2021年6月11日金曜日

エコーロケーション


人は10週間の訓練で反響音を使って周囲を把握するエコーロケーションを習得できる

反響定位(エコーロケーション)とは、発した音や超音波の反響で物体の距離や方向、大きさなどを知る方法
コウモリやイルカなどが行っている

Human click-based echolocation: Effects of blindness and age, and real-life implications in a 10-week training program
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0252330

Can echolocation help those with vision loss?
https://medicalxpress.com/news/2021-06-echolocation-vision-loss.html

Humans Can Learn How to 'Echolocate' in Just 10 Weeks, Experiment Shows
https://www.sciencealert.com/blind-and-sighted-people-can-learn-to-echolocate-in-as-few-as-10-weeks

エコーロケーションは通常、コウモリやイルカなどの動物に関連するスキルですが、一部の視覚障害者もエコーロケーションの能力を持っており
発した音の反響で障害物の方向や大きさ、物体の輪郭を知覚することができる
音を出す方法としては舌打ちによるクリック音の他、杖で地面をたたいたり指をパチンと鳴らしたりするケースがある
2019年の研究では、エコーロケーションを習得した盲目の人の脳は
音を聞く時に視覚に関する脳の部位である視覚野が稼働していることが判明してる

エコーロケーション能力は視覚障害者にとって有益なツールとなり得るにもかかわらず一般的なトレーニングやリハビリの中で教えられていない
イギリス・ダラム大学心理学部の研究チーム
実際に視覚障害者や通常の視覚を持つ人を対象に、エコーロケーションの訓練を施す実験をした
実験には、幼少期に盲目だと診断された12人の視覚障害者と、目が見える14人の人々が参加
被験者の年齢は21~79歳と幅広く、視覚障害者では年齢の中央値が45歳、目が見える人では中央値が26歳
研究チームは10週間にわたって合計20回のセッションを実施
エコーロケーションを使ってT字型やU字型の交差点、あるいはジグザグに曲がった廊下といった仮想の迷路を移動する練習や
舌打ち音を使って物体のサイズや方向を把握する訓練を施した
最後の2回のセッションでは、被験者がこれまで取り組んだことのない仮想の迷路をエコーロケーションで移動するテストを
10週間のトレーニングでどれほどエコーロケーションの能力が習得できたのかを調査
その結果、盲目の被験者と目が見える被験者の両方で、大幅にエコーロケーションの能力が改善していることが判明
新たにエコーロケーションを習得した被験者らは、これまで数年にわたりエコーロケーションを使ってきた専門家とほぼ同じように迷路を移動できたと研究チームは報告
視覚障害を持つ79歳の被験者もエコーロケーションを習得できたそうで、被験者の年齢や視覚障害の有無によるエコーロケーション習得への影響は見られなかった
研究チーム
「重要なことに、被験者が各タスクでセッション1からセッション20まで能力がどれほど向上したかを定量化した際、年齢とパフォーマンスの間に関連性があるとの証拠はありませんでした」

視覚障害を持つ被験者は3カ月間の追跡調査にも参加
エコーロケーションの能力が日常生活に与える影響についても評価
その結果、視覚障害を持つ被験者全員がエコーロケーションの能力によって移動性が向上したと報告
12人中10人が自立性と幸福感の向上にエコーロケーションの能力が役立ったと報告

研究チームのLore Thaler准教授
「視覚障害を持つ被験者を対象にして、これほど熱心なフィードバックを受けた研究は他に考えられません」
「私たちは今回の結果にとても興奮しています。まだ機能的な視力を持っているものの、進行性の眼疾患のために将来視力を失うことが予想される人々に対し、クリック音ベースのエコーロケーションに関する情報とトレーニングを提供することが理にかなっていると感じています」

周囲の光景を聞く時に重要な事項は以下の通り。

1音を聞く練習をする
エコロケーションを始める前に、まず自分の周囲の環境音の変化を感じる練習を行う
車の運転席以外の席に乗った時に、目を閉じ、窓を開けて通り抜けるさまざまな場所の音に耳を澄ませます
「住宅地では、車が路駐車や木々、ポスト、郵便受けや住宅の隣を走っている時にそれを音で聞くはずです」「車が通り抜けると、車から発生した音は周囲に反射して違うふうに聞こえます」

2必要な道具を手に入れる
1つの感覚を遮ると、もう1つの感覚が研ぎ澄まされるもの
目がいい人はアイマスクなどを使って目隠し
そして、練習には金属製のボウルまたはトレイも必要
動きながらエコロケーションの練習を行う時は杖を使うか、信頼できる人の手を借りる必要があります。

3場所を選ぶ
熟達したエコロケーターは、部屋にあるものの素材に気を使う
スズを使った室内の装飾品や控え壁などはサウンドを生きたものにし
よりエコロケーションが行いやすくなる
初心者がエコロケーションを練習する時は音を反響するものがない平地や、海辺のような音が妨害される可能性のある場所は避けます
「静かで、乱雑ではなく、かつ残響室ではないオープンスペース」

4舌鳴らしを練習する
舌鳴らしには、いい音もあれば悪い音も
2つの音が重なったような舌鳴らしは、反響音にかぶさることがあります
信頼できる音を作り出すのが大切
初心者は歯を使って音を出す、舌打ちのような音がオススメ
あるいは「check」「church」の「ch」にあたる音でもよい
重要なのは、自分にあった音の鳴らし方を見つけること
一度この方法と決めたらそのやり方を続けるべき

5シンプルに始める
舌鳴らしの目標は3つ
まず「ある/なし」の認識
次に「どの方向にあるのか?」ということの認識
3つ目が「どのくらい離れた場所にあるのか?」という認識
この練習を行う際、生徒たちを2人1組にし、一方の人にボウルやトレイを他方の人の頭上に掲げてもらう
舌を鳴らすとボウルやトレイが音を反響するので、そこから位置を推測する
練習ではトレイやボウルの位置を頻繁に変えることで、反響音の拾い方を理解することができる

6動きながら試す
舌鳴らしの方法や音の拾い方を理解したら、次に行うのは動きながらやる
廊下を歩きながら舌鳴らしを行うと、扉や曲がり角の存在がわかるかもしれません
最初は手探りになるので、パートナーに「正しい道か」などを聞いてもOK
目隠しはしたまま
目隠しを外したい、という気持ちは大きくなるかもしれませんが、この時の人は適応過程のさなかにあるので、目隠しを外すことで全てが台無しになってしまう

7必要なタイミングで休憩を挟む
全く新しい方法で世界を感じるということは、わくわくすることであり、混乱することでもある
目が見える人は35~40分ごとに休憩を必要とする
目が見えない人々は慣れがあるため、もっと長い時間訓練を行えると

エコロケーションは訓練と忍耐が必要で
。エコロケーションを得意とするようになるまでには時間がかかるかもしれませんが、エコロケーションを行うことで、全く新しい世界を見ることができる

今日は~
フクジュソウ/Adonis ramosa

今年の実生
親の地上部はすでに無い
けど、今年出てきたコはまだまだハッパが残ってる

これ、フフクジュソウじゃない
梅雨も明け
30℃オーバーの7/17も元気
どうみてもシダ
でも何か?
こんなん入れてない
???

2021/7/17
修正

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