2021年1月13日水曜日

日本の野菜の安全神話


北海道大学の池中良徳准教授
「残念なことに、日本のお茶からは100%、ネオニコチノイド系農薬が出ました。この農薬は水に溶けやすいので、お湯で抽出されたんですね。これは事実として受け止めなくてはならないと思う。ただ、検出された濃度は、残留基準値の数%にすぎませんので過度に心配する必要はないです」
検査した茶葉は39検体、ペットボトルのお茶は9検体で、そのすべてからネオニコが検出された
茶葉から抽出したお茶に比べてペットボトルのお茶の数値が小さいのは、使われている茶葉の量が少ないからだろう
農水省の品目別残留農薬基準値でお茶の項目を見ると、約200種類の農薬が出てくる
つまり、お茶の栽培にはそれだけの農薬が認可されている
どの農薬を使ったかは使った農家しか分からない
今回の検査は、そのうちのネオニコ7種に絞しぼって調べたということ
「お茶を調べようと思ったのは、長野県で子供の尿に含まれているネオニコを分析したのがきっかけでした(*2)。ほぼ全員から検出されるので、どこから摂とっているんだろうと思って、お茶に見当をつけたわけです。日本人はお茶などを介して、日常的に農薬を摂取しているんですね」
ちなみに、麦茶やウーロン茶からはあまり検出されなかった
「焙煎する過程でなくなったのだろう」
通常ネオニコは270度以上で分解される
ただし中国産ウーロン茶からは重金属もよく検出されるので要注意

農薬が検出されることについて日本は高温多湿で害虫が発生しやすいから仕方がない
という意見も
しかし池中氏は、同時にスリランカ産の茶葉(紅茶)も検査したが、ネオニコは検出されなかった
「紅茶にする加工の過程(発酵)でネオニコが抜けた可能性は否定できませんが、完全に抜け切ることはないと思います」
スリランカは熱帯モンスーン地帯にあって、気温も湿度も日本より高く、害虫も少なくないはず
栽培にネオニコが使用されなかった可能性が高い

実はこのネオニコ、検出されるのはお茶からだけではない
「野菜ジュースからも100%出ます」
日本人は、お茶や野菜が主要な曝露源ばくろげんになっている
東京都は毎年、国内産野菜・果実類中の残留農薬実態調査を公表しているが、平均して約6割の農産物からネオニコが検出されている
2016年度の検出率は、キュウリやホウレンソウなどが100%。ナス75%、トマトは71%、キャベツは50%で、露地栽培よりも、ハウス栽培の方が比較的高い
逆に検出されなかったのは、ニンジン、蓮根、ブロッコリー、アスパラガス、スイカなどだった
果実は毎年7割以上から検出されている
虫食いの痕あとがあったり、形や色が悪かったりするとB品と言われて安値で取引されるから、農家もしっかり農薬を撒かざるを得ないのだろう
私たちは毎日、これらの作物を通して農薬を食べている
「最近は野菜スープによる健康法が人気ですが、通常の野菜をスープにして飲むとどうなるんですか」と尋ねると
池中教授
「たぶん農薬を摂取します」

もちろんこれらは、国が定めた残留基準値内だから、違反ではないのだが
検出された数値の単位はppb/g(ng/g〔ナノグラム〕
つまり検体1g当たり10億分の1gである。10ng/gでも、競技用のプールにインクを1、2滴垂らした程度の濃度
そんな微量なのかと思うかもしれないが
実はEUやカナダ、台湾、韓国などに輸出すれば検疫ではねられるほど高い
日本の残留基準値の設定が信じられないほどゆるい
EUの残留基準値が低いのは、お茶を生産していないからだという意見もあるので、同じようにお茶を生産している台湾のそれと比べてると
ネオニコの中でもチアクロプリドは600倍、チアメトキサムは20倍、アセタミプリドは15倍……というふうに、やはり日本の基準値は信じられないほどゆるい
フランスでは立ち寄ったスーパーの棚で見た日本産茶葉のほとんどが無農薬だった
通常の栽培法ではEUに輸出できない⇒農水省などは、お茶などを輸出用に栽培するために
輸出相手国の残留農薬基準値に対応した病害虫防除というマニュアルをつくっている

