2026年1月23日金曜日

東北大学から見る文部科学省

科学技術立国を掲げながらも、研究力の凋落が続く日本
政府が反転への切り札に位置付けるのが、世界に伍する研究大学の育成を目指す国際卓越研究大学制度
政府は10兆規模の大学ファンドを設置し、卓越大学に認定した大学にはファンドから最長25年にわたり多額の支援金を出す
認定第1号になったのは東北大学で、初年度の2025年度にはまず¥154億を助成する
国際卓越大学に内定した東北大学
国から若手研究者の安定雇用を推進するテニュアトラック制度の方針などが高く評価されたが、その実態は本来のテニュアトラック制度とはかけ離れていた

2025/9/1国際卓越研究大学の最終候補に選ばれた東北大学の大野英男学長
事実上、卓越大の第1号に内定
今後、長期にわたりファンドから年間数百億円の支援を受ける見込み

文部科学省が公表した審査結果の東北大学
若手研究者が挑戦できる機会の拡大に向けて若手の安定雇用を推進するテニュアトラック制度の全学展開を図っていることが、評価ポイントの1つ
テニュアトラック制度とは
平たく言えば若手研究者をまず試用期間にあたる3~5年程度の有期雇用で雇い
公正な審査を受ける機会を与えて、それに通過すれば終身雇用を意味するテニュアのポストに登用するというもの
発祥はアメリカの大学で世界的にも広く普及しており、文科省も制度として明確に定義している
研究の世界では終身雇用のポストの数が乏しく、若手研究者は優秀でも長らく有期雇用の不安定な立場にあることが多い
そのため若手研究者が頑張り次第で終身雇用になれるテニュアトラック制度の導入状況は、政府も大学を評価する際に重要視している
東北大学では2018年からテニュアトラック制度の導入を広くアピールしてきた
ところが実際にはほとんどテニュアに登用していない
という指摘が在籍していた若手研究者から相次いでいる

東北大学テニュアトラック制度の創設を発表したのは、2018年9月
若手研究者をメインとする学際科学フロンティア研究所(学際研)の教員公募にテニュアトラック制度を導入
翌年度以降にはこの制度に基づき、物質材料・エネルギーや生命・環境など6つの研究領域で若手研究者を採用していくというものだった
だが実際に入った複数の若手研究者らの証言によると
採用された職員のうちテニュアになれているのはほんのわずかで1割もいない
初めからノーチャンスの事例も少なくなかった
テニュアへの登用率が低いという以前に東北大学における最大の問題は
テニュアへの登用審査すら行っていないケースが多発している
テニュアトラック制度では、本来テニュア審査に合格した場合に備えて、テニュアポストの空きをきちんと確保したうえで募集をかける
だが東北大学テニュアトラック制度ではさまざまな分野でテニュアのいすを用意せずに職員を公募してきた
するとどうなるか
若手研究者がどれだけ頑張っても、テニュアにはなれない
在籍していた複数の若手研究者が
「テニュア審査を受けるためにポストの照会をしてもらったが、(受け入れ先となる工学部や理学部などの)部局にポストの空きがないので却下され、そこで終わった」

東北大学に、東北大学テニュアトラック制度でこれまでやってきたことに問題がないかを問い合わせると、理事・副学長(研究担当)の小谷元子氏が取材に応じた
小谷氏
「東北大学テニュアトラック制度は、一般的なテニュアトラック制度ではない」
「東北大学テニュアトラック制度は、大学の中で少しでもテニュアトラックを増やしたくて、(学内の)各部局に考えてもらうためにつくったもの」
公募要領にも東北大学の『テニュアトラック推進に関する方針により
と書いている
外部には(一般と同じ意味での)テニュアトラック制度だとは申していない

確かに、公募要領を見ると任期のところに
東北大学のテニュアトラック推進に関する方針により、任期終了時点で極めて顕著な業績を挙げ優秀と判定された場合で、かつ学内の研究科・研究所等の採用計画と合致した場合は、審査により当該研究科・研究所等の准教授として採用することがある
ここに書かれているのはあくまでも准教授の採用の話で内容も抽象的
東北大学テニュアトラック制度が一般のテニュアトラック制度とは違うという記述も
テニュア審査を受けられないケースが普通にあるという説明も、どこにも書かれていない

小谷氏
「面接の中でも、東北大学テニュアトラックは一般のテニュアトラックとは違うということは丁寧に説明しているので、誤解はないはずだ」

面接を受けて東北大学に在籍していたある若手研究者
「そのような説明は聞いた記憶がない」
この研究者は公募要領などを見て普通じゃない、ことに気づいていたという
受験者の側から詳細について確認や質問をすることは事実上不可能だ。余計なことを聞けば選考で不利益になるかもしれない

小谷氏にこの証言を基に改めて、本当に採用過程で若手研究者らに十分に説明してきたのかを問うと一転して
「テニュアトラックとして公募しているのではなく、学際科学フロンティア研究所の教員として公募している
テニュアトラック職として採用するとは一度も言っていないので、テニュア審査(があるかどうか)については説明をする必要がない」

しかし、東北大学テニュアトラック制度が始まった当時のプレスリリースを見る
「本制度(東北大学テニュアトラック制度)の創設を踏まえ、学際科学フロンティア研究所の教員公募を開始します」と
そもそも、小谷氏が主張するように東北大学テニュアトラック制度が一般のテニュアトラック制度とはまったく違うものであるのならば
元よりテニュアトラック制度を名乗るべきではない
政府からの評価を得たり、優秀な若手研究者を集めたりするために
「外部から見れば立派にテニュアトラックをやっているように装う意図」
がなければ、その必要性もない
少なくとも、プレスリリースや公募要領には
「東北大学テニュアトラック制度は、一般のテニュアトラック制度とは違います」と明記すべきだ
なぜそのようにしなかったのかをただすと小谷氏
「私はその当時の担当ではないので、なぜというところはわからない」

東北大学の手法の是非について見解を文部科学省 国立大学法人支援課に問い合わせると
「そうした状況は、これまで把握していなかった」

・・・で、把握した後は、どうすんの?

