2021年10月11日月曜日

かの国vs日本の暗闘?

日本では、1975年以来、増加の一途を辿る日本国債残高を少しでも減らすべく、プライマリー・バランスを達成しようとする緊縮財政派と、日本経済の成長促進で税収を増やせば財政赤字問題も解決するというリフレ派が20年にわたって激論を交わしてきた
この間、国債発行残高は1970年に比べて330倍
不良債権問題にめどがついた2000年と比較しても3.6倍に膨らんでいる
日本銀行はデフレ解消を目指して、ゼロ金利政策とマイナス金利政策を続けてきた
特に、黒田日銀総裁になってからは量的緩和(≒国債の大幅な買い入れ)を柱とした超金融緩和を続けており、日本国債の残高は令和3年度末には990兆円となる見込み
そのうち日本銀行保有分は(2021年9月20日段階で)538兆円(全体の54%)、対GDP比率は237%
・・・まさに異次元

これまでは誰が何と言おうとも、BIS(国際決済銀行)のOECD諸国のリスクウェイトは0%で微動だにせず
ムーディーズやS&Pが日本国債を格下げしようとも
日本企業であるJCR(日本格付研究所)がAAA/安定的
R&I(格付投資情報センター)の格付けがAA+/安定的
としてきたため、主要投資家である日本の金融機関などは日本国債の保有を続けてきた
ところが、BISの幹部
この動きに変調を来しかねないような動きが出てきている

 それでは、なぜBISの幹部が日本国債のリスクウェイトを引き上げることを考え始めたのだろうか。その背景には、中国恒大集団の経営不安を指摘する日本側に対して、中国が不満に感じているという可能性があるようだ。
中国の不動産大手、中国恒大集団の問題が注目されるようになって数カ月
特に9月中旬になると中国恒大集団が債務を履行しないのではないかとの見方が強まって、中国恒大集団の株式などが一段と暴落
市場の注目は中国政府が中国恒大集団を救済するために介入するのか、それとも市場に委ねるのか?
実際には、人民元建て社債の利払いを実施する一方
$建て社債は実施しておらず、デフォルト(債務不履行)のリスクはくすぶったまま
中国政府の介入は今のところ限定的
その中で、9/29に公表された日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の7月の決定内容が注目を集めた
世界最大の年金基金であるGPIFが10月から中国のソブリン債(中国債や中国が保証する中国国営企業の債券)を加えるFTSE20指数の利用を止め
中国ソブリン債の含まれていない世界政府債(WGB)指数を利用するという決定
なお、WGB指数に決めたのは9/22だった

byブルームバーグ
GPIFが中国のソブリン債を買わないと決定した背景には、
中国恒大集団の問題ではなく日中関係の悪化があった
というHiroshi Nagaoka氏のコメント
また、GPIFの前会長は、中国の債券が日本では人気がないとも語っている
この話を前提とすれば、GPIFの運用は政治の影響を受ける?
いわゆる”経済の武器化”

当然、中国政府は度肝を抜かされた?
それはまた、中国によるリベンジがあり得るということ
”経済の武器化”は日・アメリカが中国を批判する際にしばしば言及
その日本が、同じ武器を振りかざしたことに、中国は怒り心頭?
東日本大震災の後、東京電力を国有化した際に中国は日本国債や東京電力など日本物の購入はやめなかった
それなのに、中国恒大集団の問題では率先して中国国債の購入をやめたのだから・・・

投資家が政治要因を投資リスクに含めて考えること自体はアタリマエ
ロシアはアメリカ国債の保有をゼロにしたことがある
中国もアメリカ国債を減らしたことがある
日本がアメリカ・中関係の悪化と、日本がアメリカ・側に立つことによる日中関係の悪化を踏まえて中国国債の新規購入を中止するという判断は単純にあり得る
特に、中国恒大集団の救済が資本主義の理屈でおかしいと判断していれば、なおさらのこと
もっとも、国民の利益を旗印に、市場原理に任せず大企業を救済してきたのは日本も同じ
直近の例で言えば、日本航空や東京電力、不良債権処理のために税金を投入した銀行などが挙げられる
銀行については金融システム維持のためとの大義名分があった
が、それでも、いまだに新生銀行や地銀・第二地銀には税金を投入したまま
従って、今の中国政府が公的資金の投入などで中国恒大集団を救済したとして、それを日本が問題視するのは?

