元静岡大学教員の松田智氏
※本稿は、松田智ほか『SDGsの不都合な真実』(宝島社)の一部を再編集したものです
「水素は燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない、クリーンなエネルギーなのよ」
「CO2を排出しない次世代のエネルギーとして期待される水素」
「水素は脱炭素の切り札」etc
最近示された政府の計画、将来的に火力発電の1割を水素とアンモニアの燃焼で賄うとなっている
水素の利点として
①燃やしてもCO2を出さない
②いろんなものから作ることができる(原料の多様性)
③貯蔵が効く
しかし、これらは物事の一面にすぎない
水素は本当に脱炭素社会構築の切り札?
実は、水素には克服すべき問題点が山積
まず最初に、エネルギー問題を考えるうえで必須の基礎知識に触れたい
エネルギーには一次と二次(またはそれ以上)の2種類があり、まったく違うもの
一次エネルギーは大別して3種類
化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)と原子力、それに自然エネルギー(水力・風力・太陽光・地熱その他)
これらは直接的なエネルギー源
エネルギーの統計を見ても、供給源としては、この3種類しか出てこない
現在の日本では、一次エネルギー供給量の9割近くが化石燃料
これに対し二次エネルギーは、一次エネルギーを加工して得られるもの
具体的には電力、石油製品(ガソリン、軽油、灯油など)、都市ガス(天然ガスまたは石炭から製造)など
水素もこの部類
これらはすべて天然資源としては産出されず、一次エネルギーを原料として生産される工業製品に近い
すなわち、一次はエネルギー源であるのに対し、二次以下は媒体(運び屋)である点が、根本的に違う
水素を何から得るのか?
その1:水蒸気改質による方法
水素は二次エネルギーなので何からどのようにして得るのか?
電力がさまざまな方法で得られるのと同様、水素も種々の方法で入手できる
水素はいろんなものから作ることができる(原料の多様性)
しかし現実的な選択肢としては、天然ガス(の中のメタン:炭化水素)か水(電気分解か熱分解)しかない
実際、政府の水素供給計画でも、この2種類だけが検討の対象
現在、最も安価に水素を得る方法は、天然ガス中のメタン(CH4
、一般には炭化水素。石油・石炭などでも可能)「水蒸気改質という方法で処理するもの
メタンの水蒸気改質を化学反応式で書くと
式(1) CH4+H2O→3H2+CO
式(2) CO+H2O→H2+CO2
式(3) +)CH4+2H2O→4H2+CO2
これらの化学式が何を表すかというと、メタン(CH4)から水素(H2)を得る反応は(1)と(2)の2種類があり
足すと結果的に式(3)になる
すなわち1分子のメタンと2分子の水が反応し、4分子の水素と1分子のCO2が生成する
メタンを燃やした場合にも、炭素(C)はCO2に変わる
つまり、メタンを水蒸気改質して水素を製造するときには、メタンを燃やしたときと同じ量のCO2が生成する
この例に限らず、メタンその他の炭化水素やバイオマス(木材・下水汚泥等の生物資源)など、炭素を含む物質から水素を製造する場合、含まれる炭素はほぼ必ずCO2として排出される
その理由は、炭化水素やバイオマスを形成している炭素(C)-水素(H)結合をブチ切らないと水素(H2)が作ることができない
炭素(C)を何か強い酸化力で引きつけないといけないから(その酸化剤は通常、酸素(O)が一般的だから結果的に必ずCO2が出てくる)
最近マスコミ等でよく取り上げられる、オーストラリアからの褐炭水素、UAEからの天然ガス水素、または牛糞や下水汚泥からの水素等も全部同じ
これらはすべて、結局はメタンガスを作り、それを水蒸気改質して水素を得ているので、原理的に同じ方式であり、製造段階でメタンを燃やすのと同量のCO2が排出されるプロセス
もともと水蒸気改質は、アンモニアなどの化学原料を得るための水素製造用に開発されたのであり、エネルギー媒体製造が目的ではなかった
実際、前記(1)式は吸熱反応(エネルギーを加えないと進まない反応)であり
かつ1000℃近い高温で反応させるため、たくさんの熱エネルギーが必要
計算すると製造される水素の保有エネルギーの約半分は、製造時に消費されてしまうことがわかる(それだけCO2を排出してしまう)
つまり、元の天然ガスのエネルギーが約半分に目減りする
製造時にCO2が発生すると脱炭素社会の構築には役立たないということで
発生したCO2を回収・圧縮して海底や地中深く埋めてしまうCCS(Carbon Capture and Storage)を適用することになっているが
CCSにはコストがかかり、エネルギーを消費するので、さらにCO2排出が増えることになる
本末転倒
CCSも脱炭素の切り札などとマスコミでもてはやされているが、現実には、大口発生源の火力発電所でさえも実現していない
発電単価の上昇が避けられないから
なおマスコミ等では、天然ガスからの水素は製造時にCO2を出すのでブラック(またはブルー)水素、CCSを適用した場合は効率が下がるのでグレー水素と呼び、水から作ったグリーン水素と区別している
