2024年8月3日土曜日

森の恵み

2024/7/24Nature
樹木のメタン吸収効果は、土壌による吸収と同レベルかそれ以上
その強力な吸収力を考慮すると、木々による温暖化防止効果は、これまでの想定よりも10%も大きい可能性が
地球温暖化の主な原因は二酸化炭素だが、メタンもまた強力な温室効果ガス
メタンの放出源は、火山活動、湿地や水田、家畜や天然ガスの生産、バイオマス燃焼etc
産業革命以前からの温暖化の3割はメタンによるものと推測されている
しかも現在その排出量は1980年代に計測されるようになって以来、最も速いペースで増加
大気中に放出されたメタンは、大気のプロセスによって除去されるのだが、メタン放出量がそれを大幅に上回っている

土の中にはメタンをエネルギーとする微生物が存在しており、生きるためにそれを分解している
それゆえに土壌は陸上唯一のメタン吸収源とされてきた
だが、今回の国際的な研究チームによると、樹木もまた土壌に負けないくらい重要な吸収源だということがわかった

バーミンガム大学のビンセント・ガウチ教授
2021年のCOP26国連気候変動サミットで発表されたグローバル・メタン・プレッジは、今後10年でメタンの排出30%削減を目標としています
今回の結果は、その目標を達成するには、もっと多くの樹木を植え、森林破壊を減らすことが重要である
この研究では、アマゾンやパナマの熱帯雨林、イギリス オックスフォードシャーの温帯広葉樹林、スウェーデンの寒帯針葉樹林など、熱帯・温帯・寒帯に生える樹木のメタン吸収量が調査された
メタンが一番よく吸収される樹木は、微生物が繁殖しやすい暖かく、湿った熱帯雨林にあるものだった
こうして新たに判明した樹木の力を踏まえると、温帯や熱帯の木々がもたらす温暖化防止効果は、これまでの想定より平均10%ほど高いと考えられる

この研究ではまた樹木のメタン吸収効果は高さによっても違いがあることが明らかになっている
地上の近くではむしろ少量のメタンが放出されている可能性があるが
幹の数m上からは吸収効果が発揮されるようになるという

その全体的な効果を知るために研究チームはレーザーで樹皮の面積を測定し、地球全体の面積を計算してみた
するとその面積は地球の陸地面積とほぼ同じで、世界全体では24.6~49.9 Tg(2460万~4990万t)のメタンを吸収しているだろうことがわかった
これは平らな地面が3Dになるようなもので、オックスフォード大学のヤドビンダー・マルヒ氏
「地球の生命が大気と作用するやり方に、第三の次元をプラスしてくれます」

研究チームは現在、森林破壊によって大気中のメタンが増えるのかどうか調査するべく、準備を進めている

References:Trees reveal climate surprise – bark remove | EurekAlert! / Trees reveal climate surprise: Microbes living in bark remove methane from the atmosphere / written by hiroching / edited by / parumo

植林に取り組んだアメリカ東部の地域が、回復した森林によって気候変動から守られていることが明らかに
2024年02月21日 ι コメント(21) ι 知る ι 自然・廃墟・宇宙 ι #

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過去100年、大規模な植林活動によりアメリカ東部では森林が大きく回復
大気中から二酸化炭素を吸収してくれる森林は、自然を利用した温暖化対策として重要視されている
だが今回の研究では、それだけでなく地域的に決して無視できない冷却効果を発揮してくれるだろうことが示されている
300年ほど前、アメリカ東部はほとんど森林におおわれていたが、農業のために伐採が進み、ほとんど丸裸になってしまったが
その後、大規模な植林活動や自然の回復によって1930年代以降、1500万haもの森が再び広がった
森林は水分を放出して周囲の空気を冷やし、同時に雲を作り出す
また葉の色の暗さや表面の粗さなどにもまた空気を冷やす効果がある
森林の回復にあわせて、この地域の気候も冷却され1900~2010年にかけて北米全体は0.7℃暑くなっているが、東海岸や南東部は0.3℃涼しくなっている

温暖化の懐疑派は、ことあるごとにこの地域の気温の低下を取り上げて、温暖化はしていないと主張していたが
実は回復した森林の影響によるものだと、インディアナ大学のマロリー・バーンズ博士らは語る
これまで温暖化の穴と呼ばれるこの地域の気温の低下に関して、森林再生と関連性をきちんと研究されていなかったと
樹木に周囲を涼してくれることならよく知られている
だが重要なのは森林がどの程度環境を冷却するのか解明すること
それが具体的にわかって、はじめて気候変動から地域社会を守るために、どれだけの森林を再生させる必要があるのか、計画することができる

今回の研究でバーンズ博士らは、人工衛星や温度計によって集められたデータを用い、森林と周辺地域との気温を比べている
そこからは森林からかなり離れた地域にまで冷却効果が及ぶことが明らかになっている
今日アメリカ東部の森林は、年間を通じて1~2℃ほど地域的な気温を下げ、夏にはそれ以上の冷却効果をもたらしていると考えられる

・・・成長が進み代謝が活発に・・・

1930年代以前の伐採が進んだ森林では、冷却効果はずっと小さかったはず
だから、もし森林が回復していなければアメリカ東部は地球上のほかの地域と同じように暑くなっていただろう
森林がすべてを説明するわけではないが、バーンズ博士
「森林再生はこのテーマの重要な一部であろう」

ただし植林効果は環境や状況に大きく左右される
森林を育てることは、大気中の二酸化炭素を吸収するもっとも手軽な方法の1つとされている
ただし、そうした効果は地球上どこでも同じではなく、環境や状況に左右される部分もある
バーンズ博士ら
高緯度では雪が光をよく反射してくれるツンドラよりも樹木の方が熱を吸収しやすい可能性を指摘
また若い森林(樹齢20~40年)に比べて、古い森林は冷却効果が落ちるなど、その効果が必ずしも永遠に続くわけでもない
「自然を利用した温暖化対策は、経済全体の脱炭素化と一緒に行なって初めて効果を発揮する」

森林の中で週に2時間程度過ごすことは人間の健康に良いことが知られているが、適切な場所で森を守り育てることは、地球の健康にも欠かせない

この研究はEarth's Future(2024/2/13付)に掲載

References:A century of reforestation helped keep the eastern US cool - AGU Newsroom / Widespread Reforestation Has Buffered The Eastern US Against Climate Change | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

・・・皆伐とかムダに木が切られ
シダやコケ、ラン、キノコとかが消えてく・・・

今日は~
シノブ/Davallia mariesii

庭のコ
4月の終
今年は毎日、水をヤってるせいか今ワサワサに

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