2018年8月12日日曜日

とかくネットは

ぼや川より
なにげなく・妻に話して・足がつく
・・・やっべ~・・・

ルール無用のネット社会
Monika Glennonさんはアラバマ州ハンツビル在住12年
仕事は不動産会社Re/Maxの営業
2015年9月
会社のFacebookページに大変なものが投稿されている、と朝6時に同僚から電話が入った
ネガティブなレビューかと思ったら、違いました
不倫された妻たちの報復投稿サイトShe’s A Homewrecker(家を壊す女)のリンクが貼られていた
投稿には元妻を名乗る女性が
「家の内見に行ったら営業のGlennonさんが夫と床で不倫していた」
証拠写真もあるので離婚訴訟は有利に運んだと書いていますが、写真は会社のサイトに営業用に公開しているプロフィール写真の転載だけ
勤務先のページにリンクを投稿したのはRyan Baxterという人で
Glennonさんの家族、取引先、Facebook友達にも配りまくっています
「こんなこと知らせて申し訳ありません」
とかなんとか書いて夫にもちゃっかりFacebookメッセージでリンクを送っていた
Glennonさん
こんなの全部デタラメよ、とコメントを書く
しかし、Amyとかいう行きずりの人に
「その割には詳しくない?」

投稿は同類の報復系サイトに次々転載され、BadBizReport.isでは95,000回も読まれ
あっという間にGlennonでセルフサーチすると一番上にくるように
こうなると商売はあがったり
2015年から営業担当件数は半減し、推定$200,000の収入も・・・
いったい誰が何のために?
営業のライバル? 何かを根に持っている知り合い?
 Glennonさん
「これまでの人生で接点のあった人を全部思い返して、何か恨みを抱えることがなかったか疑ってみました」
しかし$100,000!の弁護料を払って裁判所に訴えてようやく突き止めた犯人は
なんの接点もない他人
Glennonさんがネットに書いたコメントに腹を立てて仕返ししただけ

2014年にアウシュビッツ収容所の前でアラバマ州の女の子がにっこり微笑んでセルフィーを撮ってツイート
不謹慎かどうかでネットを二分する大炎上に発展する騒ぎがありました
その時Glennonさんも地元テレビ局のFacebookページでコメントを書いてい
「ありなし?」というTV局の呼びかけに600件近くコメントが集まり大炎上
Glennonさん
だれでも馬鹿やる年頃なんだし、アウシュビッツに行くだけ偉いわ
それをネットでよってたかって叩くのよくない
「こうやって一方的に決めつけて突っ走るの、この歴史の悲劇を生んだ集団心理とそっくり同じよ」

するとMollie Rosenblumさん
アウシュビッツは厳粛な場であって自撮りするのは不謹慎
Glennonを含めた擁護派の人たちにレスをつけ、自分はユダヤ系だけど、ほかの人にはアウシュビッツのひどさはわからないんだね

Glennonさん
アウシュビッツは”あなた”だけのものじゃない、自分の祖国のポーランド人も殺された
これは「全人類の悲劇の場」
実際、ナチスドイツは非ユダヤ系ポーランド人を190万人殺していて
占領されて強制収容所を押し付けられたという意味では同じ被害者ですから
「わからない」と言われると…ね
イスラエル教育相のように一部ポーランドがナチスに加担した史実を言い続けているユダヤ系もいて、そう呼ばれると反ユダヤ感情が高ぶるため、ポーランド国内では”加担”表現禁止法が出ていたりもします

ネットの炎上で
「おっしゃる通りですね」と丸く収まることなんてまずありませんよね
Glennonさんは言ったことすら忘れて普段の生活に戻りましたが、Rosenblumさんは言われた言葉をずっと根に持ってしまった
1週間経ってもふつふつと怒りは収まりません
2人の息子を抱えるシングルマザーで、2016年には誘拐などもやり、「メタンフェタミン(ヒロポン、麻薬)中毒どっぷり」(Facebookの独白)の低空飛行ライフ
輝かんばかりの笑顔のGlennonさんをネットで何時間も調べているうちに、ふと実話を創作できるほどまでに詳しくなってる
そして、実行に移したのです
運転で怒ったらアメリカでは発砲ですが、ここはネット
人生を台無しにする爆弾をひとつ用意して不倫通報サイトに投下
あとは書いたことすら忘れて普段の生活に(本人談話)

ネットには心に巣食う悪魔、恨みの除霊のためだけに存在するサイトが・・・
She’s A Homewreckerはその一つ
近所に悪い噂を流すだけでは腹の虫が収まらない人びとはここに来て世界に呪詛の言葉を広め、Google検索のトップに表示されるようにすることができる
利用規約では「実話だけ投稿してください」
と書いていますが、別に実話でなくてもサイトは構いません
通信品位法230条で投稿の責任は負わなくていいことになっているから
・・・こえ~
嘘話は2014年8月に入稿、公開されたのは1年後の2015年9月
書いた本人も忘れてた
なぜ審査が長引いたのかサイトの法務顧問David Gingrasさんに聞いてみたら
「塩漬けになっていたのかも」