ここで重要なのは、中国恒大集団の問題が悪化の一途を辿り、10/4に中国恒大集団と傘下の不動産管理部門である恒大物業の2社が、香港市場で取引停止処分となったこと
同じ不動産関連の合生創展集団が$50億超で買収するとの話も出たため
買収話を含め、重要な事実関係が明確になるまで
の期限付きで、両社と共に合生創展集団も取引停止となった
いわゆる、システミック・リスクになりつつある?
これを受けて、世界の株式市場は不安定な状況が続いているが、中国国債の格下げは起きていない
重要なのはここ
GPIFは、経済要因ではなく、政治要因で中国国債の買い入れをやめると発表したことになる
今のところ、他に追随する動きはでていない

ここで、債券市場を見ると、中国国債の発行残高は$200億
中国のGDP($15兆)の0.1%
これで中国国債がデフォルトすると考えるのは?
中国国債は現時点で約2.5%のイールド(利回り)があり
中国国債を担保にすれば、アメリカの銀行は掛け目85%で0.85%の金利で融資する
1年間、アメリカの銀行の融資による資金で中国国債に投資すれば20%のリターンが得られる計算
・・・ヤろうかな

ちなみに、中国の国債利回りは10カ月前の3%から低下している(つまり価格は上昇している)
他方、人民元は2020年の1年間で6%上昇しており、今年も1%上昇している
ここで無理な為替リスクを取ろうとしなければ、いわゆるキャリー・トレードとして、20%の年間リターン

GPIFは、もとは年金福祉事業団と呼ばれる日本の政府組織
株価が下がる局面で下支えのために買いを入れると言われたこともある
今も年金資金運用の定石からパッシブ運用をしているが、役員は政治的な思惑で任用されているようなもの
日中関係に問題を抱える日本政府に、新首相の選出前に政治利用されたということなのかも?

一方のBISは、まだ日本がバブルに浮かれていた1989年に、事業法人への貸し付けに対するリスクウェイトを100%!に引き上げた“前科”?が
企業の経営内容とは無関係の一律の引き上げだった
これによって、日本の銀行の自己資本比率は一気に低下
日本の研究者の中には、リスクウェイトの引き上げに伴う融資姿勢の変化が、バブル崩壊後の失われた10年につながった?とする意見もある
BISとは、そういう行動を取る組織
今のBISの役員には中国の代表もいる
彼らが仕掛けたという可能性?
環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を申請している中国がそのようなリスクを冒すことが合理的だとは思えない?
・・・TPP参加は、かの国のかく乱?かも

BISには中国に味方したいという国も多い
そういった国の代表が問題を提起した?
BISの役員やBISのマネージメント・チームに自国民を送っている韓国が親中反日という文脈の中で仕掛けた?

重要なことは、財務省からMMT(現代貨幣理論)の信奉者まで
日本国債がOECD加盟国の国債なのでデフォルトしないという議論(日本の財務省もこの考え方)には
BISが日本国債をアメリカ国債などと同様にリスクウェイトをゼロとしており
これを前提に、JCRがAAA、R&IがAA+を提示し続けているということがある
日本の複数の金融機関の役員達は、仮に日本の格付機関2社の格下げが行われれば売却を検討せざるを得ないと・・・
大義名分を失えば、株主や他のステークホルダーの手前、自己資本比率の低下に影響することもあり売却を考えることになる・・・
日本国債のリスクウェイトの上昇→(恐らく先に)ムーディーズなど海外大手格付機関の日本国債の格付け引き下げ→JCRとR&Iによる日本国債の格付け引下げ→日本国債売り、日本円売り?
JCRとR&Iは日本企業
日本政府の立場を考えてそう簡単には格下げをしない?
しかし、外部圧力にどこまで耐えられるか?
その時には暴落?
今はタイミングが悪いことに、輸出企業をリードするトヨタを初めとした自動車産業が半導体不足を主因に国内での製造や輸出ができない
円売りに向かう実需の円買い(トヨタが輸出代金をドルで受け取って、それを円にする際に円買いが起こる)も大きくは期待できない
カーボン・ニュートラルを考えれば、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)の導入によって国内の自動車産業が空洞化する可能性が
トヨタの豊田章男社長
「このままでは日本でクルマがつくれなくなるかもしれない」
国内の自動車産業が衰退すれば、日本経済もいよいよ正念場?
同じような感覚を、多くの金融関係者も持っている?
今は足元しか見ていない為替ディーラーなどが、中期的な将来を見る可能性が出てくる
外銀の現役為替ディーラーや、かつての円高局面で大相場を張ったような伝説の為替ディーラーなど
今は
(1)GAFAに投資すれば儲かるという楽な投資スキームが存在し
(2)足元の相場変動がそれなりにあるため、中長期の相場よりも目先を追っているとの
だが、そろそろアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)もテーパリングを始めそうな状況
やや長い目のシナリオに基づいた相場を考えている(≒新しい儲けの種を探している)
という話も

・・・う~ん

今日は~
ネオレピソラスsp/Neolepisorus sp?

5月に仕立て直した
ステン線ーでククって
ケト土で覆ったくらいで
あまりイジらなかった
回復は早いみたい
画は8月末
いい葉っぱが出てる


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