2023年9月21日木曜日

千年以上前の先住民が作った肥沃な土

アマゾン川流域の一部地域には、先住民が作ったTerra preta(テラ・プレタ)と呼ばれる黒くて豊かな土壌があります
このテラ・プレタを用いることで、樹木や牧草の成長をブーストできるという研究結果が
Frontiers | Amazonian dark earths enhance the establishment of tree species in forest ecological restoration
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fsoil.2023.1161627/full

Secret behind Amazonian 'dark earth' could he | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/988029

Amazon dark earth soil could turbocharge tree growth around the world • Earth.com
https://www.earth.com/news/amazon-dark-earth-could-revolutionize-forest-restoration/

アマゾン川流域の土壌は強い日差しや豪雨によって養分が失われやすく耕作には向いていませんが
一部にはしっとりと黒く栄養豊富な土壌があることがわかっています
テラ・プレタと呼ばれるこの土壌は天然で形成されたものではなく、紀元前450年~紀元後950年の先住民が作った人工的な土壌だと考えられています
先住民は調理やごみの焼却に使用した木炭、動物の骨、陶器の破片、堆肥などを何世代にもわたり堆積させることで、栄養素や有機物が豊富なテラ・プレタを作った

ブラジル・サンパウロ大学の農業原子力センターに所属する大学院生のルイス・フェリペ・ザガット氏らの研究チーム
「テラ・プレタを含む土壌が牧草地となり、その後森林が回復した」

研究チームは、ブラジルのアマゾナス州で採取したテラ・プレタを用意
対照群の土としてサンパウロ州の農業学校にある土を用意
そして4ℓのポットを36個用意して
対照群の土のみを入れたポット
80%が対照群の土で、20%がテラ・プレタのポット
100%テラ・プレタのポット
を12個ずつ作りました
これらのポットを、現代よりも地球温暖化が進んだ環境を模倣した34℃の温室内に置き
ブラジルにおいて一般的な牧草であるUrochloa brizantha(パリセードグラス)の種を植えた
パリセードグラスは60日間鉢の中で育てられた後に根だけを残して刈り取られ
そこにアンベイ・ポンプウッドやペルトフォルム・ドゥビウム、セドレラ・フィッシリスなどの森林を構成する樹木の種を植えて、さらに90日間育てた

牧草は種を植えてから60日後
樹木は植えてから90日後に刈り取られ
根の長さや乾燥質量、成長度合いなどを測定
実験過程で土壌に含まれる有機物やミネラルなどの栄養分、さらに土壌中の微生物の多様性なども測定された
実験の開始時点では、予想通りテラ・プレタが多いポットほど栄養分が豊富
植物を育てた後はいずれのポットでも栄養分が植物の成長に使われて減少したものの、やはりテラ・プレタが多いポットほど多くの栄養が残っていた
また実験全体を通して、テラ・プレタを20%または100%含むポットでは細菌や古細菌の生物多様性が高かった
ポットに含まれるテラ・プレタの量は、牧草や植物の成長にも大きな影響があった
牧草の乾燥質量は対象土壌と比較して、テラ・プレタ20%入りのポットで3.4倍
テラ・プレタ100%のポットで8.1倍に増加
また、ペルトフォルム・ドゥビウムとセドレラ・フィッシリスはテラ・プレタ入りのポットで育てると、対象土壌より2.1~6.3倍高く成長
アンベイ・ポンプウッドは100%テラ・プレタのポットでのみ成長

今回の実験結果から研究チーム
テラ・プレタが植物の成長を促進すると
ザガット氏
「私たちは、有益な微生物や古細菌の微生物群、そして高レベルの栄養素を含むテラ・プレタを使用することで、牧草や樹木の成長が促進されることを示しています。つまり、テラ・プレタをとても豊かな土壌にしている『成分』についての知識を応用すれば、生態系回復プロジェクトのスピードアップに役立つ可能性があるということです」

論文の共著者であり、サンパウロ大学の農業原子力センターで教授を務めるTsai Siu Mui氏
「テラ・プレタは数千年かけて蓄積されてきたものであり、自然界にあるものを使用した場合、再生するのに同じだけの時間がかかるでしょう。私たちが推奨するのは、テラ・プレタそのものを使用するのではなく、むしろその特性、特に微生物をコピーして将来の生態系回復プロジェクトに利用することです」

・・・その特性、特に微生物をコピーして将来の生態系回復プロジェクトに利用する
コレを低コストで簡易にデキルかが・・・
しかし、人の手を離れて千年以上
その効力を維持していたなんて
微生物の力?・・・すげ~
そして先住民が
ど~して、ソレを知ったのか?

今日は~
レンゲショウマ/Anemonopsis macrophylla


花のド・アップ
今年の花は
紫のノリが悪かった
暑さで紫が抜けた?

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