大学入学共通テスト

ぼや川より

今日、大学入試センター試験の２日目
2020年1月の実施（2021年度入学者向け入試）を最後に廃止されることが決まっている
センター試験の代わりとして、2021年からは、大学入学共通テスト（新テスト）が実施される
なぜセンター試験を廃止し、新テスト＝共通テストを？
文部科学省
「グローバル化や第4次産業革命に対応しうる人材を育成するため、あたらしい学力評価制度・大学入試制度の設立が必要である」
考えた、と言うより、そのように考える経済界と現政権の意向を受けて、このような入試改革が実行されることになった
文科省〝大学入学者選抜改革について”
上記の人材育成のためには
学力の3要素
①知識・技能
②思考力・判断力・表現力
③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
の3つを育成・評価することが重要である
“判断力“”表現力”主体性など、能力やその達成度を共通の尺度で判定するのが極めて困難な項目も

試験内容は何が変わるのか
センター試験にはなくて、新テスト＝共通テストに新たに導入されるものは2つある
1つ目が記述式問題の導入
2つ目が英語4技能評価

文科省は、記述式問題の導入により
「解答を選択肢の中から選ぶだけではなく、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価する」
また、記述式問題を導入することで
高校や中学でも、主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善が促され
大学においては、高校で学んだ思考力・判断力・表現力を前提とした質の高い教育が期待できるようになる
東北大学が出した声明は
「思考力や表現力（を測ること）は重要だが、大学の個別試験や推薦入試において、すでに、これから共通テストで実施される記述式試験より高度な問題が出題されている。だから思考力や表現力はすでに十分よく評価できている」
そもそも、全国一律で記述式問題を取り入れる意義が？
採点、および採点基準の公平性という点でも？
現行のセンター試験と同じスケジュールで共通テストを実施するとなると
実施後2週間で採点を完了させなければならない
しかも、採点ミスは許されない
50万枚にも上るといわれる国語の答案を見るのに、どれだけの人数の採点員が必要か
大学教員も、大学院生・大学生、高校教員、政府職員、みな忙しい時期
いったい、どうやって採点員を確保するのか
採点力のレベルをそろえることにも無理
・・・ってかデ・キ・ナ・イ
センター試験は、全問マーク式（客観式）のテスト
受験生の自己採点が可能
受験生は、各予備校などが出す解答や、翌朝の新聞に掲載される解答を見ながら自己採点を行い
その合計点数で受かりそうな大学に出願
採点基準の？な記述式の設問
自己採点・・・デ・キ・ナ・イ
国語のテストは、試行テストを経て、記述式の採点基準は緩和され
段階式評価になった
大規模での採点作業で、記述式問題を点数化することに無理が生じたから
そこで、段階式評価となったのだが、段階式評価のものを、各大学が点数化するのである
これでは、段階評価の意味がない
また、段階評価を無理やり点数化すると、もとの学力評価が？
国語に関して言えば、設問は、およそ日本語力を測るものとは思われないほど簡単なキーワード探しの低レベルな問題
公表されている問題を見てちょ
センター試験の国語にも批判は多かったが
新テストは、その水準を大きく下回っており
おおよそ思考力や表現力を測るものとは・・・

英語の4技能評価に民間の検定試験を導入する
英語4技能評価とは、従来のセンター試験などで実施されていた読む、聞くテストに
書く、話す技能の評価を加えたもの
現在書く、話すテストの開発は
民間の検定試験実施会社のノウハウが進んでいるので、それを利用しようというもの
急速なグローバル化で、教養型の英語教育から、コミュニケーション重視の英語教育へ
という理念にも大きな問題があるが
それを全国一律で共通に評価しよう
そこで、現在、すでに民間の事業者によって実施されていて、評価が定着している検定試験を活用しよう
しかし、どの検定試験を採用するかについては、文科省は1社に絞ることはできず
ケンブリッジ英語検定
TOEFL iBT
IELTS（IELTS Australia）
TOEIC（L&R・S&W）
GTEC
TEAP
実用英語技能検定（英検）
IELTS（British Counsil）
が共通テストの英語の試験として、成績提供システムに参加
受験を希望する者は、高校3年生以降の4月～12月の間に受検した2回までの検定試験の結果が、共通テストの成績として大学に提供されるが
どれを受験するか
そして、各テストの傾向を調べ受験慣れしておくことが、高成績をとるポイント
上記のような検定試験は、評価レベルを安定化させるために、同じ問題形式を繰り返し実施している
したがって、巷間で言われているように、受験回数を重ねれば重ねるほど、成績はアップしていく
こうなると、中学くらいから何度も試験にチャレンジできる財力をもった
都市部に住む受験生が圧倒的に有利に
田舎に行けば行くほど、受験料や受験会場までの交通費がかさむため金がかかる
金持ちの家庭の子は高い検定試験を何度も受けて、自分にあった検定を見つけて最高の点数を大学に提出する
一方で、お金のない家庭の受験生などは、本番の受験のチャンスすら・・・
民間の検定試験を導入することで、貧富の差は拡大
その貧富の差がそのまま学力差に・・・
各検定間で異なる点数を、どうやって標準化するか
文科省は、各検定試験の点数・レベルの対照表を作っている
が・英検の2級が、TOEICやTOEFLで何点に相当するか、というのは、科学的・実証的には・・・
英語の専門家であろうが、英語学の権威であろうが
この作業には、レベル判定者の主観が入らざるを得ない
ということは、標準化し得ない
各検定間で異なる点数を、ばらばらに各大学が処理する
これ共通テスト？

共通テストはたぶん現場を知らない財界人や政治家による諮問会議で決められた方針を
お役人様が忖度して原案とし
動員された学者や教育者らの実務メンバーが
やっつけ仕事で試験問題や対照表を作成？
東京大学は、英語の外部試験（検定）を利用しないと明言
同じような態度を取る大学は、高偏差値のブランド大学や難関医学部を中心に
大勢が、新テスト＝共通テストの点数を無視するか
2次個別試験に対する配点を極小化する動きになる？
このような状態は数年続き、また、同じようなセンター試験型の入試が復活？
あるいは、各大学の個別試験だけが入学試験として残る？

今日は～
セネシオ アルティクラタス/Senecio articulatus

１２月初め開花
結局１月初めまで咲いてた
なんともシンプル？トボけた花