むろん、この色分けが後者になるほど評価は上がるのであるが・・・
その2:水を分解して水素を得る方法
最近、グリーン水素などともてはやされている水素がある
これは水(H2O)を原料として水素を製造するため、製造過程でCO2
が発生しない水素を指す
その方法は主に水の電気分解、中学程度の化学知識でも理解可能
電気分解以外の方法としては、高温を用いる熱分解と、太陽光と触媒を用いて光分解する方法があるが、効率その他の問題があり、事実上は電気分解のみ
・・・触媒はあり
効率をアげる余地はある
たしかに水の電気分解で水素は作ることができる
しかし、電力は二次エネルギーであるから、これを用いて作る水素は三次エネルギーになる
作る過程で必ず目減りするので、必ず元の電力より高いエネルギーになってしまう
CO2が出ないからといって、喜んでばかりもいられない
とくに、水素を最も効率的に使う方法は燃料電池を用いることであるが、その産物は電力
つまり、元の電力を再生可能エネルギー(再エネ)から得るとしても、図式的に表すと、
再エネ電力→水素→燃料電池→電力となり、→の1段階ごとに目減りするので、これは電力の無駄遣いでしかない
言うまでもなく、元の電力をそのまま使うのが最も効率的
また、水の電気分解で水素を製造すると高くつくので、商業ベースで実用された例はない(石油会社などがCMで宣伝している水素は、全部、天然ガス由来)
現実的な効率を考えると、水の電気分解(=水素の発生)と燃料電池による発電(=水素の消費)の各段階の実用的効率は60%程度
この2段階を経るとエネルギー効率は0.6×0.6=0.36、つまり36%に落ちてしまう
水素の利点として③貯蔵が効く
実際には水素を経由すると電力が64%も減ってしまう
蓄えたら64%も電力が減る蓄電池を使う人が、どこにいるだろうか?
電力貯蔵法としても、水素に利点はほとんどない
ムダの典型といわれる揚水発電でさえ、ロスは30%程度で済んでいる(水素の64%ロスよりマシ)
なお、水を原料とする水素製造法は、1970年代の石油危機以降、さまざまなものが考案されたが、反応速度や効率の面で実用化されたものはない
太陽光を用いて水を分解するのは、人工光合成の第一段階だが
同じ太陽光から電力を得るのなら、太陽光→水素→燃料電池→電力のルートよりも
直接的に太陽電池を用いて太陽光↓電力のルートが効率的にもコスト的にも断然有利
高温ガス炉という原子炉を用いる方法もあるが、これも水素を経由するより直接発電するほうが効率的
(高温ガス炉は現在使われている軽水炉より高くつくので、電力会社には好まれていないが、水素製造が可能との観点から見直す動きもある)
水素を使って何をするのか?
その1:発電する
水素を最も効率的に使う方法は、燃料電池を使って電力生産に使うこと
その効率は約60%にも達するので、燃やして燃料にする場合の最高効率42%程度よりずっと高い
しかし、燃料電池には設備コストがかかる
燃料電池にはいくつかの方式が考案されているが、いずれにせよ正極・負極・電解質からなるセルを多数重ね合わせる複雑な構造
また発電効率の高いものほど高温を必要とする傾向があり、ものによっては1000℃近い高温になる
そのため生成物は液体の水ではなく、水蒸気または熱水
大規模発電所を燃料電池で作ろうとすると、設備費の制約が大きくなる
実際、1980年代から水素と燃料電池を使って大規模発電所を作る構想は何度も検討されてきた
しかし実際には、設備費その他の制約があって実現しなかった
もっと手っ取り早く水素を使うには、現有の火力発電設備の燃料に水素を混入させる方法がある
これにより火力発電からのCO2排出量が減るから環境にやさしいとされているが
その水素は何から来ているのか? 先にも述べたが、天然ガスから水蒸気改質で水素を作ると、保有エネルギー量が半分になり、出るCO2は燃やす場合と同じ
なので、それならば元の天然ガスを燃やすほうが断然トク
水の電気分解で作ると、先述したように、電力→水素→(燃料電池or燃焼)→電力となって、単なる電力の無駄遣い
要するに、水素を燃やして発電燃料に使うのは、何重にもエネルギーを無駄遣いすることなる
その2:燃料を作る
もう一つの水素利用ルートは、燃料を作ること
最も有名なのは、CO2に水素(H2)をくっつけてメタン(CH4)を作るメタネーション
メタンは気体だが、もっと炭素(C)を多くすると炭化水素(Cm Hn)液体燃料ができる(注:m、nは自然数)
ヨーロッパ・アメリカで注目されているe-Fuelなどがその例
また、空中窒素と水素を反応させてアンモニア(NH3)を作る方法もある
これらはいずれも、化学的には元の物質(CO2やN2)に水素H2)をくっつける反応(還元)なので、外からエネルギーを加えないと反応が進まない
人工的なアンモニア合成法として、工業的にはハーバー・ボッシュ法という高温高圧プロセス(数百℃・数百気圧が必要)が使われており、できたアンモニアの保有エネルギーは、原料の水素の約半分に目減りしている
メタネーションなどは、CO2から燃料が作れる夢の燃料製造?
