2015年10月16日金曜日

新国立競技場1510

ぼや川より
目覚ましも・整髪料も・いらぬ歳
・・・はい・・・

無能をさらけ出したJSCまたヤらかす
新国立競技場の事業者の公募
建築家の間で
応募したくてもできない
今回は設計と施工を一体で募る方式
ゼネコンと組まなければ応募できない
施工できるゼネコンも限らる
関係者の間では「このままでは二、三の案しか出ないのでは」・・・
「組む相手が見つからない。他にも困っている建築家は多いと思う」
2014年に”建築界のノーベル賞”と言われるプリツカー賞を受けた坂茂(ばんしげる)さん
強度を高めた紙の管を用いた「紙の建築」で国際的な評価が高い建築家
今回の公募には参加できそうもない
旧計画のデザインコンペに参加した建築家の遠藤秀平・神戸大教授もゼネコンにラブレターを書いているが『難しい』
事業主体の日本スポーツ振興センターJSC
2020年1月の完成を目指し、設計からデザイン、施工まで一体で応募することを条件
今回は工事の難易度から、施工できるのは大手ゼネコン五社(大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店)と準大手の数社だけ
ゼネコン一社で何案も応募できるなら、いろいろな建築家と組めるが、一社当たり一案しか応募できない
日本建築家協会の芦原太郎会長
「ゼネコンと組めたかどうかだけで、審査の前段階でいくつもの可能性がつぶれることになる。数が出ないと競争にならず、公平でオープンなコンペにならない」
JSC広報室
「ルールとして決定された入札条件。既に公募も始まっている」
・・・コイツ等、使えね~

さて
ポシャったザハ ハディトさんの設計案
ワタスもバカ設計・・・って思ってたけど
ど~も批判するだけでは片手落ちみたい
要はJSCの無能さの結果・・・だったみたい
建築家やゼネコンなど業界関係者の間では
「白紙撤回となったザハ・ハディド氏の案を活かせ」という声が

今回のJSCのコンペ
提案された大まかな考え方とイメージをもとにリーダーとなる設計チームを選ぶのが目的
そこでザハ・ハディド事務所が”デザイン監修者”という肩書きで選ばれた
その後フレームワーク設計で、もう一度プロポーザルコンペが行われ
梓設計、日本設計、日建設計、アラップジャパンの4社からなる設計JVが
要件を整理しつつザハ事務所ら海外チームと連携を取りながら詳細の設計作業を進め確認申請や見積もりを出すための実施図面を作成する
JCSの要求が
サッカーの国際試合
陸上競技の国際大会
 ラグビーのワールドカップ
 音楽イベント
要求てんこ盛り
1300億で足りるかどうかも?
最初に考え方だけ選んで後で調整していくというコンペだった
要件を詰めずに、コンセプトだけを募集したのは
オリンピック・パラリンピック招致活動の書類に絵が間に合ってなきゃいけない
ラグビーワールドカップに間に合わせたい、など諸々の事情・・・
・・・シラナンダ・・・

震災やオリンピックで市場が混乱している中で単品の建築を設計しようとするときに、ざっくり数字を出せと言っても無理
規模がデカくて技術的に新しいものを求める⇒不確定要素が増える
工事費の見積もりが難しいのは施工者も同じ
新国立競技場のような、めったに造られないような、しかも新しい要素がふんだんに入ったプロジェクトだと、実際に詳細な設計がなされて具体的に業者と交渉を積み重ねるまでは正確な見積もりは・・・
スペックが詰まってない段階の絵で見積もるなら安全を見て3000億円
規模を29万平米から21万平米に小さくして設計側が見積もったのが1625億円
さらに施工者を選定して詳細に設計した段階で見積もったら2520億円
・・・コマいこと言うと実際にカカる金はできるまでワからない

建設業全体が世代交代
高度成長期を支えてきた建設作業員が退職
市場の縮小を見越して人を減らしていたところに震災復興とオリンピックが重る

以前は発注者・設計者・施工者という順序で上下関係が・・・
発注者が立場が上なので問題があれば上に上げればよかった
今ではアメリカなどを中心に発注・受注という関係があってもフラットにフェアな交渉をするべきだ
プロジェクトを円滑に進めるために対等に責任をシェアしよう
本来発注者は
客だからとただ待っていればよいのではなく、プロジェクトの進行に必要な予算を確保し、発注内容の無理がわかったら要件を減らすように調整するという大事な仕事が・・・
設計者はそれを法的に技術的に可能な設計を作る義務があり
施工者はそれを滞りなく完成させる義務がある
それぞれに分担と応分の責任がある
新国立では、JSCが発注者としての責任を果たせなかった
見積もりが膨れ上がっていたのに、要件を調整できなかった
JSCのプロジェクト管理能力がオソマツ・・・

ザハ事務所は安くする案も用意していたのに、それを聞いてもらえなかった・・・
ザハ事務所はロンドンオリンピックのプールを設計する際に3回設計をやり直した
今回のチームももちろん、改善案を提案していた
たぶんJSCが
「もう上に了解を取ってしまっているから変えられません。そのままなんとかして下さい」
だった?

