに・・・

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