アメリカ 洪水多発地域で開発急増
東海岸のノースカロライナ州ニューハノーバー郡に、大西洋の沿岸からほど近い場所に新たに完成した建物群がある
元海洋学者のロバート・パー氏
「どうかしている。ここで開発が行われるべきではなかった」
「郡政府と電話で連絡するとほぼ必ず30日以内に深刻な洪水が起きるんだ」
気候変動リスクを追跡する団体ファースト・ストリート財団
急速に発展する同郡はここ数年、度重なる暴風雨被害に見舞われている
同地は今後30年以上の間、重大な洪水の再発リスクにさらされ続けると
パー氏ら活動家は、この場所からウィルミントン中心部を隔てて北にある約8エーカー(約3万2400平方m)の土地で予定されている新たな大規模開発を阻止しようと奮闘している
その土地も洪水被害が起きやすい
人口が増加し続ける中、氾濫原や気候変動リスクの大きな地域でどのように建設を進めるべきか
洪水や山火事といった危機が差し迫る地域に流入する住民や開発事業が後を絶たないため、アメリカ当局はこうした問題の対応に追われている
ウィルミントン周辺では、海面上昇など複数の要因により、豪雨以外でも洪水が繰り返し発生しやすいケープフィア川の西岸地域一帯の対処に、自治体政府は長年頭を悩ませている
近隣の大部分は、いまだ工業地帯に指定されている
空地の拡大から、高密度な複合利用目的の再区分まで、開発の構想は多岐にわたる
開発業者はこれまでにポイントピーターという名で知られるケープフィア川とノースウエストケープフィア川が合流する地点で3棟の高層ビル、550戸のコンドミニアムユニット、300戸のアパートの建設を提案
ただ郡当局が長期プランの査定にさらなる時間を要求したため、この計画は2021年に頓挫
KFJデベロップメントグループのカーク・ピュー氏は対応の遅さに不満を示し、ケープフィア川流域周辺での建設は支障なく竣工できると話す
当初の案には「犠牲になる1階」や雨水の集水と放出を可能にする 設計が含まれており、淡水の洪水が起きた場合には水が自由に移動する仕組みだとピュー氏は説明
「氾濫原で建設を行うべきでないという議論に関して言うならば、郡の大部分が氾濫原だ」
開発反対派、海面上昇や気候変動により同地域での豪雨や洪水被害が悪化の一途をたどっている傾向を踏まえると、規模を縮小させても建設を進める意味はないと主張
河川保護団体ケープフィアリバーウォッチ(CFRW)のケンプ・バーデット氏
「『リスキー』という言葉はふさわしくない」
「リスクという言葉は、洪水が起きる可能性も、起きない可能性もある場合に使うものだ。あの場所では、洪水は不可避だ」
セントラルフロリダ大学の2021年の研究によると全米40地域の中でもウィルミントンでは、過去70年の潮位変化の影響で、高潮による浸水被害に見舞われる日数に最も顕著な増加が見られたと
ニューハノーバー郡内にある約4割の物件で、今後30年間で洪水の甚大な被害を受ける可能性が26%を超えるとファースト・ストリート財団は予測
米南東部や国内で急成長を見せる地域で開発計画者が直面している課題の1つが、より強力なハリケーンや豪雨の可能性が高まっているにもかかわらず
人口急増と相まって開発可能な土地が不足していること
昨年発表された研究によれば、洪水リスクを軽減するため政府が買い上げて住民を退去させたノースカロライナ州の氾濫原の土地1カ所につき
10軒以上の住宅が1996年~2017年の間に新たに建設された
・・・は?
ニューハノーバー郡の人口は2010年から2020年までに11%増え、約225,000人になった
同期間の全米での人口増加率は7.4%だった
不動産企業レッドフィンが2023年に実施した調査
比較的低い生活コストや海に近いといった立地の魅力に引かれ、気候変動による洪水や森林火災、熱波などの悪化リスクを抱える地域へと全米から人々が流入している
レッドフィンのチーフエコノミスト、ダリル・フェアウェザー氏自身も2020年
ワシントン州シアトルから中西部ウィスコンシン州に移り住んだ
悪化する山火事の煙から避難することが移住理由の一つだったが、昨年カナダで発生した史上最悪規模の森林火災によりアメリカの広範囲が煙に覆われ、移住先でも深刻な大気汚染に見舞われる結果となった
「米国内で気候変動リスクに直面していない場所はどこにもない」
「どの気候変動危機になら耐えられるか、どの毒を選ぶか、というだけの話だと思う」
ポイントピーターから川を下った場所にある戦艦ノースカロライナは、第二次世界大戦で実際に使われた艦船で、現在は主要な観光地
この場所、駐車場の一部を生き物が暮らす湿地に復元させ、残りの駐車場部分を高台に作り変える、水と生きるプロジェクトが始動した
数週間前に行われたプロジェクトの開幕式では駐車場が冠水していた
元アメリカ海軍司令官で同戦艦の責任者を務めるテリー・ブラッグ氏
「美しい光景だった」
「冠水で駐車場から観光センターまで直接抜ける歩道が閉ざされ、小走りで通るか、茂みをよじ登るしかなくなった。(洪水リスクを周知する)メッセージとしては、まずまずだ」
他の州も環境の変化に順応すべく、さまざまな手段を模索している
リスクがある地域での開発に制限を設けることもその一つ
昨年、豪雨被害に見舞われたバーモント州では複数の議員が、河川付近での建設に州の許可を義務付ける法整備を進めている
テネシー州では今月、湿地帯開発に関する規制撤廃を求める動きを州議会議員らが退けた
ニューハノーバー郡などの沿岸地域に残された時間はわずか
CFRWのバーデット氏
2050年までにポイントピーターは水没すると予測している
「2050年というとまだ先のように聞こえるが、住宅ローンを払い終えるよりも前の話だ。次世代のことではない」
・・・地球が変動期を迎えてる今
リスクのある地で暮らすのは合わない
個人も社会も
かえって余計な銭がかかる
日本も・・・
東京に投資するのは・・・最悪
多額の銭が消えて無くなる
今日は~
セロジネ インターメディア/Coelogyne intermedea
ヘゴのまだバルブが覆ってない方
反対側はバルブが重なり合ってる
重なり合うなら、コッチに来いよ
と、思ってしまう
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