一般的に競争入札によって値段を下げるというのは全世界共通の駆け引きの手法
ただ今回は曖昧な部分も多い、難しいプロジェクトなので手を挙げる施工業者が少ないなど特殊な状況が多かった
今回のように施工業者を早めに決めて設計者と、施工を一体にして責任をシェアしていくやりかたは、世界的な流れなんだけど
いい点
設計側が的はずれな提案をしないで済む
設計と施工が一緒になっているので、施工側の条件をあらかじめ設計に組み込める
通常、何往復もする設計と施工の間のやりとりの量が圧倒的に減って、時間を早められる
悪い点
施工の力が強くなりすぎて、施工の言いなりになってしまうことが・・・
設計と施工がしっかり分離発注されて予算の執行権限を設計側が持つと
設計者である建築家は施主の代理人になって、施工業者に改善を要求することができる
その緊張関係の中で価格を下げたり、予算の使い方のバランスを取っていくことができる
でも、一体となっているとそういうことをしにくくなって、最終的に予算の執行権限のある施工側が強く、設計の立場が弱くなる
逆のパターンもあって、施工側からみて合理的ではないのに設計側の主張でバランスの悪い施工を要求することも
十分な設計期間があれば話し合いで歩み寄ることができるけど時間がないとそれがうまくいかない
でも今は一括発注が世界的な流れに
日本の公共建築などでも設計者から見てとてもバランスの悪い、お粗末な建物もすごく増えてる
発注者側が出来上がりのクオリティやバランスを判断できずに
設計・施工を一体にしたから工期は短くなったとか、安くなった、と満足をしている・・・
バランスが悪かったり、設計面で検討すべきことを検討していないような手抜きが・・・

これは発注者が設計と施工の緊張関係のある建設プロセスを避け、少しでも責任を回避し、安く、早く、と楽をしようとしてきた結果
1990年代にはゼネコン汚職が社会的に問題になって一括発注はダメ
きちんと透明性のある業者選定をしよう、という積極的な機運が発注者側に生まれ
1995年の「せんだいメディアテーク」のように緊張感のあるいい建築作品が集中的に生まれた時期も
それは直前に仙台市長の逮捕というショッキングな出来事があったから市民の監視も厳しかったし、職員たちも気合いが入っていたからオープンコンペ
最後まで公開審査を行ったり候補作品を事前に市民にも公開したりと積極的に情報公開が
でも20年経ってまた一括発注の流れに戻りつつある
一括発注だとワンストップで、責任も全て施工者に押し付けることができるので発注側には楽
だから、設計者は一括発注には反対の人が多い

設計よりゼネコンを先に決めてしまったのは
施行者は」一括発注方式の方がイイから
人手不足、資材高騰が深刻だから先に確保せざるを得なかった、そのほうが安いって・・・
工期が短い、コストをコントロールするためにやむを得ない・・・
って吹いた結果

国の競技場なので、国民が自らの見識に基づいて主張をすることはあたりまえ
だけど多様な意見が様々なメディアや一部の方の煽りで
「ザハが悪い」「安藤が悪い」というカタチに
見積価格の高騰はキールアーチが問題なのではなく
キールアーチの提案は求められたスペックに対するむしろ合理的な判断
ザハチームの案には2年間の詳細設計の蓄積があった
詳細な設計というのはひたすら、検討と調整の日々
例えば今回の競技場は高さが60メートルを超えているので超高層という行政上の括りになる
そうなると、行政と構造面だけでも多くの協議が必要に
クライアントや関係する団体、消防や警察、周辺住民やメーカー等との協議
例えば消防とは催し物が終わったあとに何万人のお客さんがこのように外に出て、非常時には最大、これくらいの人数がここを避難するから、そこの幅はこのへんで非常用照明はここにつけてという防災協議
警察とは駐車場の施設はどこで、入り口は交差点からこれくらい離れているから交通には支障はありませんよ、工事の際にこのくらいの大きさの車両が入るけど、ここを占拠すると交通の邪魔になるからこういうスペースを設けて……
そういう細かいことを、設計、施工、行政なんかとやり取りを積み重ねて、ようやく図面に
膨大な検討、調整の積み重ねが設計
これを白紙に戻したら全部やり直し
その現場感覚が想像できるから、建築業界の多くの人たちは、今までやってきたチームが続投するべきだと

