2022年12月9日金曜日

イギリスの水道事情

 水道事業は民間企業に任せてもいいのか?
各国の水道事情に詳しい実業家の加藤崇さん
「イギリスは1989年に水道局を完全民営化している。その結果、水道料金は上がり続ける一方、水道サービスの質は大幅に低下した」

政府統計(Discover Water)によると、イギリスの水道管路の総距離は、約34万5000kmある
BBC NEWSによれば、水道管路(水道本管と呼ばれる、家屋の真下ではなく、道路の真下を通っている水道管路)では、首都ロンドンだけでも年間平均6000件の漏水が報告されている
東京都は年間200件弱だから約30倍
面積の違いを考えるとざっと約40倍
これらすべてに対応して水道管の適切な更新を行うとすると
向こう30年で1450億£のお金がかかると試算されている
イギリス全体に布設されている水道管路の60%について、布設年度(配管の年齢)がわからないと・・・

イギリスの水道事業者はアメリカや日本より、かなり少ない
全土でたったの18しかなく、民間企業
ただし公営事業だった時代から少なかった訳ではない
1945年には1226もの水道事業者があったがその後統合が進み1973年には187に
それが今では18まで激減したが、この間に事業主体は公から私企業へと移っている
かつては行政が担ってきた水道事業がなぜ民間に移譲されたのか?

ここ数年、ブレグジット(イギリスのEU離脱)が世界中のメディアを賑わせた。2016年の国民投票で51.9%の国民がEU離脱を選んだことに端を発し、3度の延期を経て、2020年12月31日、イギリスは1993年の設立以来加盟していたEUを正式に離脱した。

ヨーロッパ諸国と一線を画したこの件が放つメッセージは大きい。

なぜ、イギリス国民はブレグジットを選択したのか。この背景には、個人または地域レベルでの貧弱な経済があるといわれる。これを根本的に解決するために、あえて劇薬を求めたというわけだ。

40年ほど前のイギリスは財政が逼迫
ゆりかごから墓場まで、と言われた手厚い社会保障政策のあおりを受けた
これを問題視した時のサッチャー首相は、さまざまな財政再建策を講じる
その中に水道事業の見直しがあった
当時、イギリスでは水道事業が財政を圧迫する要因のひとつだった
サッチャーはこの水道財政を国家財政から切り離し、強硬に水道事業の完全民営化を押し進めた
部分的に民営化するのではなく、すべての水道局を一気に民営化したイギリスの例は世界でも極めて稀

民間水道会社の危険な本音
1989年、イギリスの水道局は完全に民営化された
それから約30年、ブレグジットを選択したイギリスは、サッチャー首相が意図した通りの道筋を歩んできた?
現在、イギリスには民間の水道事業者は全部で18社
公営事業はほとんど存在しない
これら18社すべてで、漏水に関する現状は惨憺さんたんたる有様
民営化そのものは成功?水道事業は国家財政に影響を与えなくなった

水道民営化とは、別の言いかたをすれば、イギリス政府が保有していた水道事業のエクイティの民間企業への売却
エクイティとは、対象となる水道事業全体を使用・収益・処分するための包括的な権利
民間企業ではこうした権利のことを株式と呼ぶ
政府からそれなりに大きな水道事業のエクイティを買える民間企業は限られる
実際にイギリス政府は、フランスのジェネラル(現在のヴェオリア)やリヨネといった大企業と有名投資ファンドに水道事業を売却した
営利企業なんで当然、利益を求める
儲ける方法としては、配当を出してインカムゲインを与えるものと、株価を上げて売り抜けさせてキャピタルゲインを与えるものがある
どちらかのためにやれることは何でもやる

投資ファンドは、もっと直截的
事業としてモノやサービスを作ったり売ったりすることすらせず
法律スレスレの手段を含め、あの手この手で株価を吊り上げて売り抜けようとする

