2018年7月28日土曜日

借金漬けのアメリカがツブれないのは

ぼや川より
減る年金・粗食で健康・取り戻す
・・・うむ・・・

アメリカの経常収支と対外資産・負債には通常の国には見られない2つの特異な性質が・・・
アメリカの対外資産・負債は、1980年代以降の経常収支赤字の累積の結果、$7.8兆の負債超過(対GDP比率で39.3%)(純負債=対外資産$27.6兆、対外負債$35.4兆)
この拡大する対外純負債が問題にならないのは・・・
対外純負債の国の所得収支(対外的な配当と利息などの受け取りから支払いを引いた差額)は、通常は対外負債から生じる支払いが対外資産から生じる受け取りより大きくなるので赤字(支払い超過)になるのが普通
ところが、アメリカの所得収支は1980代以降も一貫して黒字(受け取り超過)
近年では年間$2,000億を超える金額まで黒字が拡大2017年は$2,217億
トランプ政権が問題視するアメリカの対中国貿易赤字が$3,752億(2017年通年)であるから、アメリカが対外純負債であるにもかかわらず獲得している年間$2,000億余の所得収支黒字の規模がいかに巨額であるか・・・
なぜ$7.8兆の対外純負債なのにそ巨額の所得収支黒字なのか
この主因は、米国の対外直接投資が海外の対米直接投資よりも高いインカム・リターン(配当や利息などの利回り)を上げているから
・・・投資でデカくモウケている
対外直接投資の残高は$8.9兆
外国の対米直接投資の残高も$8.9(2017年末)でほぼ同じ
ところが、アメリカの対外直接投資から生じる配当・利息などのインカム・リターンは海外の対アメリカ直接投資のリターンより平均約3%も高い
それがアメリカの所得収支黒字の主因
なぜアメリカの直接投資のインカム・リターンが相対的に高いのかについては、諸説?

一国の経常収支(フロー)は毎年累積してその国の対外純資産(あるいは純負債)(ストック)が変わってく
他の条件が変わらなければ、一定期間の経常収支黒字の累積は対外純資産増加に一致
経常収支赤字の累積は対外純負債の増加に一致
1980年を起点にアメリカの経常収支(ほとんど毎年赤字)の累計は2017年末時点で$11兆
ところが、計測された対外純負債の増加は$8.1兆にとどまり、$2.9兆の差額が生じてる
・・・$を刷った?・・・ジョーダン・・・
$2.9兆もの差(富)はどこから?
前述の所得収支の黒字は経常収支に含まれているので、これには別の要因が

その謎は他の条件が変わらなければという点に
他の条件とは対外資産と負債の価格(並びにそれをドル価に換算する際のドル相場)の変化
・・・アメリカの買ったモノが高くなった
大きな資産価格の変化を生じるのは直接投資の出資金
並びに対外証券投資の株式投資部分
これを双方合計でエクイティ投資残高と呼ぶ
一方、債券投資も利回りの変化で価格変動が生じるが、償還まで保有すれば定められた利息と額面金額が得られるだけ
アメリカの場合は、対外資産に占めるエクイティ投資残高の比率が、対外負債に占めるそれを大きく上回る
一方、アメリカの対外資産に占める債券(デット)投資の比率は低く、逆に対外負債に占める債券の比率は高い
その結果、対外的なエクイティ投資残高から生じるキャピタルゲイン(資産価格の値上がり益)が
対外負債に生じるキャピタルゲイン(海外投資家が得る評価益、米国にとっては対外負債の増加)を上回っており
それが1980年以降2017年末で$2.9兆に達している
・・・イイお買い物してる
この純キャピタルゲインは2010年末時点ではさらに大きく、$5.3兆にも及んでいたが、その後やや縮小して2017年末では$2.9兆となっている
ただし、この縮小の主因は、2010年以降のアメリカの株価の上昇(海外投資家の対米資産価値の増加=米国の対外負債の増加)が海外株価の上昇を上回る状態が続いたため
そのこと自体がアメリカ経済の相対的な強さの結果
このような対外資産・負債構造は、国境を越えた自由な資金移動を前提に成り立っている
アメリカvs中国の覇権競争との関連で言えば、このような対外資産・負債構造は、内外の資本移動規制を撤廃すれば資本流出が起こる中国には不可能
・・・ダレも元を信じてない

