2024年2月3日土曜日

アメリカ発 不動産リスク

アメリカの商業用不動産市場は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以来、混乱が続いているが
銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)の減配と引当金積み増しの決定は、金融機関の一部が・・・
NYCBの株価は今回の決定を受けて38%安で終了、上場来最大の下げを記録
KBW地方銀行株指数は、昨年3月にシリコンバレー銀行(SVB)に取り付け騒動が起きて以来の大幅な下落
あおぞら銀行もアメリカ オフィス向けの不動産融資で損失に備える追加の引当金を計上すると発表、アジア時間に株式市場の重しに

こうした不安は不動産価値の持続的下落を映しているが、具体的にどのローンが破綻するのか予測するのは難しい
このような状況をもたらしたのは、パンデミックによるリモートワークへのシフトと金利の急上昇
経営難の借り手の借り換えコストを高めている

富豪で投資家のバリー・スターンリヒト氏
オフィス不動産市場の損失は$1兆を超えると・・・

金融機関にとってこれは、一部の地主がローン支払いに苦戦したり、単にビルから立ち去ったりすることでデフォルト(債務不履行)が増加する見通しを意味する

ニューヨークのキーンサミット・キャピタル・パートナーズのプリンシパル、ハロルド・ボードウィン氏
「これは市場が考慮しなければならない大きな問題だ」
「銀行のバランスシートは、期日に返済されない不動産ローンが多いという事実を説明していない」

ムーディーズ・インベスターズ・サービス
NYCBの31日の展開を受け、同行をジャンク級(投機的水準)に格下げするかどうか見直すと発表

トレップによると、金融機関は2025年末までに商業用不動産関連ローンで約$5600億の(返済)期日に直面する

特に地域金融機関は同業界への貸し出しが多く、影響を緩和し得る大規模なクレジットカード・ポートフォリオや投資銀行事業を持たないため、大手金融機関よりも大きな打撃を受ける

JPモルガン・チェースが昨年4月に発表したリポート
小規模銀行の資産に占める商業用不動産ローンの割合は28.7%に上った一方、大手金融機関は6.5%
昨年のアメリカ地銀の混乱を受けて警戒を強める規制当局は、こうした高いリスクに一段と厳しい目を向けている

パンデミック以降4年近くにわたり特にオフィスの問題が顕在化しているが、不動産市場はある意味で宙に浮いた状態
ビルの価値を巡り買い手も売り手も確信が持てず、取引は急減
迫り来る債務返済期日に対処する必要性や、金融当局の利下げ見通しを背景に取引は今後増える見通しで、価値がどれほど下落したかが明らかになると予想される

著しい価値下落になる可能性もある
ロサンゼルスで3番目の高さを誇るオフィスタワー、Aon(エーオン)センターは最近$1億4780万で売却されたが、これは14年の前回取引価格を約45%下回る

ボードウィン氏
コミュニティーバンクや地銀がローン債権を時価評価するのが実に遅いと指摘
「彼らは、これらの資産の本当の価値をもてあそんでいる」

中小金融機関を巡る緊張をさらに悪化させているのは、不動産ローンがいつどこで焦げ付くか予測不可能なこと
わずか数件の貸し倒れが大混乱を引き起こす恐れもある
NYCBはコープ式物件とオフィス物件が貸倒償却の増加に関係していると
オフィス物件は不動産投資家にとって特に懸念される分野だが
NYCBにとって最大の不動産リスクは集合住宅で
同行は約$370億のアパートローンを抱える
これらのローンの半数近くは家賃規制のあるビルを裏付けとしており
こうした物件は家主の家賃値上げ能力を厳しく制限する2019年承認のニューヨーク州規制の影響を受けやすい

昨年シグネチャー・バンクの一部を買収したNYCBは31日
同社のアパートローンの8.3%が債務不履行のリスクが高いとの見解を示した

・・・なんか不動産と聞くと
リーマンを・・・

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