2024年7月2日火曜日

紙は無くならない

古来より、文字や絵などを記録するために使われてきた紙
デジタル化が進む現代ではペーパーレス勧められてる
あらゆるものがデジタル化されることで脳が体に送る動作の精度が低くなり
脳に余計なエネルギーを使わせてしまい、結果として脳が疲れてしまう脳疲労が・・・

作業と脳の関係に詳しい作業療法士の菅原洋平さん
デジタル化が進む日常は脳にどのような影響が・・・
一番大きな影響は触覚情報の不足です
脳は前後2つに分かれていますが、後ろにある頭頂葉には見たり聞いたり触ったりした情報が集められ
それを前にある前頭葉に送り過去の記憶と照らし合わせて、体に命令を送っています
このとき頭頂葉の情報が少ないと判断材料が少なくなるため、体に送る命令が曖昧に
曖昧なぶん正確な命令を送るために脳は修正作業をする必要が生じ
疲れてエネルギーを余計に使うこ
紙の本を読む場合と、タブレットで電子書籍を読む場合
前者は紙の質感にふれながら1枚ずつページをめくり、重要だと思うところは指でなぞってみたりと、さまざまな動作を行ないながら読み進めていく
一方、後者は視線で文字を追っていくことがメインとなり
動作といえば画面をスワイプしてページを送ることくらい
ドラッグしてマーカーを付けたりすることもできますが、どれもディスプレイに触れるという動作
つまり触覚情報が乏しい
同じ内容のものを読んでも紙の場合のほうが文章の意図を理解しやすいと感じるのは
この触覚情報の有無が大きく関連している
とこれをデジタル化の弊害と・・・
紙の本は本が重たかったとか、ページをめくったとか、文字を指でなぞったという感覚が、文章に注意を払ったり、他の箇所と比較したりする助けに
デジタルの場合は、その部分の感覚が少なくなってしまうため、文章の意図を、より深く理解することが難しくなってしまう

「キャッシュレス決済が普及したことで、つい無駄遣いをしてしまう」なんて声を聞きますが
実際に紙幣や小銭を自分で触らなくなっているため
お金を使う、という行為への意識が希薄になってしまうため?

デジタルとアナログの効果的な使い分け
それにはデジタルとアナログの特徴を理解して、デジタルでやるべきことと、アナログでそれを補完するということを、自分で意識的に行なっていくことが必要
たとえば自分の考えをまとめたいときは紙とペンのほうが向いていますし
会議の議事録などのように、あらかじめ決まった内容をまとめるのならばデジタルのほうが向いている

おもしろいのがパソコンのキーボードで文字入力をしているときは、ほかのことを考えることができない、ということ
たとえばホワイトボードに「紙のメリットについて」
と書きながら
「ここ、テストに出ますよ」
と言うことは可能ですが
キーボードで文字入力しながら別のことをしゃべるということはできない
つまり、キーボードで文字入力をするという行為自体に脳の容量を多く使ってしまっているため
同時にほかのことが考えられなくなってしまう

タブレットで小説やマンガを読む場合は、内容が脳に記憶されても、あくまでも文字情報としての記憶
紙とノートパソコンで小説を読んで、内容を思い出す場合
具体的な内容への質問はノートパソコンで読んだほうが答えられるのですが
内容を理解して推測しなければならない質問は、紙で読んだほうが答えられることがわかっている
デジタルデバイスでは、文字を読んでいるだけで負担が大きく
内容を深く理解する余裕がなくなってしまう
一方でデジタルは整えるという点でアナログよりも優位な点が
たとえばイラストレーターさんは、アイデアを考えているときは紙とペンを使い
イラストを仕上げる段階でデジタルデバイスを使うという方が多いようです
デジタルデバイスでは線を引く前にコマンドを選択してその都度注意が中断されたり
イラストの完成度に注意が引きつけられたりしてしまうことが認知的に負担になりますが
あらかじめ紙の作業で考えがまとまっていれば、これらはデメリットになりません

考えるときはアナログで、整えるときはデジタルで
両者のいいとこ取りをすることで脳の活性化も行なえますし
効率よく作業をこなしていくことが可能となります
これが現代のデジタル&アナログの二刀流?

ちなみに日常的な脳の活性化には家事がいいとのこと
もし食器洗いは面倒だし、玉ねぎのみじん切りは苦手というなら、それは機械や便利グッズにお任せしてOK
その代わり、やりたいことや面倒じゃないと感じることを自分でやることで、脳は自然と活性化するようです
家事の時短により浮いた時間を趣味の時間にあてるのもいい
上手な使い分けが重要

紙でチェックしたほうが間違いを見つけやすい理由
もちろん、菅原さんは意図的にデジタルとアナログを使い分けています
私は、論文はプリンターで印刷して読んでいます
一方で、事務的な連絡が書いてあるものはデジタルデバイスで読んでいます
本はすべて紙のもの
書籍は資料として読むことが多いので、しっかり読み込むというよりは
「こういうことがあるんだな」とか「こういう側面からの考え方もあるのか」
というように情報を取捨選択して読むことがほとんど
そうすると、こういう文章で書かれていたなとか、その書籍のなかのこの辺のページに書いてあったなというイメージが頭に残っているので
あとでその情報が必要になったときに「あの本のこの辺りに書いてあったな」という感じで読み返したりします
これはデジタルでは管理できません
大昔から食料が確保できる場所を記憶することは生死に直結していたので
紙や本な、空間に実在する物の位置を記憶することは、脳になじみが深いのかもしれません?

また、文章のチェックをデジタルで行なうよりも、紙に出力してチェックしたほうが誤字に気付きやすいというのも脳の働きに関係しています
ある放送作家の方が、台本をざーっとめくっていくと誤字が浮いて見えるという感じのことを言っていました
これは視覚性プライミング効果と呼ばれ
過去の記憶が自分の中にあって、その感覚をもとに見ていると、違和感を感じやすいというもの
自分が触れてきた文章の記憶と異なる部分があると
流し読みをしているだけでもそこだけにはっきりと違和感を持つので、より気付きやすくなる
これがタブレットなどのデジタルデバイスで見ていると
文字を画像として脳が認識するため自分が今まで触れてきた文章と比較できず不自然と感じない
やはり紙でチェックしたほうが間違いは見つけやすい

・・・自分で入力してても誤字に気がつかない
見直しても気づかないことも
完全に頭をリセットしないとアブナイ

地図なんか、やっぱ紙
全体を把握しつつ、気になる細かいトコも見れる
(当然、座標、施設情報とかは埋められてないけどドコかに行くというコトでは問題ない)
デジタルだと、いちいち拡大・縮小したりが恐ろしくメンドウ
見たいトコだけピンポイントで見るので他にある面白そうなトコに気がつかない
埋められた情報が多すぎてジャマに感じることも

今日は~
セッコク/Dendrobium moniliforme石鎚だるま

画は5月の終近く
石化サンゴ?ケト土で着けたコ
今年は他にも咲そうなコが

0 件のコメント:

コメントを投稿