2021年1月26日火曜日

電気がヤバい

かの国で寒波の中での停電騒ぎが・・・日本では
日本の電力小売りの全面自由化から4月で5年
新規参入が相次ぎ新電力の販売電力量は全体の約2割を占める規模まで拡大している
しかし、この冬の一連の電力不足が日本の電力網の脆弱性と新電力の経営難を浮き彫りにしている

1月の3連休
経済産業省・資源エネルギー庁と電力の業界団体である電気事業連合会(電事連)の幹部たちが休日にもかかわらず電話越しにやりあっていた
10年に一度と言われる寒波の襲来で全国的に気温が低下
北陸地方では豪雪のため北陸自動車道では車が立ち往生するなど、厳しい寒さが続いた
原子力発電所への依存率が大手電力で最も高い関西電力では、年末から電力不足が懸念され、どうやって年末年始を乗り切るか、幹部たちが連日頭を抱えていた
福井県にある高浜や美浜などの原発の再稼働が遅れ、それを補う液化天然ガス(LNG)を発電燃料とする火力発電所の燃料タンクが底を突いていたため
関電では社長以下の“指令”のもと、LNGの取り次ぎをする大手商社などに確保を要請した
しかし、すぐに調達できるLNGはない
あとのない関電は最後の手段として、家庭向け電力の販売でしのぎを削る商売敵の大阪ガスに頭を下げLNGの融通を要請した

電力業界も、それまで手をこまぬいていたわけではない
大手電力会社間で余剰電力を融通しあっていたが、寒波は全国規模で広がったため、大手電力間での融通にも限界がきてしまった
電力は需要と供給が一致しないと停電してしまう
需要に供給が追いつかない事態が続く中、電事連
「電力消費を極力抑えてもらうよう、広く国民や企業に訴えてもらいたい。場合によっては節電要請を求めたい」と所管の経済産業省や資源エネルギー庁に訴えた
しかし、新型コロナウイルス感染拡大で各家庭は巣ごもりしている
「暖房を切るなどの節電は、高齢者らが亡くなるリスクを高める」
として、どちらも節電要請にはクビを縦に振らない
経産省関係者
「菅政権が最大の産業政策として掲げる脱・炭素(カーボン・ニュートラル)政策に水を差すことになる。新型コロナウイルス感染拡大で支持率が急落している中で『節電要請』となると、看板政策の脱・炭素政策も腰砕けになる」
ここで火力発電の燃料不足など思い起こさせたくない思惑・・・
さらに政府が発する節電要請は10年前の東日本大震災などの非常時に出される類いのものだ連休中で企業活動が止まり、電力消費量が減っているタイミングで出たとしたら、まさに電力供給の危機的状態を露呈することになる
官邸を恐れる経産省は大手電力会社間の電力融通や、石油・ガス業界からのLNGなど燃料確保の自助努力を押しつけた
電力大手幹部はこう憤る。
「こうなったら停電させたらいい。電力改革と称して自由化を迫っていて、停電の懸念が出てくると、『業界で何とかしろ。電力会社は何をやっているんだ』と頭越しにどなりつけてくる。停電が相次ぐ米カリフォルニアなどで明らかになっているように、電力自由化にかじを切ることは、そういうリスクも抱えるということは子供でもわかるはずだ」

今、日本は世界最大のLNG輸入国
世界的にダブつき、長く価格が低迷しているLNGが、なぜ国内で不足しているのか
原発停止以降、石炭や石油より環境負荷が低いLNG火力へのシフトも進み、国内の発電総量の4割を占める
原発が止まって使用量が増えているにしても、LNGの調達難は即、電力危機につながるだけにその管理は徹底しているはず
貯蔵期間が2カ月しかないLNGは、石炭や石油に比べて扱いづらい
大手証券アナリスト
「これも電力自由化の功罪だ」
気化しやすいLNGは2カ月くらいしか貯蔵できない
このため一般には2~3カ月先の注文をオーストラリアや東南アジア、アメリカなど産ガス国と交わす
しかし市況低迷に伴いスポット(随時契約)で調達するほうが長期契約するよりも、この1年ほどは4分の1くらいで買えた
で、電力各社ともスポット調達に傾斜
さらに余分に調達した場合には2カ月しか持たないLNGを賞味期限がきれる前に転売するしかない
余ったLNGを売却した九州電力は昨年度約180億円もの売却損を計上
貯蔵が利く石炭や石油に比べて扱いづらい
自由化でコスト削減に必死の中でLNGの在庫をいかに抑えるかということは大きな経営課題となる
そこを寒波が突いた
太陽光も豪雨や日照不足で頼りにならない
となればLNG火力に頼るしかない
だが、ぎりぎりに切り詰めていたLNGの在庫が払底する事態に
九州電力ではJパワーの石炭火力発電所に石油を流し込んで、急きょ発電する慌てようだった

