2023年10月14日土曜日

内もコワい?習さん

習近平政権が国内大暴動に備え民兵組織・人民武装部設立ラッシュ

2023/9/28上海城投(都市建設投資)集団が集団内で人民武装部を設立・発足させた
中国各地で活動している城投集団は、政府直轄の官営投資機構として各都市部の不動産投資を主導する
上海城投集団における人民武装部の設立は、不動産バブルの崩壊に伴う債権取立て騒乱やさまざまな騒乱・暴動に対処するための措置?
その一方、不動産とは関係のない多くの国有企業でも最近、人民武装部設立の動きは相次いでいる
例えば今年4月、広東省東莞市では東莞交投集団・東莞能源(エネルギー)集団など4つの国有企業で人民武装部を設立
5月には内モンゴルで乳業を展開する蒙牛集団で人民武装部を設立
8月には武漢農業集団で人民武装部を設立
昨年から各大学、政府機関でも人民武装部設立の動きが始まった
例えば寧夏自治区では昨年、北方民族大学や寧夏大学で人民武装部を設立
政府機関の方では、昨年11月、福建省長汀県で政府運営の長汀開発区で人民武装部を設立
今年5月、貴州省興義県供電局で人民武装部が設立
国有企業・大学・政府部門などでも人民武装部の設立は去年から一気に広がり展開されている

人民武装部の設立は今になって始まったことでもない
共産党政権成立直後の1951年に、政権はまず各県と各市の行政区において人民武装部を設立
それは人民戦争=国民皆兵という理念の元、地方党組織と解放軍の二重指導下で民兵の組織化・訓練・運用を司る部門
1961年から政権はさらに、人民公社・大中の国営企業・大学などで人民武装部の設立を始めた
対外戦争における民兵の動員・実戦参戦、対内鎮圧における民兵の活用は人民武装部の二大任務だとされるが
実際、1976/4に第一次天安門事件の際、北京の各国営大企業所属の工人民兵(労働者民兵)の約1万人は動員されて抗議活動参加の民衆に対する血の鎮圧を実施
その一方、民兵は対外戦争に動員された実例は今までない
国内鎮圧こそは民兵の本当の任務であったと思われる

1980年代からの改革開放路線の推進で、人民武装部・民兵組織のあり方に大きな変化が起きた
まず人民公社の解体に伴って農村地域での人民武装部は消滅
農民民兵は解散された
その後、国営企業の改革(株式化・市場化)に伴って企業における人民武装部と労働者民兵は退場
県・行政府における人民武装部は組織として残るが、民兵組織は事実上消滅したことで、人民武装部に残れた仕事は国防宣伝や解放軍兵士募集のお手伝いなどに

1989年6月の第二次天安門事件に際し、民主化を求める若者たちへの血の鎮圧に動員されたのは正規の解放軍部隊
民兵組織は事実上消滅したことで、国内鎮圧も結局、国防が本来の任務の解放軍を頼りにするしかなかった
天安門事件後、武装警察部隊の整備が本格化されて、以来、国内鎮圧・政権防衛の主力部隊となっている
にもかかわらず昨年から国有企業・大学などで人民武装部成立の動きは広がっている
政権の狙いは?

習近平政権が企む台湾併合戦争やそれに伴って起きるかもしれない米中衝突や米中戦争には、国内の民兵組織はほとんど役に立たない
つまり習政権による人民武装部・民兵組織再建の動きは、対外戦争に備えたものであるとは思えない
その一方、国内鎮圧の武装警察部隊はすでに存在し機能している状況下で一体何のために人民武装部の設立・民兵組織の再建を急がなければならないのか?

そこで考えられる可能性の一つ、習政権が人民武装部設立・民兵組織の再建にあたって想定しているのは
国内において武装警察の対応能力さえ超えたところの全国規模の大動乱の発生ではないのか?
中国では今、経済が崩壊して大リストラの時代に入り、一般の労働者、特に若年層の失業率は史上最高水準に
数千万人単位の大学生に至っては卒業すなわち失業という絶望的な状況下に置かれている
このような情勢下では何かの突発事件がきっかけとなって全国範囲の大反乱・大暴動が発生して一気に広がるという未曾有の事態が生じる可能性が
こうなっては武装警察だけではもはや危機に対処できない
一方の解放軍は、台湾侵攻やアメリカや周辺国との軍事的対峙に備えなければならない

習近平政権は、いずれかやってくる危機的な状況に対処するために
各地方行政区や国有企業・大学に設立されている人民武装部とその指揮下の民兵組織を国内鎮圧の主力として考えている?
おそらくそれが人民武装部設立と民兵再建を急いでいることの本当の狙い?

