2024年3月30日土曜日

水槽にマリモ?発生

川崎市の民家で熱帯魚(コリドラス)を飼育していた水槽にマリモに似た藻類が大量に発生したため、国立科学博物館に持ち込まれた
この藻類の種レベルの差違をみるのに重要な遺伝子を解析した結果
オランダの熱帯水族館から報告されたモトスマリモ(Aegagropilopsis clavuligera:アエガロピロプシス・クラブリゲラ)の配列と一致
また顕微鏡観察の結果、形態的特徴も種と矛盾しなかった
本種の日本での出現は、2022年に当館が公表した甲府の民家の水槽から見つかった日本新産報告に次いで2例目
甲府の民家のものと今回川崎の民家で見つかったものは、遺伝的に違いがみられることから由来が異なると考えられる

マリモに似た球状の群体をつくるものとしてはマリモ、タテヤママリモ、モトスマリモがあるが
タテヤママリモとモトスマリモ(Aegagropilopsis属)は、湖沼でのみ見られるマリモ(近縁のAegagropila属)と異なり、人為的な環境下で発生しやすいと考えられた
国立科学博物館では、更なる発生例を探している。

国立科学博物館では2011年から山中湖のマリモ類の研究を行っており、山中湖村教育委員会と共同で2度の学術調査も行ってきました
2022年には甲府の民家の水槽からマリモが見つかったと連絡があり、調査の結果、日本新産の Aegagropilopsis clavuligera:(アエガロピロプシス・クラブリゲラ)であることを明らかにし、モトスマリモと同定
このモトスマリモの由来を明らかにするために2023年から富士五湖の本栖湖・西湖・山中湖で潜水調査を行ってきましたが、現在までモトスマリモを発見することはできていません
ところが今回、川崎市の民家の水槽からマリモ状のものが発生していると当館に連絡があり、調査を進めたところ、日本で2例目のモトスマリモの出現例と判明
今回見つかったモトスマリモは、川崎市の民家で、熱帯魚(コリドラス)を飼育していた水槽に発生
このモトスマリモ以外の生物はペットショップから購入されたもので一般的に流通している生物
飼育者によると約3年前に多摩川の河川敷から石を拾い水槽に入れたところ、マリモ状の藻類が石の上にモコモコと発生してきたそう
状況からはこの多摩川の石にモトスマリモが付着していた可能性が高いと
1例目の甲府の民家の水槽で発見されたものとは、顕微鏡下での形態や遺伝子が異なることから由来は別で直接的な関係はないと

モトスマリモを含むAegagropilopsis属は、阿寒湖で有名なマリモを含む近縁のAegagropila属と異なり、飼育環境下で多く見られる
有名なタテヤママリモ(Aegagropilopsis moravica)は、富山県立山町の民家の庭に人工的に作った池から発生
モトスマリモは甲府市の民家の水槽で見つかった1例目も今回も家庭の観賞用の飼育水槽で発生
外国でもモトスマリモはオランダの熱帯水族館の人工環境下で発生
この様にこれらの種類は人工環境下で増えやすい特徴を持っていると推定され
また自然環境下では丸くならず石面上に糸状藻類として生育しているため、見過ごされているのかも・・・

今回を含むモトスマリモの2例目の発見は、いずれも当館が実施するマリモ研究に関わる報道をきっかけとして発見された
今回の発見が報道されることで日本国内で更なる発見につながる可能性が
発見例が増えることで本種の由来や分布が分かってくると
自然環境下での本種の存在を明らかにすることが、その由来を考える上で重要

・・・丸くならず石面上に糸状藻類として生育
こんなんワかる?

簡単に栽培できたりして・・・

今日も~
ネケイロプテリス オバタス/Necheiropteris ovatus?
2月の終わり
新芽
毛がはえてて黒っぽい
鬼板に着いてるコ

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