2024年9月28日土曜日

かの国 最先端テクノロジーで圧倒的優位に

中国は本当に衰退しているのか?最先端テクノロジーで圧倒的優位に立つ?

オーストラリア国防省のシンクタンク オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が世界の最先端テクノロジーの最新ランキングを発表
結果を見ると、落ち目のように報道されている中国が決して侮れない国であることがわかる
中国経済が崩壊に近いとのイメージを信じ込むことは危険・・・

不動産バブルの崩壊がもたらす影響は大きく、これの中国経済に対する影響を過小評価してはならない
だが逆に日本の主要メディアのように、これを過大に喧伝し、中国経済が崩壊に近いとのイメージを信じ込むことはもっと危険
2024年の中国経済の成長率は4.7%
8%程度だった10年前に比べると確かに低いものの、どの主要先進国に比べても高い
好景気が伝えられるアメリカでも2.7%
(統計の数字を信じれば)
中国では、経済の大規模な構造転換が進んでいるというのが実態
不動産投資を中心としたバブル型の循環から、先端的テクノロジーの開発を基礎した新製造業を土台にした成長モデルへの転換が進んでいる

これを主導しているのが最先端テクノロジーの開発
オーストラリア国防省の オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が昨年の3月に発行し9月にアップデートしたレポート
”ASPIのクリティカルテクノロジーのトラッカー、未来のパワーをめぐるグローバルな競争"
このレポートは、第4次産業革命の中核となる44の産業分野における世界の開発状況をリスト化したもの
各技術に関連する合計220万件の論文
さらに様々なキャリアステージ(大学、大学院、就職)における各国間の研究者の流れに関するデータを収集・分析
各分野をリードする国をランク付したリスト
すると中国は、44の主要な先端的分野で、37分野で首位
すでに多くの分野でアメリカを抜いていた

そして8/30にこのシンクタンクから最新のクリティカル・テクノロジー・トラッカーが出た
今回のレポートは長期的な研究投資の成果を見るために、過去20年間のデータを総合し、最先端テクノロジーの各分野における各国の優位性とランキングを調査した
防衛、宇宙、エネルギー、環境、人工知能、バイオテクノロジー、ロボット工学、サイバー、コンピューティング、先進材料、量子技術の主要分野にわたる64のクリティカル・テクノロジーをカバーしている
このレポートは、各国の研究実績、戦略的意図、将来の科学技術能力の潜在的可能性を予測する先行指標として
最も引用頻度の高い論文の上位10%を調査
分野別で国と研究機関の優位性をランキングした

・ASPIのCritical Technology Tracker
https://techtracker.aspi.org.au

中国は2003年~2007年の間、64の技術分野のうち3分野で首位に立ったが
2019年~2023年の間には64の技術分野のうち57分野で首位に
中国は、量子センサー、高性能コンピューティング、重力センサー、宇宙打ち上げ、先進的な集積回路設計および製造(半導体チップ製造)の分野で新たな進歩を遂げた
また国家の安全保障など戦略的にもっとも重要なハイリスクとされた分野は昨年の14から24に増えた
新たにハイリスクに分類された技術のすべてにおいて中国が首位を占めており、合計64の技術のうち24が中国による独占のリスクが高いとされている。
さらに新たにハイリスクに分類された技術の多くが、レーダー、先進航空機エンジン、無人機、群れ行動ロボット、衛星測位・航法など、防衛用途の技術
これから軍事的にも中国の優位性が高まることを暗示
世界最大の科学技術機関であると考えられている中国科学院(CAS)が、本レポートにおいて、世界で最も高いパフォーマンスを誇る機関であり
64の技術分野のうち31の分野で世界をリードしている
2023年は29分野であったが、2024年は31分野に増加

これに対しアメリカは、2003年~2007年の5年間では64の技術分野のうち60で首位を占めていた
直近の5年間(2019年~2023年)では7つの分野で首位
多くの分野で中国にリードされている
だがアメリカは、量子コンピューティング、ワクチンおよび医療対策、核医学および放射線治療、小型衛星、原子時計、遺伝子工学、自然言語処理の分野でリードしている
組織別に見ると、グーグル、IBM、マイクロソフト、メタなどのテクノロジー企業は
人工知能(AI)、量子技術、コンピューティング技術の分野で主導的または強力なポジションを占めている

<中国が首位の代表的分野>
・高度集積回路の設計および製造
http://www.yasunoeigo.com/ad
・ハイスペックな加工プロセス
http://www.yasunoeigo.com/hi
・先進的な航空機エンジン
http://www.yasunoeigo.com/adv
・ドローン、群れをなすロボット、協調ロボット
http://www.yasunoeigo.com/dro
・電気バッテリー
http://www.yasunoeigo.com/el

