2026年7月18日土曜日

EV残酷物語?

2026/6中国・重慶で開かれた自動車サミット
中国の新興電気自動車(EV)メーカー、NIOの創業者兼CEOの李斌(リー・ビン)氏

2025年にはBYDがテスラを年間販売で上回り、世界最大のEV市場としての地位を確立したはずの中国
今、業界各社は利益を度外視した価格戦争の果てに、淘汰の段階へと突入
ガスグー・オートニュースが報じた中国乗用車市場情報聯席会(CPCA)のデータ
2026年1〜5月の乗用車の国内小売販売台数は前年同期比19.5%減
5月には、バッテリー式電気自動車(BEV)が新車販売の42.2%を占め、初めてガソリン・ディーゼル車を上回った
一見して勢いに乗っているかに見えるが、メーカー各社はその裏で、すでに昨年から激しい価格競争を繰り広げている

2025/5フォーチュン
中国の大手電気自動車メーカーBYDが、国内販売のEVとプラグインハイブリッド(PHEV)の22車種を対象に、大幅な値下げを発表
「$1万(約¥161万9000。7月7日現在のレート、$1 ¥161.89で換算)以下」
の触れ込みで世界の注目を集めた最廉価モデル シーガルすら
さらに20%引きの5万5800元(約¥132万9000。7月7日現在のレート、1元¥23.82で換算、以下同)にまで下げた
PHEVのシール07 DM-iにいたっては、34%引きの10万2800元(約¥244万9000)にまで引き下げている

モルガン・スタンレーのアナリスト、ティム・シャオ氏
「消費者向け市場がいかに厳しいかを示す、強いシグナルだ」
それから1年余り。各社は値下げの手を緩めるどころかさらに攻勢を強め、中国EV産業は消耗戦から抜け出せずにいる
中国の自動車産業は2025年、過去最高となる11.2兆元(約¥266兆8000億円    )の売上高を記録した
だが、利益はほとんど伸びていない

CPCAのデータを財新グローバル
業界売上高こそ前年比7.1%増となったものの、利益はわずか0.6%増の4610億元(約¥10兆9800億)にとどまった
通年の利益率は4.1%。12月単月に至っては、過去最低の1.8%にまで沈んだ
王者BYDは利益が半減
2025年のトヨタの営業利益率は9.1%、ゼネラルモーターズ(GM)は6.86%だった
フォルクスワーゲンやBMW、メルセデスも0.2〜6.5%
2026年に入っても歯止めはかかっていない
CPCAの崔東樹事務局長が示したデータをガスグー・オートニュースが
報じている
1〜3月の業界利益は前年同期比18%減の784億元(約¥1兆8700億)に落ち込み、利益率は3.2%
生産台数も715万台と、前年から6%減

1台あたりの収支はさらに厳しい
平均売上高である33万7000元(約¥803万)に対し、コストは29万9000元(約¥712万)
税負担(1台あたり2万7000元)を差し引いた粗利益はわずか1万1000元(約¥26万2000)前年比13.2%の減少
国内の他産業と比べれば、最終製品を手がける下流製造業の平均利益率は約6%を確保している

テスラを追い抜き、EV世界販売トップに立ったBYDだがその2026年第1四半期決算は利益が半減
CnEVPost
株主帰属純利益は40億9000万元(約¥974億)で、前年同期比55%減
売上高も1502億3000万元(約¥3兆5800億円)と約12%落ち込んだ
BYD自身も3月下旬の時点で、利益が圧迫された主因は国内の価格競争の激化にあると認めていた
年初からの季節的な需要低迷に加え、補助金などの支援策の縮小も重なり、各メーカーが値下げやキャンペーンでシェア争いを繰り広げていたため
世界トップの座に就いた矢先に、足元の中国市場が揺らぎ始めていた
そして為替差損が膨らんだ結果、資金調達費に当たる金融費用は、前年同期比210%増の21億元(¥500億円)
販売台数も第1四半期の新エネルギー車(NEV=EVとPHEVの総称)販売台数は計70万463台で、前年同期比30%減
前四半期比ではほぼ半減
国内の不振はその後も続いている
BYDの5月の中国国内における販売台数は22万2809台で前年同月比24%減
世界全体で見ても、1〜5月累計のNEV販売台数は140万5039台にとどまり、前年同期を20%下回った
現在同社は、唯一の光明を海外に見いだしている
5月の海外販売は過去最高の16万644台を記録し、前年同月比80%増
沈む国内市場を海外頼みで支える