で・日本の対外資産・負債と経常収支の累計は?
財務省が公表している2017年末時点の日本の対外資産は¥1,012兆
対外負債は\684兆
純資産額は\328兆
依然として日本は世界最大の対外純資産国
これは1970年代後半以降、日本の経常収支が恒常的な黒字であり、それが累積した結果
では、日本の対外投資ポジションから生じているのはキャピタルゲインか、それともキャピタルロスか
財務省のサイトで開示されている1996年以降2017年までの経常収支黒字の累積額は\316兆
一方、同期間の対外純資産の増加額は\225兆
すなわち、計測された対外純資産増加額は経常収支黒字の累積額を\91兆も下回っており
残念ながらこれは資産負債総額で日本全体にキャピタルロスが生じている(対外資産のキャピタルゲインが対外負債のキャピタルゲインを下回っている)
・・・投資べた
高く買って・安く売ってる
その主因は、アメリカの対外資産負債の構成と日本のそれがちょうど反対の関係
日本の対外直接投資も金額と対外資産に占める比率の双方で拡大し、2017年末には残高で\175兆、比率で17.3%(1,996年は\30.6兆、10.1%)と伸びてきた
しかし、対外資産において政府の外貨準備(主にアメリカ国債など)を含め債券投資の比率が高く、逆に対外負債では株式投資の比率が高い構成になっているから
・・・安全重視?他人まかせ?
こうした日本の対外投資ポジションの残念な特徴は、日本の投資家の行動特性から生じている
日本の投資家は機関投資家も個人投資家も債券などから生じる受取利息の高さに誘引される直利志向が強い
株式投資が生み出す長期のキャピタルゲインを加えた総合リターンの意識が低い
例えば1980年代前半に生損保など機関投資家はアメリカ国債利回りの高さに誘引されてドル債投資を急拡大させた
しかし、金利差は長期的には為替相場の変動で相殺されるという国際金融論の金利平価原理が示す通り、その後のドル相場の下落で生じた為替損失で金利差益は吹き飛んだ
近年では2004年頃~2007年まで続いたグローバルソブリンと呼ばれる投資信託による外債投資ブームも、個人投資家の直利志向(並びに「毎月配分型」という見せ掛けの商品設計)にアピールして膨らんだが、2007年後半以降の円高で損した
非合理的な直利志向にとらわれずに、例えば過去10年間(2007年12月から2017年12月)米国株価指数S&P500に連動するファンドに投資していれば、その価格上昇率は円ベースで年率6.1%、過去20年なら年率4.5%
これに平均2%程度の配当利回りが加わり、総合年率リターンは6%後半から8%
1980年までさかのぼるなら、円ベース価格上昇率は6.6%でこれに配当平均利回り2.6%が加わる
ちなみに、年率7%とは10年複利で資産価格が約2倍、20年なら3.9倍になる
さらにアメリカの景気後退局面では株価指数は間違いなく下落し、回復期には期待に違わず上がってくれるので、不況期に少し買い増しさえすれば、長期の年率リターンが10%を超えることも容易
にもかかわらず多くの日本の投資家が、長期的には為替相場の変動で円金利利回りと同じ低リターンに収束する高金利外債投資という無駄な投資を繰り返してきた
2008年のリーマン・ショック時の米国株価暴落は絶好の米国株投資チャンスだった
ところが、残念なことに世間に出回るアメリカ金融資本主義凋落論などに幻惑されて、アメリカ株式投資に動いた日本の個人投資家はわずかだった・・・

・・・なかなかね~

今日は~
フウラン/Vanda(Neofinetia) falcata松明
このコ
この流木に着けたフウランでただ1つ生き残った
保護しなくても根っこを回してたけど
こう熱いと不安
なんでコケで根っこを保護
ただガタイが小さいんでハッパもコケで埋もれそう

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