水道事業の所有・管理主体となった民間事業者、つまり大企業や投資ファンドは、水道インフラの維持・管理は経費がかかるんで・・・
何かやっているフリをして水道料金を上げ続ける
水道料金を引き上げ、コストを変えなければ利益が大きくなる
水道事業のエクイティの価値は上がったように見える
上がったように見せておいてしばらくすると、投資銀行などのファイナンシャル・アドバイザーを使い買い手を見つけて、水道会社の株式を売り抜く

次のエクイティ保有者、大企業と投資ファンドは、高値でエクイティをつかんだことになるが最終的には水道料金の引き上げという形で国民にリスクを負わせてられるので
大企業や投資ファンドが損をするリスクは低い
また、水道料金とコストの差分である利益がきちんと出ているんで
さらに第三者に転売していくこともできる
民営化によって1989年に誕生したイギリス最大の民間水道事業者テムズ・ウォーター
2000年にドイツの電気事業者RWEが買収
そのRWEは2006年に水道事業をオーストラリアのケンブル・ウォーターに売却

民営化によって国民が受けられる水道サービスの質は大幅に低下
それを見て2017年には国民の83%が水道事業の再公営化を望むに至った
翌年3月には当時の環境・食糧・農村地域省大臣が怒りの告発をしている
大臣は保守党議員で、財政再建と民営化を進めてきたサッチャー政権の流れに連なる人物が民営化に異を唱えた
民営化されたイギリスの水道会社は、2007年~2016年の間に約188億£の純利益をあげてた
この間の株主への配当額は181億£
儲けのほとんどが株主に
水道会社の経営者が軒並み、イギリス首相の年俸、約16万£の5倍以上の年俸を受け取っていた
事態を長らく放置してきたイギリスの水道事業規制当局(Ofwat:オフワット The Water Services Regulation Authority)
こうした動きと、各水道会社の通信簿とも言える漏水率や無収水率(生産水量に対し、漏水や盗水によって生じる、生産水量から販売水量を除いた水量の割合)の高さにさすがに危機感を抱きはじめ
2020年度から規制強化に取り掛かっている
2018年の寒波の際に発生した水道管路からの漏水の反省から、2020年~2025年で漏水量を16%減らそうとしている
具体的には、漏水率や無収水率について具体的なターゲット(目標)を定め
決められた期間のうちに達成できない水道事業者に関しては、名前を公表した上で罰金を科す
こうしたターゲットを達成できない事業者に対しては、水道料金の引き上げを実行させない
根本的な解決を図るには、水道管の現状を把握するというプロセスは避けて通ることはできない
労を惜しみ、ただただ水道料金を引き上げることで利ざやを拡大してきたイギリスの民間水道会社にとって、当局の決定は非常に大きなインパクトをもたらし
青天井に水道料金を引き上げられなくなり
規制に違反しないよう追加のコストを積み上げる結果
利益にマイナスに?
投資ファンドを中心とした株主が、損切りした上で株式の売却に動く?
イギリスの水道業界でもっぱら噂されている
補修する費用をかけたくない事業者ならびに株主の意向を反映して、多少漏水があっても無視してそのままにする傾向が・・・

このほかに日本との違いは
イギリスの末端の水道管の直径はやや小さく、日本やアメリカと比べれば各家庭における水道の使用量は少ない
また、水道料金が使用量では決まらないので多くの家庭には水道メーターが設置されていない
水道料金は家の資産評価ごとに定められていて使っても使わなくても同じ
節水意識なんて・・・

・・・水道は日本も一か所だけ民営化されてた気が・・・
いわゆる民営化が云われて久しい
インフラを営利企業に任せる
ムリじゃね
そういや日本では電力が一応民間企業
どうなんだろ?
やり方?
アメリカでも電力供給は当然民営
で老朽化が・・・

今日は~
マメヅタ/Lemmaphyllum microphyllum

庭の溶岩に着けたコ
画は10月半ば
隣の石に領土を拡大してた
ヤったね・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