さらに
 新たな文化大革命に突き進む習近平、人民による人民に対する監視・密告・粛清システム
楓橋経験を再建
2023/9/20浙江省視察中の習近平主席は諸曁市楓橋鎮にある楓橋経験記念館を訪れ、随行員と地元の幹部・群」を相手に重要講話を行い
「新時代における“楓橋経験”堅持と発展」を
それを受け、人民日報・新華社通信ら宣伝機関はいっせいに記事・論評を掲載
「楓橋経験を堅持し発展せよ」との宣伝キャンペーンを開始
浙江省全人代常務委員会は
「新時代における“楓橋経験”堅持と発展に関する決定」を採択し発表
これで中国共産党は、習主席自らの旗振りで楓橋経験”堅持と発展の政治運動が大々に展開されていく模様
いわゆる楓橋経験とは、1960年代初頭、諸曁市楓橋鎮で生まれた治安管理の新しい方式

普段なら治安管理は公安局・派出所などの公安警察機関によって行われる
楓橋鎮では、一般住民が革命群衆として動員され、革命群衆が主体となって公安と連携する形で、管内の階級の敵・悪党を監視・管理し治安と秩序の維持に当たる
という方式

1963年、楓橋経験と呼ばれるこの方式は成功した経験例として浙江省考案によって中央に報告された
この年の11月、毛沢東はそれを高く評価
「各地でそれを習い広げよう」
それ以来、楓橋経験の適用は全国的に広がり、国民全員は動員されて政権の指定した階級の敵・悪党(反動分子・壊分子)を監視と抑圧にあたるという6億総警察の恐怖社会が形成された
そして歴史から見れば楓橋経験方式の全国的推奨と広がりは
2年半後の1966/5に発動された文化大革命 大粛清運動の準備の一環だった

10年間にわたる文化大革命中、全国で1億の人々が政治的迫害を受け
そのうちの数千万人が殺されたり自殺に追い込まれた
実際に1億単位の人々に政治的迫害を加えたり、数千万人の人々の命を奪ったりしたのは決して公安警察でもなければ、何らかの粛清専門機関ではない
1億の人々に対する政治的迫害と殺戮を実行したのは普通の若者からなる紅衛兵
普通の群衆からなる造反派であり一般の労働者・農民・市民たち
一般の学生・市民・労働者からなる数億人単位の革命群衆が総動員されたからこそ、1億人単位の階級の敵や知識人・毛沢東の政敵となった一般の政府幹部に対する迫害・粛清が10年間にわたって実行された
この革命群衆総動員・総下手人の前代未聞の大粛清運動展開の原型とモデルは楓橋経験
毛沢東が1963/11にこのモデルの全国的実践を提唱してから2年半
全国の革命群衆はそれによって訓練され鍛えられ1966/5毛沢東は満を持し文化大革命を発動、中国全国を地獄へと陥れた

現在の習近平主席は浙江省での地方勤務時代から楓橋経験に多大な関心があり、それを高く評価している
2003/11浙江省党委員会書記であった彼の下で楓橋経験に関する毛主席重要指示四十周年記念大会が浙江省で開かれ習近平
「楓橋経験を大事にしてそれを発展させよう」
2013/11習近平政権のもとで毛主席重要指示五十周年記念大会浙江省で開かれ
当時の中央政法委員会書記、公安部長が北京から出席
楓橋経験の堅持と発展で大会が盛り上がった
そして2018/11二期目習近平政権の下で、楓橋経験陳列館は楓橋鎮で落成・開設
楓橋経験推奨の拠点として活躍

こうした一連の積み上げの上で習主席は冒頭のように
自ら楓橋経験陳列館を訪れて、「楓橋経験を広げよう」との大号令をかけ
そのための宣伝キャンペンをスタートさせた
習主席はこれで、1963年の毛沢東と同様、文化大革命的な大粛清運動の発動の準備に取り掛かった?

・・・手にしたモノが大きいほど
疑心暗鬼に
そして
ソレが自らに還ってくる

ソレが歴史

今日は~
ツマグロヒョウモン
9月末
さて
何匹いる?

・・・4匹

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