価格戦争で打撃を受けているのは、メーカーだけではない
消費者が車を買い整備に出す現場も、その余波にさらされている
2025/4中国・山東省で
同省でBYDの主力販売網を担ってきた山東乾城控股有限公司が経営危機に陥った
米環境メディアのクリーンテクニカ
販売・部品供給・整備・顧客対応を一手に担う4S型ディーラーが20店舗超、突如として閉鎖や営業停止

かつて「中華圏ナンバーワンのBYD旗艦店」と称された済南乾盛の店舗でさえ、昨年5月の報道時点でスタッフはわずか2人
かろうじて営業を続けている
割を食ったのは消費者
被害者は1000人超
3年分の保険や点検プラン、生涯メンテナンスなどの代金を前払いしていた顧客が、返金の見込みもないまま置き去りにされた
従業員も一部は最大6カ月にわたり給与を受け取れていない

責任の所在をめぐり、乾城側とBYDは非難の応酬
乾城側
「過去2年間にわたりBYDがディーラーを戦略的に調整したことで、資金繰りに甚大な圧力が生じた」
対するBYD
「ディーラーへの方針は一貫して安定していた」
乾城が、「レバレッジを効かせた無秩序な急拡大」で自ら資金難を招いたのだと反論

政府は手をこまねいているわけではない
サウスチャイナ・モーニングポスト
国家市場監督管理総局(SAMR)が
新車を原価割れで販売する行為を禁じる価格指導を打ち出したと

問題は、業界の利幅を守るこの規制と並行して
EVの消費意欲をそぐ施策を実施している
中国政府はこれまで消費喚起策としてEV購入時の車両取得税(購置税)を免除してきたが
2026/1からは5%の課税を再開しており、減免措置が期限を迎える2028年には通常の10%に戻る見通し
そもそもメーカーが値下げに走るのは、深刻な過剰供給が続いているため
カーニュースチャイナによると、2025/4時点で国内の乗用車メーカーは、計350万台の在庫を抱えていた
一部のメーカーでは工場の稼働率が50%を割り込んでおり、生産設備の半分以上を持て余していると
今年に入り、メーカーはコスト面でも追い打ちを受けている
財新グローバル
EVバッテリーの主原料である炭酸リチウムは、1トンあたりの価格が2025年末の11万9000元(約¥283万)から2026年1月には16万9000元(約¥402万)へ
1カ月余りで4割以上も跳ね上がった
価格戦争で恩恵にあずかるはずの消費者も結果的に危うい立場に
中でも最大級の悲劇に見舞われたのが、昨年報じられた新興EVブランドNeta(哪吒)
を買った方
2022年、Netaは新興EV勢の年間販売台数で首位に躍り出た
15万2000台を納車したと、36Krは報じている
だがNetaが急成長を遂げられたのは、いわゆる赤字モデルに頼っていたから
採算を度外視し、1台売るごとに赤字でも売上台数を伸ばす戦略
親会社・合衆新能源は2021年から2023年にかけて累計183億元(約¥4360億)もの純損失を計上
36Krによれば、1台売るごとに平均8万元(約¥190万)超を失っていた
Netaは資金が底をつくと一気に事業モデルが崩壊
2024年後半には従業員への給与を払えなくなり、生産も停止
同年12月、張勇CEOが退任
後任には創業者の方運舟会長が就いたが、同氏にも事態を好転させることはできなかった
2025/6/19親会社の浙江合衆新能源汽車が正式に破産手続きに入った
債権者は計265億8000万元(約¥6330億円)の負債を申し立てている
浙江合衆の破産は、約40万人の哪吒汽車オーナーを直撃
オーナー
「自分の車がいつ動かなくなるか分からない」
昨年5月ごろから、車のアプリがダウン
36Krによると
スマートフォンからの遠隔操作が一切効かなくなり、車載ネットワークのデータ更新も停止
カーナビの位置情報すら取得できなくなった
Netaの大規模障害は、半年で3度目
2025年初頭、システムメンテナンスを名目に公式サイトが72時間にわたってダウン
4月にはアプリが再びクラッシュし、Bluetoothキーが反応しなくなった
車の外に締め出される人、車内に閉じ込められる人が続出
危うい兆候は、2024年後半にはすでに表れていた
全国に300カ所以上あったアフターサービスの拠点が次々と閉鎖され、2025年時点で残るのは50カ所に満たない、6分の1以下にまで縮んだ