問題は施工が入るタイミング
最終的に設計と施工が一緒にチームを組むしかない
最初から施工が入るのかある程度設計が進んでから入るのか
どちらもそれぞれリスクがあるので何とも言えない
確実に言えるのはザハ案の設計検討は終わってるわけです
同じチームで見直したスペックをもとに減額案の設計をして、ある程度進んだところで施工が入る
のが一番早いし、確実で、いいものができる
2年間しっかり蓄積してきたチームで提案するもの
新しいチームで5カ月間で間に合わせで作ったものでは大きな差が出る
でもザハのせいだという世論を信じて決定を下してしまった政府がもう一度決定を覆すのは・・・

コンペをやり直しということは、ザハ案をなかったことにして、ゼネコンを巻き込んで施工費用や納期を優先させた案をつくり、反対されないようにしよう・・・
短い期間で施工の論理を優先させると作りやすさが優先
使いやすさを求めてもっと検討をしようと設計側が提案しても、施工側の意見が優先されて意見が通らない
それは施工者のエゴではなく、施工側が大きな責任を負わされているのだからあたりまえ
規格化して、規則的で単純なかたちにして、作りやすいけど周囲には圧迫感があり、ピッチは遠く、飲み物を買うにも不便で、チケットが売りにくく収益が上がらないスタジアム
ザハチームはロンドンやこれまでの国内外でのスタジアム設計で培った経験を活かして、そうならないように2年も掛けて研究と提案を重ねてきたはずなのに・・・
魅力のないものをコストダウンして作ると言って、でも納期がキツいからコストは上がり、今度こそ時間がないから誰も止められず、結局、高くて面白くないものができる……。
ロンドンのメインスタジアムがそうだった

これからの1つの選択肢は、政府がザハ・チームに花道をつくって名誉を回復するように・・・
世論が許さないから、ザハ・チームは今後の設計には参加できないかもしれない
だから、これまでザハ・チームが積み上げた基本設計の内容を公開してもらう
その知見を基にしてコンペをする。ゼロから検討するよりはるかに効率的
場合によってはザハチームを含む新しい設計チームがコンペで再度選ばれることもあってもいい
実際ザハチームはこれまでもいろいろ提案はしていた
そもそも開閉装置が前提
アーチの部材が大きく、空調が必要に、そのぶんコストも高くなっていた
要件が多かったからコストが膨らんだ
開閉式屋根もいらないし、空調もなしでいい
スペックを落とすようにザハ・チームに減額案の作成を頼むのが最も合理的
ザハ事務所は今や世界中でプロジェクトを展開するトップクラスの設計事務所
ARUPという最高のエンジニアリング集団と組んでる
さらに日建設計や日本設計、梓設計、アラップジャパンによる日本側の設計JVからなる新国立チームには国内外で最も優秀な設計者たちが集まっている
彼らがチームを組んで2年間も設計をやってきたから
新しいスペックを出せば、それに従って誰よりも上手くまとめるはず
キールアーチという構造をザハ・ハディドが提案したからコストアップ
ザハのせいだ、という単純化された情報に国民全体が巻き込まれて間違った流れになってしまった
隣に建っている槇さんが設計した東京体育館もキールアーチ・・・

今回も、コンペ審査の議事録がもっと早く公開されていれば、ネットであんなに炎上することはなかったかも
関係者が密室でものごとを決めようとすると余計な憶測を呼んでしまう
それらが今回のようにネットで結びついて大きな力に

ザハが「アンビルドの女王」と呼ばれていたのは30年前
今やザハの事務所は世界中にプロジェクトを抱え、経験を積んで、世界中から優秀な人材が集まる設計事務所に
それは各地で様々な圧力に耐えて、いろいろな場面で勝ち抜いてきて、クオリティを保って作品を残してきたから
「ザハ事務所の基本的な設計の考え方を伝えるのに苦労する」
ザハ独特の流線型のデザインを3次元のまま設計していくために使うソフトウェアがザハ事務所と日本側とで違ったりするそういう環境の違いを乗り越えて考え方を共有するのは大変だった
ザハ・ハディドやアメリカのフランク・ゲーリーが実践している3次元の曲面をもとにした造形
彼らが独自に開発してきたところもあるので、まだ一般的でない
建築分野では世界的に見て最先端の設計技術
日本でもそれをしっかりマネージできるのは限られた事務所だけ
そういう新しいデザインの考え方が設計技術と施工技術の進歩と共に、建築にも入ってきつつある
今アメリカやイギリスがそういう技術革新の最中
日本もザハ流の3次元設計を経験して、技術革新して世界標準にバージョンアップすることは、いいチャンスだった
これから新しい減額案がザハ事務所を外したかたちで提案れると
「なぜ現在の設計チームが担当することが不適当だと判断できたのか」
を日本政府が論理的に説明できる?
日本は国際市場に開かれるべきプロジェクトで外国人を不当に排除したと・・・
建設業の円滑な海外展開は・・・

