2024年10月30日水曜日

¥の現在地

シレっと、コソっと¥153/$に
日銀利上げの可能性、関税リスクの低さが¥に有利に働く
今年の¥安傾向にもかかわらずアメリカ大統領選挙の不確実性からの逃避先を求める投資家にとっての避難場所として、¥はなお有望
過去のアメリカ大統領選挙の前に、¥は$、スイス・フラン、金、アメリカ国債、€といった人気の高い安全資産を上回るパフォーマンスを示している
安全資産の動きとアメリカ株のインプライドボラティリティーをブルームバーグが分析したところ
市場が極度のストレスに見舞われる期間において¥が最高のパフォーマンスとなることが示された
¥は今年のパフォーマンスが主要10通貨の中で最悪だが
市場が乱高下する際には、トレーダーが¥に走る傾向がある
ドナルド・トランプ前大統領が賭け市場での勝率で民主党候補のカマラ・ハリス氏を上回り
投資家はトランプ氏再選が資産にどのような影響をもたらすかを見極める必要に迫られている
明確な結果が出るのは投票日からかなりたってからになる可能性があり
そうなると市場のあらゆる分野で変動が拡大し、安全資産への逃避が加速するリスクがある
Yen Outperforms Peers When Risk Aversion Hits Markets
Average change/return when Vix has unusually large gain

Sources: Bloomberg, Bank for International Settlements

Note: The figures show average returns on a rolling10-week basis. Currencies refer to nominal effective exchange rates. The large gain in Vix is defined as a jump that’s more than one standard deviation larger than the 52-week average move.

バンガードの国際金利責任者、アレス・コートニー氏
「アメリカ大統領選において、¥は最も安全な避難先だ」
「EUに対する関税に関する発言は、友好的なアジア諸国に対するよりもはるかに強い」
¥がスイス・フランに対して上昇する可能性がある

10/2710の日本の総選挙では与党連合が過半数を獲得できず、¥は28日に一時1%下落
新政権が樹立されるまでに数週間の政治的駆け引きが続く可能性があることが、他の主要経済国との金利差と相まって¥に強い売り圧力をかけている
それでも¥には強みがあると投資家は指摘
過去最高の¥3兆200億に上る日本の経常黒字、高い流動性、そして比較的低いインフレ率は、¥を価値の貯蔵手段として魅力的なものにする
関税リスクも¥を後押ししている
日本は選挙期間中、輸入関税についてトランプ氏からの直接的な警告をほぼ免れていた
関税についての警告は、標的となった国の資産への潜在的な打撃について投資家の警戒を強めさせる
さらに¥154/$付近で推移している円は歴史的に見て割安な水準
市場が大きく変動したり、政府が¥を支えるために介入した場合に、大きな利益が得られる余地がある
現在、先進国・地域の中央銀行の中で日本銀行だけが次の政策として利上げを想定している
今週は据え置きが予想されているが、現在の¥安がインフレにつながるのであれば利上げの可能性が高まるだろう

他の伝統的な安全資産に対する投資家の懸念も、¥の魅力を高める
アメリカ大統領選の不透明感や財政赤字拡大見通しにより
$やアメリカ国債への信頼が部分的に損なわれている
トランプ氏もハリス氏も選挙戦の主要な要素として赤字削減を訴えておらず
債券投資家にとってアメリカ財政赤字リスクは大きいまま

カナダのCIファイナンシャル傘下のGSFMのコンサルタントで40年にわたって市場に携わってきたスティーブン・ミラー氏
「アメリカ国債市場が財政赤字リスクによる消化不良を起こすのであれば、アメリカ国債は最も安全な資産ではなくなり、従って$もそうではなくなるかもしれない」
「¥は割安であり、日銀は引き締めを行っている数少ない中央銀行の一つだ」

ピクテ・ウェルス・マネジメントはアメリカとの貿易摩擦の可能性を考慮し
€が$と等価(パリティー)まで下落するリスクがあるとみている
スイス・フランは¥のような流動性を欠いており、金は記録的な水準で取引されているため、他の資産が売られた時に大きな利益が得られる可能性は限定的

ただ
モルガン・スタンレーによれば
共和党の全面的な勝利という選挙結果を受けての売りに対しては
アメリカ国債の方が抵抗できる可能性が高い
$7兆5000億/日規模の外国為替市場で$が取引の88%を占めていることを考えると、$の優位性は揺るがない。
日本の政策金利は0.25%でアメリカの金利を依然として何百ベーシスポイントも下回っており、¥キャリートレードの調達通貨として好まれている
これが今年に入ってからの円安の最大の要因の一つ

ブレイクリー・ファイナンシャル・グループの最高投資責任者(CIO)、ピーター・ブックバー氏
「かつては典型的な安全資産としての地位を保っていた¥だが、もはやその地位を維持できるかどうかは分からない」
「現在はむしろ金利差に基づいて取引されているようだ」

それでも、市場のポジショニングを見る限り、少なくとも年初に比べると投資家は¥に対して弱気ではなくなっている
Speculators Are Less Bearish on Yen
  
アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)のデータ
ヘッジファンドは今月¥を買い、資産運用会社も先週までは同様に円に強気だった
またブルームバーグが集計したデータによると、ストラテジストらは平均で
年末までに¥143/$まで円高が進むとみている

日興アセットマネジメントのチーフグローバルストラテジスト、ナオミ・フィンク氏
「¥は依然として安全な避難先だ」
「リスク解消の動きが見られた場合には、¥で調達する『キャリートレード』の巻き戻しと¥高を依然として予想している」

・・・はたして?
¥を売るヤツがいて
¥を買うヤツがいる
だから取引が成立する・・・

今日は~
シクラメン

夏に全てのハッパが枯れた
で9月の終りから新葉が・・・
やれやれ

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