2024年7月3日水曜日

腐臭漂う中国

現在中国経済は大変な落ち込みに直面しており、地方財政は破綻の危機に直面している
不動産バブル崩壊によって、土地利用権の売却益で地方財政を賄うことができなくなったから
この結果、すでに公務員の給料が20~30%というレベルでカットに
税金や罰金を搾り取れる口実を見つけられさえすれば何でもやってやろうという動きが相次いでいる
例えば、路上を走行するのにナンバープレートが付いていないとして、自転車に乗っていた人に50元(1100円)の罰金が課されるなどということも起こっている
中国でも今は自転車にナンバープレートは必要ない

・・・その内・・・

トラックに備わっているGPSが正常に機能していないことを理由に2000元(44000円)の罰金が課され、そのあまりの理不尽さに抗議してドライバーが自殺する事件も
さらに、荷物を積んでいないトラックが、車体重量を調べる秤りにかけられた後
過積載(車体重量オーバー)を理由に罰金が課されるようなことも起こっている

・・・うわ~

重慶では、ガスメーターが新しいものに交換されてから、ガスの使用量が激増するなどいうことも起こっている
これは市民の間で大騒ぎになり、重慶ガス集団の党書記(経営トップ)が解任される騒動にまで発展した

そして中国政府
今から過去30年を遡る税務調査をやることによって、民間企業に追徴課税を課すことを始めた
湖北枝江酒業は、1994/1/1から2009/10/31までの消費税を期日通りに申告せず
都市維持建設税、教育付加税の納付も怠ったとして、合計8500万元(17億円)余りの税金の追納を要求された
そしておそらく、この納税が完了した段階で延滞税が計算されて、さらに追徴課税されることになるのだろう

こうした通知は他の企業にも次々と送られていて、浙江省寧波市にある博匯化工科技という化学会社に対する追徴税額は5億元(110億円)
博匯は追納に応じれば運転資金が枯渇して経営できないとして操業停止を決めた
広東省では、すでに7つの大企業がこの通達によって閉鎖

こうした無茶苦茶な税の取り立てを行えば民営企業の閉鎖、倒産の連鎖を招き、失業問題がさらに深刻化・・・
習近平は経済のことがわかっていない、というのはその通りだろう
だが単に頭が悪いからそうなるのではなく習近平はマルクスが唱えた社会主義の理論を本気で信じていて、社会主義化の徹底こそが正しい路線であると考えている?

資本主義下の企業は個別の企業の利潤最大化ばかりを考え、社会全体の必要量など頭にないから調子に乗りすぎて過剰生産に陥り、一気に生産を縮小させなければならない
そして恐慌に
これに対して社会主義は社会の需要量に応じた生産を計画的に行うことで
こうした資本主義の問題を回避できる
この点で社会主義のほうが優位にあるというのが、マルクスの考え方
この理屈が全く正しくないのは、資本主義と社会主義がその後どう動いていったかを考えれば一目瞭然なのだが・・・
習近平が社会主義の経済的優位性を信じているのであれば
民営企業を取り潰してこれらを全て国有企業に変える口実ができることは、習近平にとっては最善?
そもそも習近平政権においては、国進民退(国有企業が優位になり民営企業が退くことになる)が既定路線だった
過去30年にも及ぶ税務調査を口実に、民営企業を次々と破綻に追い込めるのは、むしろ社会主義化を実現するためにも都合がいい?

中国では昔から、賄賂などを使って役人側とコネを作り納税義務を免れるというのが
有能な経営者の当然のあり方だとみなされてきた
だから有力企業ほどスネに傷があるのは普通
30年前に遡って税務調査をやろうものなら、ほとんどの企業から膨大な追徴税を取ることができる
だいたい30年前の財務記録など、企業が保管していること自体、期待できない
役所の側にしても、個別の企業の当時の売上や利益が推定できるような資料などない?
だから30年前に遡って税務調査を行うといっても本当の税務調査などできない
追徴額もはっきり言ってテキトー?
権力を背景にふっかけられても、それに対して苦情を言うことも許されない
言われるがまま搾り取られるしかない

中国の企業が恐れる徴税の話はこればかりではない
警税作戦中心という、警察と税務署との共同作戦センターが今、中国各地にどんどん出来ている
国民側、企業側からすれば、警察権力と徴税権力はともに恐怖の対象
どちらにおいても権力を恣意的に用いられたら簡単に潰される

中国における経済分野への警察権力の介入は税務だけに留まらない
4/22に中国国務院が開催した資本市場に関わる勉強会に、公安部長(警察大臣)の王小洪が出席
資本市場に警察が乗り出す用意があることを公言
警察権力を必要以上に強大化させないよう、こうした分野の管理には別組織が担当するのが普通?

日本では資本市場の監督は金融庁に設置された証券取引等監視委員会が監督し
警察が直接乗り込むようなことは、よほどのことにならない限りは許されない
アメリカでも資本市場の監督は証券取引委員会が行うもので
FBIがここに直接関わるような仕組みにはなっていない

中国にも一応、証券監督管理委員会というものがあり、警察とは別に資本市場の監督を行うというのが建前とされてきたが
その建前すら覆される動きになってきた
ちなみにこの勉強会には、中国共産党中央政法委員会書記の陳文清、中国共産党中央紀律委員会副書記兼国家監察部部長の劉金国なども出席している
中国共産党中央政法委員会というのは、司法、検察、公安、情報などを束ねる機関で
そのトップが資本市場に関わる勉強会にわざわざ出席しているというのは・・・

そして6/5には中国共産党公安部党委員会の拡大会議が開催
中国公安部(警察)が金融リスクの監視と早期警報を強化し
中小金融機関、地方政府債務、不動産などの重点分野のリスク予防とコントロール、問題解決に協力すると発表された

このままでは中国の中小金融機関はもたないし、地方政府債務問題が爆発するのは避けられない
まして不動産バブル崩壊を抑えることもできない状態にあると
中国政府が考えているということ?
地方政府の債務問題を表面化させないためには、これ以上、地方政府にカネなど貸せないと言っている金融機関にむりやり融資をさせなければならない
そのためには警察権力が直接乗り出す必要がある?
しかし、そうやって金融機関に負担を押し付ければ、金融機関自体の破綻も避けられない
その破綻を避けるために中央銀行である中国人民銀行が、当該金融機関に必要な資金を密かに融通するようなスキームを動かす必要もある

こうしたやり方は健全な金融のあり方には明らかに反したモラルハザード
これを警察権力を背景に無理矢理にでもやっていかなければならないところにまで追い込まれていると見ない限り、今の中国の動きは理解できない・・・

・・・これで中国に投資しろって・・・

社会主義は社会の需要量に応じた生産を計画的に行う
誰が計画するの?
ソレは正しいの?
そんなコトができるの?
ソレができるなら、なぜ鉄鋼とかの過剰生産が起きるの?

中国共産党中央政法委員会とその下部組織の司法、検察、公安、情報など
が腐っていくのね
そして、また粛清が・・・
そんな中でも軍には銭が

今日は~
アラゲクジャク/ Adiantum hispidulum
根上がり
5月の終
ピンクの若葉

2024/7/8
修正


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