36Krが引く北京商報
コンパクト電動SUV Neta Uの女性オーナー
購入時には航続距離400kmと謳われた車だったが2年でバッテリーの持ちが大幅に落ちた
保証修理を正規ディーラーの4Sショップに求めたところ
返ってきたのは「メーカーと連絡が取れない」
やむなく自費で修理した後、損切りを覚悟で売却を試みた
査定額は5万元(約¥119万)にも届かない
購入価格14万元(約¥333万)

・・・それでも値がツくんだ

レスト・オブ・ワールドが報じたWM Motor(威馬汽車)の事例
上海を拠点に格安EVで人気を集めた同社は、2023/10に破産申請

その直後、オーナーがスマートフォンのアプリを開くと、ログインできなくなっていた
ドアの遠隔ロックも、エアコンの操作も、走行距離や充電状況の確認も、一切動作しない
中国の自動車レビューサイト「12365auto」
「車のシステムが麻痺してログインできない。エンターテインメントシステム全体が使えず、車両の状態も確認できない」
「車が巨大な安全上の脅威になった」

2024/12百度(バイドゥ)出資のEVブランド極越(ジーユエ)も、同じ道を辿り始めていた
パンデイリーによると、夏一平CEOは社内メッセージで
「困難に直面しており、直ちに調整が必要」
5000人超いた従業員は、大幅に縮小
アフターサービス部門に残るのは約80人で、元の4分の1

レスト・オブ・ワールド
2018年に487社あった中国のEVメーカーは、2024年時点で約130社
アリックスパートナーズの予測では、2030年までに生き残るブランドは15社以下

中国EV業界で広がる混乱に海外の消費者も巻き込まれ始めた
Netaにとって最大の海外市場であるタイ
タイの実業家チャイチャーン氏は2024/1
入念に調査を重ねた末、NetaのEVを54万9000バーツ(約¥266万8000。7月7日現在のレート、1バーツ¥4.86で換算)で購入
ところが間もなく、交換部品は入荷のめどが立たないと告げられた
近隣のサービスセンターも閉鎖
親会社・合衆新能源汽車の破産手続きを知った同氏は、やむなく返金申請に踏み切った
「まさかこんなことになるとは。中国ではベストセラーの一台だったのに」

Netaは2022年にタイに参入し、翌年にはBYDに次ぐEV販売2位に躍り出た
だが同社はあっという間に転落
タイ各紙によれば、2024年末には現地スタッフ数百人が解雇され、60あったショールームのうち20が閉鎖
レスト・オブ・ワールドが引くタイ国営放送NBTワールドのデータ
2025年1〜5月の販売台数は1256台
前年同期比で43%の減少
タイの消費者委員会に消費者がNetaへの苦情を相次いで寄せている
部品不足、サービスの打ち切り、自分で修理するほかなかったケースなど
同委員会は2022年のNeta参入以降、累計で220件を超える苦情を受理

アメリカ在住の中国自動車産業コンサルタント、雷行(レイ・シン)氏
こうした海外展開について
「理由はただ一つ、国内事業を救うためだった。一般論として、その戦略がうまくいくとは思わない」
同氏は各社の海外進出を、成長戦略ではなく延命策と見ている

Aiways(愛馳汽車)も、国内販売を全面停止して欧州に活路を求めた一社
同社広報はロイターに
中国の価格戦争はすさまじいから国内では売らない

こうした淘汰の行方について、NIOの李氏はガスグー・オートニュースで
業界は「ブランドの混乱期」から「ブランドの選別期」へ移行しつつあると論じた
だが「選別」とは、敗者が市場から退場することにほかならない
メーカーは消えても、オーナーの車は路上に残る
「誰が私の車を修理してくれるのか」・・・

・・・過剰生産
とりあえずヤってみる・・・中国気質が悪く?作用した
AI・IT、ドローンはソレが、うまくハマった?

ただ、ココを乗り切ればBYDなんか、トヨタを下して我が世の春?
ケツに火がついてる?中国中央政府の出方次第?
日本に軽を持ち込むBYD
コレを買うのは・・・
まあ博打だわ

ところで
やっぱ、アプリ・プログラムに依存する車って・・・
さらに
コネクテッドとか外部サポートとか
システム障害、ハッキングetcがコワくて・・・

今日は~
スミレの・・・?

3月末 開花
前はココには無かった
蝶のために移植


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