池中教授
「最大でも厚労省が許可した濃度の8分の1ですから、ある一定量を飲んでもおそらく大丈夫だろうということになるのですが、一方で、多量に摂取することによる急性中毒例はかなり報告されていて(*3)、その症状については多い順に、呼吸困難、昏睡こんすい、頻脈ひんみゃく、低血圧、吐き気、嘔吐おうと、発汗などがあります。これらの急性中毒例を見ると、ネオニコには神経系に作用する毒性があることが分かります」
神経系に作用する毒性とは発達神経毒性のこと
胎児期から幼児期にかけて化学物質に触れることで起こる神経系への有害作用
たとえば農薬による自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害への影響が研究されつつある
こうした病気に農薬が関係していると言われているが、残念ながら日本では胎児期に曝露されたら成長過程でどんな影響があるかという発達神経毒性試験が義務付けられていない
アメリカでは発達神経毒性の試験は義務付けられている

東京女子医科大学東医療センターの平久美子医師
「10年以上も前ですが、緑茶を飲んで痩せようと一日に何リットルも飲むのが流行ったことがありました。当時、急に手が震ふるえる、不整脈もすごい、目がうつろでフラフラ、食欲がない、心臓がバクバク、そんな患者さんがたくさん来られたんです。
お茶のせいではないかと疑い、飲むのをやめてもらうと、数週間でけろっと治りました。まさかと思って、ペットボトルの茶飲料を分析したら、本当にネオニコが検出されたのです。健康のためと思って、せっせと飲んで、病気になっていたのです」

これは急性中毒だから分かりやすいが、ネオニコが厄介なのは、本当の毒性が見えないこと
ネオニコというのは、私たちがイメージする農薬とはずいぶん違う
多くの生物は、脳から信号を受けると、神経細胞の先端にあるシナプスなどで電気信号をアセチルコリンに変換して放出し、これがアセチルコリン受容体というところに結合して情報が伝わる仕組みになっている
・・・だって

人間も含めて、ほぼすべての生物は、アセチルコリンなしに生きていけないと言われる
ネオニコは昆虫のアセチルコリン受容体にくっついて神経を興奮させ続けることで殺す仕組み
哺乳類の受容体は昆虫とは形が違うのでくっつきにくく、だから人間には安全だと言われてきたのだが今、その安全神話がゆらいでいるの
最初に問題になったのは、ミツバチの大量死にネオニコが関係しているのではないかという疑惑だった
一般的にDDTと言えば怖い農薬というイメージがあるが、実はネオニコのミツバチへの毒性はその数千倍とも言われ、何らかの影響があって当然だろうと言われてきた
ハチが死んだところで、我々の生活に関係ないだろ・・・
この世に昆虫がいなくなれば、種子植物は受粉できなくなって農業は成り立たない
人間がこれをやらせようとすれば、ものすごいコストがかかる

さらにネオニコは人の健康にも影響があるのではないかと言われている
受容体にくっつくという作用は、ホルモンの作用によく似ている
ホルモンも一種の化学的情報伝達物質で、内分泌腺や細胞から血中に分泌され、血液の流れにのって臓器などにある受容体にくっつくことで作用を及ぼす
それはきわめて低濃度で、10億分の1gどころかpg(ピコグラム)つまり残留基準値よりはるかに低い1兆分の1の単位で大きな変化を引き起こす
人間の脳の中にもアセチルコリン受容体はたくさんある
ネオニコが人間の脳神経に影響することが明らかになっていけば、常時摂取しているだけに深刻な事態になりかねないだろう

・・・日本の野菜のがコワい・・・って言ってた、かの国の方がいた
前は逆だった
ガバガバ お茶を飲んでたけど・・・
そういや、お茶を自家栽培してた爺さんが
お茶の産地の農薬購入金額はハンパないって・・・

今日は~
カタクリ/Erythronium japonicum
タツタソウ/Jeffersonia dubia

4月の末
カタクリの花は終えてる
タツタソウとの共演?
ここのタツタソウの花は遅い

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