<アメリカが首位の代表的分野>
・自然言語処理
http://www.yasunoeigo.com/na
・量子コンピューティング
http://www.yasunoeigo.com/qu
・遺伝子工学
http://www.yasunoeigo.com/ge

このレポートでは、中国が最先端テクノロジーの多くの分野で首位になった理由を、中国の技術開発の一貫性にあるとしている
技術的能力を構築するには、科学的知識、人材、高機能機関への持続的な投資と蓄積が必要であり
短期的または場当たり的な投資だけでは獲得できない科学知識、人材、高機能機関への持続的な投資と蓄積が必要である
新政権による場当たり的な政策や、即時の予算削減による打撃は
数十年にわたる投資と戦略的計画から得られた優位性を失うことによるコストとバランスを取らなければならない
中国がリードを広げ続ける一方で、他の諸国がすべての重要な技術分野において、歴史的、複合的、補完的な強みを把握することが重要である

つまり中国、長期の計画のもと、一貫した技術開発を実現できているのに対し
政権が頻繁に交替する民主主義諸国では、政権の方針によって予算が削減され、一貫した技術開発が困難になっている

では、その他の国はどのような状況なのだろうか?
<インド>
インドは、グローバルな研究イノベーションと卓越性の主要な中心地として台頭しており、科学技術大国としての地位を確立しつつある
アメリカ、イギリス、そしてヨーロッパ、北東アジア、中東のさまざまな国々は、新興の科学技術大国の取り組みが加速しているにもかかわらず
いくつかの主要な技術分野において、多大な影響力を持つ研究における強みを維持している
インドは現在、64の技術分野のうち45分野でトップ5にランクイン
昨年は37分野だった
新たに2つの技術分野、生物学的製造および分散型台帳、でアメリカを追い抜き、64分野のうち7分野で2位にランクイン

<EU諸国>
EU諸国の中で最も高い実績を上げているのはドイツ
最近の調査では、ドイツは27の技術分野でトップ5
イタリアは15の技術分野でトップ5
一方、フランスは遅れをとっており、トップ5に入っているのは3つの技術分野
2003年~2007年までで歴史的に見ると、やはりドイツはヨーロッパで最も優れた国であり、45の技術分野でトップ5
これに対しフランスは32分野
イタリアは10分野

<イギリス>
イギリスの順位は低下
36の技術分野でトップ5に入っているが、これは昨年の44の技術分野から減少
2003年~2007年の結果を概観すると47の技術分野でトップ5に入っている
トップ5から脱落した技術は、さまざまな分野にわたっているが
その多くは先進材料、センサー、宇宙関連の技術など
例えば2003年~2007年では衛星測位およびナビゲーション、小型衛星で2位、宇宙打ち上げシステムで3位
しかし最近の実績では、これらの技術でそれぞれ6位、8位、9位
電子戦や指向性エネルギー技術などの防衛関連技術では、特にいくつかの成果を上げている

<イラン>
イランは防衛関連の技術に秀でている
過去5年間の実績を基にすると、イランは64の技術分野のうち8分野でトップ5
先進材料および製造、バイオテクノロジーに強い
イランはスマートマテリアルおよび空気非依存推進技術で3位にランク
2003年~2007年にかけて、イランの最も優れた業績は機械学習の17位であった
空気非依存推進技術ではイランはトップ10機関のうち3つを占めている
テヘラン大(5位)、イスラム自由大学(7位)、シャフルード工科大学(9位)
空気非依存推進、スマートマテリアル、先進的データ分析の分野において、トップ10にランクインした機関を有する国は、中国以外ではイランのみ
イスラム自由大学はイランのトップ機関であり、最近の業績に基づくランキングでは
メッシュおよびインフラストラクチャ非依存型ネットワーク(1位)
ドローン、群れ行動ロボットおよび協調ロボット(8位)
スマートマテリアル(7位)
先進データ分析(7位)
抗生物質および抗ウイルス剤(6位)
バイオ燃料(8位)の6つの技術分野でトップ10入り

韓国と日本
韓国のパフォーマンスは、日本が取り組むべき課題があることを示している
韓国はAIやエネルギー、環境分野を中心に、24もの技術でトップ5
日本は広帯域および超広帯域半導体と原子力エネルギーの分野で強みを発揮しているものの
トップ5に入っているのは8分野
2003年~2007年を振り返ると、ハイテク産業の強さという点で似た歴史を持つ両国は、この20年間でほぼ立場が逆転
当時、日本は32の技術分野でトップ5にランクインしていたのに対し、韓国は7分野だった
日本は韓国に完全に追い抜かれた