自由化で電力会社は発送電分離を迫られた
自由化前のように、発電から配送電、小売りまで一社で一貫して手掛けていた体制では、小売り・営業部門から企業や家庭などの電力の消費動向がリアルタイムにあがり、それに応じて発電・送電部門が燃料調達や発電所の稼働を調整できた
しかし自由化後は発電、配送電、小売りがそれぞれ別会社になった
大手電力幹部
「各社間の情報連携がうまくいかず、供給責任をどこが担うのか、責任の押しつけ合いになってしまった面はある」

寒波は中国や韓国も襲った
さらに中国はいち早く経済が回復したためLNGの需要が伸びている
韓国も石炭火力からLNG火力への転換を進めている
また東アジアの需要が急に跳ね上がったためにアメリカから来るLNG船がパナマ運河で渋滞したり、オーストラリアやマレーシアのLNGプラントが故障したりするなど不運も重なった
一連の全国的な電力需給の逼迫は自由化の目玉である新電力各社の経営も直撃
自前の発電所を持たない新電力が商材となる電力を調達する卸売価格が高騰している
今年に入り、1月分の電気料金が通常時の2倍以上になる恐れも出てきた
LNG不足で火力の発電量が減ったため、大手電力が卸市場に出すガス火力の電力も減るた
寒波の影響で需要が増加しスポット価格が高騰

日本卸電力取引所(JEPX)の指標価格は1月中旬に一時1Kw時あたり150円台と、12月上旬と比べて約25倍に
一般的に家庭の電気料金は1Kw時あたり20円台の場合が多い
新電力が販売する電力を全て市場調達に頼る場合、単純計算で電力を1Kw時売るたびに100円超の赤字となる
一部の新電力は市場価格を電気料金に直接反映する販売プランを採用している
ダイレクトパワー(東京・新宿)や自然電力(福岡市)によると、1月分の電気料金は通常時の2倍以上になる可能性がある
新電力の中では経営危機に直面する事業者も
新電力のLooop(東京・台東)は複数の新電力と事業の譲り受けに向けた協議を始めた
急騰する卸売価格をそのまま電力料金に反映すれば顧客離れは避けられない
新電力事業の競争環境が厳しさを増す中、ある事業者
「ただでもいいから事業を引き取ってくれる先を探している」
事態を重く見た経済産業省は新電力を支援する対策を発表
事前の販売計画と実際の販売量にズレが生じた際に支払うインバランス料金について
新電力が電力供給を受けた大手電力会社などに支払う金額に上限を設ける
これは1/17の電力供給分から適用した
インバランス料金はJEPXと連動している
昨年12月前半は1Kw時あたり4円台の時もあったが、1月以後は高いときで220円と新電力の経営を圧迫している
経済産業省はインバランス料金に1Kw時あたり200円の上限価格を設けて影響を軽減する
大手証券アナリスト
「インバランス料金の見直しだけでは効果は限定的だ」
追加の対策が必要になる可能性もある
大手電力幹部
不完全な電力自由化と、急速な再生エネルギーシフトで混乱に拍車をかける脱・炭素政策
「再エネは安定供給に難があることは誰でもわかる話。そこをどう埋めていくのか。再エネで跳ね上がる電気料金を誰が負担するのかも議論が進んでいない」

・・・センセイ・お役人様の劣化が止まらない
今の自民党には人がいないそうな・・・
数合わせの陣笠ばかり

こんなんで銭のかかるスマートグリッド化、EV促進とかでの電力需要の急増とか
どうすんの?

今日は~
藁ぶき屋根の植生

昨年行った戸隠
山門の屋根
ワラワラ生えてる

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