復讐サイトを毎朝新聞のように読む人はいないので、この投稿も本来であれば誰にも読まれずに終わってしまったはず・・・
ここでRyan Baxterという人、
不倫の投稿があるたびに関係者にリンクを配るのをライフワーク
・・・ヒマ人
がアトコチにリンクを

いくら削除を要請しても、削除に応じるサイトはありません
Glennonさんは2016年、誹謗中傷と顔写真の著作権侵害で訴えた

その2か月後
今度は不倫夫を名乗る男性がReport My Ex(別れた元カノ元カレを晒すサイト)にGlennonさんとの性生活を暴露・・・
・・・はあ~
Glennonさん
「あれは本当に怖かった。それを期待して内見に来られるのじゃないかと思って。空き家で待機するときには夫に一緒に居てもらうようにして、自宅にも監視カメラも設営しました」

裁判所からの文書提出命令で得たIPアドレスから
リンクを広めたRyan Baxterさんの正体は、カリフォルニア州オックスナードに住むHannah Lupianという女性だと分かった
削除要請を送った直後にプロフィールは削除されましたが、Glennonさんには返事のひとこともなし
嘘話を投稿したRosenblumさん(ISPで身元判明)
弁護士にメールで謝罪するついでに、訴えを取り下げないとやり取りをばらすと脅し
2017年9月、BadBizReportというサイトに別の誹謗中傷を書いた
「不倫女ではないけど、反ユダヤだ」

Glennonさん
「共産主義のポーランドで貧しい家に生まれ育ったのに、何が悲しくて反ユダヤ呼ばわりされなきゃならないんですか。会って話そう、とFacebookで連絡しました」
自宅から1時間のRosenblumさんが住む市まで行ってレストランで会い、延々4時間話しました
「ずっと金持ちのビッ○だと思っていたみたい。SNSは先入観で人を見てしまうのが問題ですよね。会ってから宣誓供述で罪状を全面的に認めてくれました。わかってもらえたのだと思います」

Rosenblumさんから取材には返事はありませんでした
Facebookではアクティブですが、裁判所の記録では2017年11月から誘拐罪で4年服役中
とあります
会って怒りが消えたんでしょう。BadBizReportには謝罪のコメント
「Glennonさんは実はやさしくて、思いやりのある人で、価値観も共通するところが多かったです。ご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます」
すっかり反省モードに切り替わったRosenblumさん
さっそく投稿を削除しようと
ところが…She’s a Homewreckerには削除ボタンがどこにもない
 ほかの復讐系サイトもみなそうで、黒歴史は投稿したら最後、削除できない仕様
Glennonさん
「投稿して後悔している、削除したいのにできない、とコメント書いている人が結構います。投稿した本人にも削除を認めないのはおかしいと思います」

She’s a Homewreckerの法務顧問David Gingrasさん
「投稿した本人にも削除を認めないのは、『削除しないと訴えて破産させてやる』という脅しが通用しないようにするためです」
「実際にはケース・バイ・ケースで判断しているし、状況によります。法廷が虚偽と判断したコンテンツは通常削除します」

幸いGlennonさんはRosenblumさんとLupianさんを相手取ったプライバシー侵害、著作権侵害、意図的に精神的苦痛を与える傷害罪、業務妨害罪の裁判で勝訴
裁判所からの削除命令でShe’s a Homewreckerの投稿はやっと削除
しかし、BadBizReportの方はまだ削除されていなくて、サイトにこう書いてあるだけ
「投稿は死んでも削除しません。アメリカの弁護士に脅されても余裕です」

ヨーロッパでは”忘れられる権利"の中で
偽情報や不適情報を検索結果から削除するよう求める権利が保証されているので無料で要請できますが
アメリカはいちいち裁判なので費用が
・・・日本は?
Glennonさん
「嘘話ひとつ削除するのに$10万ですよ。こんなに高いんじゃ、最低賃金で暮らしている人はおちおち名誉回復もできません」
また、裁判で勝訴しても、Googleが削除命令に応じるかどうかは?
サンタクララ大学法学部教授のEric Goldman氏
「2017年から、Googleでは裁判所命令にも社内の審査が入るようになった」
評判管理会社というのがあって、名誉回復のため架空の人物を提訴することで削除命令を取得するケースが増えているらしく、削除命令にもいろいろあるので、本当に事実無根かどうかを調べてから削除してるんだそう・・・
 で、これはとても面倒な作業なので、Googleとしてもあまり積極的にはやりたくない
ただし今回は投稿した本人も削除を希望しているため、検索から外されるだろう
ちなみに昨年Googleが名誉棄損で検索から削除したリンクはアメリカだけで3万件超

賠償金の金額はまだ決まっていませんが、被告は2人とも生活は豊かではないので、弁護士費用すら回収は・・・

Glennonさん
これに懲りて、オンラインの発言にはだいぶ慎重に
Facebookアカウントも友達リストも今は非公開
記事には相変わらずコメントは書いてしまうそうですけど
「あんまり角が立つことは書かないようにしています」

・・・コワいですね~

今日は~
マスデバリア カロウセ/masdevallia Carouse
7月の初めに、このコも植替え
しかし7月が熱かったんで・・・
他の植替えたコも、ちとヤバいかも・・・

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