中国がトップの分野は年を経るごとに増えている
これから中国では、こうした最先端テクノロジーが製造業に応用され、新製品が消費材のあらゆる分野で出てくる
過去をみると最先端のテクノロジーの開発をリードし、それを応用した新製品の生産を主導した国が、世界市場を席巻した

テクノロジー開発の現状を見ると、これからは中国主導の新しい産業が世界を席巻することは間違いないように見える
ここまま行くと日本は中国が引き起こす製造業の津波に飲み込まれる
中国の不動産バブルの破綻が引き起こしているマイナス面に目を奪われ、いま起こっている中国経済の構造転換を見失うと、日本は中国のサプライチェーンに完全に組み込まれる?

このところの中国経済の衰退ぶりは、スタートアップ企業の数だけをみても如実に示されている
過去5年で新興企業がほぼ消滅
その理由についてフィナンシャル・タイムズ
「習近平指導部による政治的、経済的圧力によりベンチャーキャピタル(VC)の資金が枯渇し、新規企業設立が劇的に減少した」
「中国はいかにして民間部門を“締め付け”てきたか」という見出しで、長文の記事を掲載
中国の情報提供会社 IT桔子によるデータを紹介
ベンチャーキャピタルへの投資がピークだった2018年には中国国内で5万1302社の新興企業が設立された
2023年までにその数は98%減の1202社にまで落ち込み、今年はさらに減少する見込み

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのケユ・ジン准教授
「スタートアップの分野は中国で起業家精神を刺激する上で極めて重要だった」
「世界投資の流出と中国企業の評価額​​の大幅な下落は、国のイノベーション推進に悪影響を及ぼしている」
この分野の危機は、習近平体制のゼロ・コロナ政策により長引いた新型コロナウイルスよるロックダウンや
不動産バブルの崩壊、株式市場の停滞に見舞われた中国経済の減速を反映している部分もあるが
アメリカとの緊張が高まる中で西側投資家の大部分が撤退したことも大きく影響?
これは習近平国家主席による政治判断の結果でもあると
中国共産党に独占的とみなされたり、党の価値観にそぐわないとみなされる新興企業などへの取り締まりや
経済界を巻き込んだ腐敗一掃運動の広がりなどは民間企業の環境を劇的に変えてきた

2022年発行の暴露本
『私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット: 中国の富・権力・腐敗・報復の内幕』
の著者で中国の元不動産王デズモンド・シャム(沈棟)氏
共産党が「民間部門を締め付けてきた」
「成功した起業家は厳しく監視され、海外に資金を移すことができず、取引や発言が精査される」
当局の彼らが稼いだカネは国のカネ、との態度が起業家の意欲を削いだ
香港出身で現在はイギリス在住のシャム氏が記した同著は世界的に注目を集めた
2017年 中国で富を極めたシャム氏
元妻で共同経営者が中国で突然、同僚3人と共に姿を消し、当局に監禁されたことを知る
その消息は現在も不明で、一代で財を築いた起業家たちを待ち受けるのは当局による〝粛清〟だと、実例をもとに暴露

アリババのジャック・マー(馬雲)氏やテンセントのポニー・マー(馬化騰)氏のような中国を代表する起業家たちもその例外ではない
両マー氏が創業したそれぞれの企業の価値は、2020年第4四半期までに合わせて$1.5兆(約¥216兆)にも達した
 ところが、2020/11に状況は一変
中国政府はアリババから分離した金融関連会社アントグループのIPOを、株式の取引開始予定日のわずか2日前に異例の中止を発表
ジャック・マー氏は当局に監督面接と呼ばれる取り締まりを受け
ハイテク分野へのより広範な取り締まりが開始され、いわゆる中国リスクが浮き彫りになった
当局による富裕層締め付けを避けるため、ポニー・マー氏は習体制への恭順を示し
¥数千億単位の巨額の寄付や慈善事業に協力をしてきた
それは自身の身を守るためでもあるとされる
「もはや会社を設立する意味などなくなった」と上海のある起業家は憤り
「なぜリスクを負わなければならないのか。すでにこの5年、スタートアップは失敗してしまった」

・・・う~ん、かの国は
技術開発は、お国がバンバン銭を使って進む
けど
銭にするパイオニアは潰されて・・・

今日も~
しだ?
カンザシワラビ?と 
たぶんプテリス2種
先日、ゲットしたハエトリグサに入ってたコ
このコたちも
植え溜めに植えた

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