2024年2月11日日曜日

日本の平均賃金は・・・

日本の平均賃金が停滞している一因は非正規雇用者の急増
正規雇用者に比べ非正規雇用者の賃金は低いため、非正規雇用者のシェアが高まることで、全体の賃金が抑えられる
1984年には非正規雇用者数は約600万人で全雇用者の15.4%
2022年には2101万人に増えは36.9%

非正規雇用者が増えた背景には、労働需要側と供給側の要因、そして制度的な要因
労働需要側の要因はバブル経済崩壊後、日本経済が長期にわたって停滞する中、企業は増大する不確実性に対応すべく雇用の調整コストが低い非正規雇用者を用いるようになった
正規雇用者は一度雇ってしまうと解雇しにくい日本の雇用慣行も影響
また製造業のシェアが減少し、柔軟な労働シフトが求められるサービス産業のシェアが拡大したことも非正規雇用者増加の一因と
非正規雇用に対する需要が高まることで彼らの賃金が上昇する効果がありますが
同時に非正規雇用者の供給も増えたために賃金はそれほど上がらなかった

労働供給側の要因として仕事よりも生活を重視したり、家事だけでなく仕事もバランスよくしたいなど、働き方の柔軟性を求める労働者が増加した
また退職後、非正規雇用として働く高齢者、とりわけ1947年から49年生まれの団塊の世代も増えている
ライフスタイルや価値観の多様化により、正規雇用ではなく非正規雇用を望む人が増えている一方
正規雇用を希望しているにもかかわら、期せずして非正規雇用者として働いている人も多い
2022年には、約210万人が正規の職員・従業員の仕事がないから、という理由で非正規雇用者として働いている
これは非正規雇用者の約1割

・・・実感では、もっと多いような

制度的な要因は
1990年代以降、有期雇用や人材派遣業務に関する規制が徐々に緩和されたことや
正規雇用者と非正規労働者の雇用保護に差があること
正規・非正規の賃金格差は縮まるも、経済全体の賃金は停滞

・・・

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査
正社員・正職員の月額平均給与は¥32万8000
正社員・正職員以外の月給は¥22万1300円
非正規の月給は正規の月給よりも35%以上低い
所定内給与額を所定内実労働時間数で割った時給を見ると
2022年には正社員の時給¥1976に対し、非正規社員の時給は¥1375
で正社員の7割程度
所定外給与やボーナスなどの特別給与額を含めると非正規社員の賃金は正社員の6割程度
ただし社員と非正規社員の賃金格差は縮小傾向
2005年から2022年にかけて、正社員の時給は3%上がったのに対し
非正規社員の時給は18%
この結果、正規の時給に対する賃金ギャップの割合は39%から31%に縮小
正規・非正規ともに賃金は増加傾向にあるものの
相対的に賃金が低い非正規雇用者の割合が大幅に高まったことで、経済全体の賃金の上昇率は抑えられる

インフレ率も名目賃金に影響を与える要因
物価の上昇は労働者が購買力を保つために企業に賃上げを要求することにつながり
逆に物価が下がると、企業は収益を保つために、賃金を引き下げるかも
また実際のインフレ率だけでなく、インフレ予想も賃金に影響を与える

物価の上昇により労働者が賃上げを要求する場合
この時、彼らは現在のインフレによる賃金の実質的な低下をカバーするだけでなく
今後もインフレが続くことを見越して、さらなる賃上げを要求することが・・・
インフレが急速に進行する中では、たとえ一度賃金が上がっても、すぐに生活が苦しくなることが予想されるから
賃上げの要求時には実際のインフレ率とともに、将来のインフレ率が関与
労働者が将来のインフレ率を2%と予想し、その分の賃上げを要求すると
賃上げが実現すれば、それに伴い人件費も増加
企業はコストを商品やサービスの価格に転嫁
結果、労働者の当初の予想通り2%のインフレが実現
つまり労働者の予想インフレ率が実際のインフレ率を決定づけ、自己実現的な現象が
もし労働者のインフレ予想が安定的であれば、労働者の賃上げ要求も同様に安定
結果として物価上昇も安定的
これまでの日本は低いインフレ率と、低い賃金上昇率
他のOECD諸国の多くでは、インフレ率と賃金上昇率が共に2%程度
日本はインフレ率と賃金上昇率が共に低い均衡
他の国では物価も賃金も緩やかに上昇する均衡にある

・・・均衡するなら
イイじゃん・・・とはならない
低い日本と、高い先進諸国は貿易etcなどでツナがっている
¥が安く・・・
そうすると・・・

日本の株は↑
賃金も↑っぽく見える
けど
中小企業、非正規雇用は・・・

日本の倒産件数は1月が前年同月比28%増の700件で個人事業主や中小の自主廃業を含めれば、もっと・・・
自然淘汰?
しかし、そうした会社、人がいなくなって社会が回るのか?
2024問題の混乱は避けられる?
現実に困窮する人が増えてくのを、そのままにして・・・
社会全体の負担は逆に増える

今日は~
ワイルドアイビー/Cymbalaria muralis

1月のはじめ
軒下
傷んだ花もあるけど、まだ花が開いてる
今は、さすがに花は見れない


0 件のコメント:

コメントを投稿