(1)本インタビューは2015年8月17日行われたが、その後8月25日付でザハ・ハディド事務所は新国立競技場に関するビデオプレゼンテーションとレポートを公開した。ザハ・ハディドのチームがいかに複雑な与件に対する入念な検討を行ったか、新整備計画で何を検討するべきか、専門家でなくてもよくわかるムービーである。
http://www.zaha-hadid.com/2015/08/25/video-presentation-report-new-national-stadium-tokyo/

(2)建築家による代表的な専門職能団体である公益社団法人日本建築家協会(JIA)は、新国立競技場の計画見直しに関して、ザハ事務所を含む現設計JVを中心に再設計を行うのが最善だとする提言を7月17日に発表した。
日本建築家協会(JIA)「新国立競技場計画見直しへの提言」(7月17日)
http://www.jia.or.jp/resources/news/000/636/0000636/8g21SmGA.pdf

追記:8月25日付ビデオプレゼンテーションの感想を記す。ザハ事務所が世界各地でプロジェクトを成功させた実績のある事務所であること、アラップの世界各地でのスタジアム設計の経験が活かされていること、日本らしさを重視したデザインの意図、現代のスポーツビジネスの要求や狭小敷地での建設への対応、ロンドンでの失敗の分析と乗り越え方の提案など、きわめて論理的に反論を行ったものであり、とても興味深い。

論議を呼んでいたキールアーチの合理性についてのエンジニアリング的な観点からの分析、収益性についてはオリンピック終了後の最大のユーザーはサッカーイベントであると定義していること、機能性についても北京、ロンドンの経験を活かしてさらにコンパクトな平面計画としていることなどが説明されている。

また当初より議論のあった景観に関しても、スタンドの形状をサドル型にすることで圧迫感を軽減することとチケットを売りやすくすることの意味があること、飲食機能をスタンドの直下に置くことで収益を最大化しつつ、その上部に国産の木材で仕上げられた誰でも通り抜けられる空中歩行空間の提案があることなど、景観に配慮しつつ収益性と両立しようとする意図が丁寧に説明され、驚くほど分かりやすい。

これが世論が盛り上がっている7月初旬にビデオやレポートが公開されていれば白紙撤回は免れたかもしれない。だが、これもザハ事務所らの行動が遅いと批判することはできないだろう。設計チームが契約相手であるクライアントの方針に対して公に批判するのは難しく、正式なプレゼンテーションの機会も用意されなかった。契約が破棄されたからこそ自らはっきり態度表明できたのだろうと推察される。今からでもできることを考えて行動することには今後のためにも価値がある。

むしろ設計者自らの申し出にも関わらず公にプレゼンテーションする機会、もしくはヒアリングする機会すら設けず世論に惑わされ白紙撤回を決断してしまったJSCや首相官邸の責任こそが今後問われていくだろう。

今回のビデオメッセージは主にザハ・ハディド事務所とアラップという海外側の発信であり、国内4社の声明ではないが、海外事務所だったからこそアピールが可能であったという見方もできる。発注者の責任も問われる場面で設計者の責任に置き換えられようとしたが、設計者の冷静な対応によって発注者の責任が問われる機会が生まれたことは、今後のためにまずは歓迎すべき出来事である。

今後は設計案の選考を公開で行うことや、国民に向かって設計者が自らプレゼンテーションを行う機会をつくること、疑義が生じた際には議論の機会を設けるなど、より開かれた設計のプロセスが求められるだろう。

新整備計画のなかでザハ・チームの名誉が回復され、彼らの2年間の蓄積が活かされた減額案が作成され、公平な選考プロセスのなかで彼らが再度選考され、国民に祝福されるかたちで新しいスタジアムが完成されて、2020年にオリンピック・パラリンピックを迎えられることを望みたい

・・・このママJSCの言うようにいくと・クソのような結果になる気が・・・

ところで横浜の傾いたマンション
かの国・あの国の話・・・みたい
日本も崩壊への道を・・・

今日は~
ヒメウラジロ/ Cheilanthes argentea
秋の姿
ワッサワサ
いいな~
でも春には植替えないと・・・

PS:2015/10/17
加筆

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