先述からもわかるとおり、実質は水素(H2)の消費であり、その水素を天然ガス(メタンが主成分)から作るのでは水素を消費して元のメタンに戻るだけ
電気分解で作った水素を使うのは、電力の無駄遣いでしかない
本当に、何をやっているのか訳がわからない
水素を原料として燃やすのはもったいない
また燃料であるから、結局は燃やして使うのであり、熱機関(熱を動力に換える機関。エンジンや蒸気機関など)の効率は一般に低いことも忘れてはいけない
電気モーターは、電力→動力の効率が90%台
燃料電池は水素→電力の効率が約60%であるのに対し、自動車エンジンの効率は10~20%以下
最新鋭の大型火力発電でも42%程度
・・・今は、もうチョっと高い
水素を原料とした燃料を燃やすのは、いずれにせよエネルギー損失が大きく、もったいない方法
CO2が出ない燃料といって喜ぶのは早すぎる
これからは、エネルギー効率の高い手段を選ぶべき
水素を燃やすのがもったいないならば、その水素を原料として大量のエネルギーを使って合成したアンモニアを燃やすのは、さらにもったいない
こうなるともはや、正気の沙汰とは思えない
CO2を出さないことしか眼中にないから、そうなる
さらに、アンモニアを燃やしたら、厄介な窒素酸化物(NOx)が発生する
NOxは酸性雨、オゾン層破壊、光化学スモッグ、PM2.5などの原因物質(N2Oは温室効果ガスでもある)
大気汚染物質の中でも最も被害の影響範囲が大きく、かつ処理の難しい物質
CO2を出さない代わりにNOxを出す
(NOx自体は直接的な温室効果を持たないが、各種化学反応によって温室効果ガスを生成するので間接的温室効果ガスと呼ばれる)
ゴミ焼却施設や火力発電所のNOx排出抑制には、アンモニアが使われている(脱硝設備)
窒素酸化物(NOx)を処理するために大気中窒素からアンモニアを作り、それを消費する
その処理過程で窒素(N2)は大気に戻り、正味で消費されるのは水素
・・・あれ?
・・・ガスとなったCO2の固定はしないと大気中のCO2は増える
緑の地球にするのが・・・
木を植えましょ
増えてる乾燥地帯をすべて緑化すると
降り注ぐ、お天道様の光を植物が吸収
CO2による、お天気の激情化とは別の意味で、お天気も安定すると・・・
今は切ってんだよね~
適切に切るのは森林の維持にも必要なんだけど
脱炭素の膨大なコストを考えると
植林etcは十分合うんじゃないかと・・・
今日は~
フマタ?/Humata?⇒フレボシア ニコラスダイヤモンド/Phlebosia Nicholas Diamond
変なシダが
値段も名前も付いてない
別のトコにもあるかと一回りするも
無い
元に戻って悩む
なんせ大きい
ビニールポット植えなんだけどハッパがデカい
それも、成長した時のハッパと違うシェイプ
根本にある小さめのハッパは
見たとこソソられるシェイプでない
それから成長した新しいハッパがソソる
でもデカいし寒さに弱そうさし・・・
ふと根本をよく見ると
なんかモフモフの根茎が
ダバリア?
いやハッパが全然チガう
あの繊細なハッパじゃない
なんじゃ?
カザリシダ?
いやチガうと・・・?
どしよ
植物の場合
一期一会ってマジある
ある生産者さんが
コレいいかも、売れるかも、って増産
(今はワールドワイドで種とか胞子とか手軽に手に入る)
で市場に出す
なんせ数はあるし、高いと売れない⇒安く出す
で、出してみたらソコソコ売れたけど
後が続かない
で1シーズンでヤめちゃう
で・もう手にはいらないってことはザラ?
ウチのアジ、レニフォルメなんて正にソレ
1シーズンだけだった
それも全然売れてなかった
こっから妄想
もし着生種で
モフモフがハイズり回る玉になったら
もうドすとらいく
レジに行き、お値段を聞くと
お安いし・・・
お持ち帰り・・・
2021/10/19
ラベルに”しだ?”を追加
とりあえず、このコの仮名に
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