国際卓越研究大学の選考に限らず、国立大学は資金獲得のうえで厳しい競争にさらされている
2004年に国立大学が法人化して以降、政府から配られる安定的な基盤財源である運営費交付金は大きく減らされてきた
さらに運営費交付金の分配にも、若手研究者比率や研究成果などに対する政府からの評価で傾斜がつけられるようになっている
そのような中で、大学側も生き残りに必死
今回、取材に応じた過去の在籍者からは
「財布を握る政府がテニュアトラック制度などを重視し、大学は政府がつくったKPI(重要業績評価指標)を懸命に追わなければならない
東北大学のやり方は良くないが、やむをえない面がある」

なりふり構わずKPIを追わなければいけない構造がこのような事態を招いているのであれば、他大学も含めて不明朗な行為が行われている可能性がある
政府は資金の選択と集中を進めて大学間の競争を煽っている

そして
文部科学省は従来の講座制(いわゆる小講座制)を脱して

PIとは、研究テーマの決定や予算、スペースの管理権限があり、自主・独立性を持つ研究主宰者を指す
従来の講座制は、強い主導権を持つシニア教授が若手や中堅の准教授、助教、学生らを統べる形となっており、徒弟制度に近い
このピラミッド型の運営は日本の年功序列的な人事慣行とも重なり、若手の裁量は小さい
そればかりか、若手が雑務を多く担う手足として使われたり、アイデアを搾取されたりするなどの弊害が指摘されてきた
文科省はこうした状況を改善するべく、大学に対して若手研究者のPI化やテニュアトラック制の普及を進めることを求めている
東北大学が卓越大学の公募でアピールした脱講座制・PIシフトは一見、この要請にマッチする
そもそも東北大学は、13年4月に設置した学際科学フロンティア研究所(学際研)をPIとして独立した若手研究者の育成拠点と位置付け
先進的にPI化に取り組んでいるとアピールしてきた
冨永悌二・東北大学総長は25年10月に公開されたサイエンスポータルのインタビューで
「13年に学際研をつくり、世界中から公募した若手50人にPIとして研究を主宰してもらう試みを始めていた」

ところが、学際研のPIの公募内容を見ると世界標準とは異なる実態が
事前にメンター(助言者・指導者)になってもらうシニア研究者(教授・准教授)を決め、当人から了承を得ることが必須条件
また採用後の研究スペースもメンター研究室において提供される
要するにメンターから分けてもらうと記されている
ポスドクや博士課程の学生であれば、シニア教授がメンターとなること自体は珍しくない
しかしPIとなれば話は違う
助言や指導をするメンターが任意ではなく必ず付くことは
自主・独立性が担保されるべき世界標準のPIの定義とは矛盾する
文科省はテニュアトラック制度の説明資料の中などでPIポストについて
自立して研究活動に専念できる環境が必要であると記し
具体例として研究スペースの確保などを挙げている
しかもPIなのに独自の研究スペースを与えられず
メンターから研究室内の場所を借りる居候なので
空間的な独立性もなく弱い立場となる
メンターの腹次第でいつでも研究をストップさせられる状態
そのため講座制のような従属関係が構造的に生じている

学際研にPIとして所属していた複数の若手研究者
世界標準とはかけ離れた東北大学式Pによって、実際に様々な問題が起きていたと
ある若手研究者
「メンターと関係が悪くなり、メンターの研究室から追い出された人がいた。その人は仕方なく空き教室でやりくりしていた」
「メンターと研究機器などが何らかバッティングする人だと邪魔者扱いされたり、あるいは講座制のようにメンターの研究や雑用を手伝わされたり、といったようなことが起こっていた」
「メンターのラボで手伝わされていた仕事が論文になって発表されたのに、論文には名前を載せてもらえない、ということも起こっていた」
「本来は独立しているはずの予算があいまいにされてメンターに使われてしまった、という話も聞いている」
別の若手研究者
「学際研に着任してみると、書類上では受け入れ先だったメンターの教授の研究室には、私のデスクはなかった
実質的な所属は、メンターの教授がいるセンター内ではない別の教授の研究室へと勝手にスライドされていた
そこは理論系の研究室だったため、実験スペースが全くなくて非常に困った」

こうした深刻なハラスメントが起きるのは、視点をメンターの側に移せば必然と
メンターにはPIを受け入れるメリットが乏しい
PIを本来の定義に合うように扱えば、自分の研究室運営には関わってもらえないのに、場所だけを提供することになる
この構造的な問題を念頭に、ある若手研究者
「だからメンターがPIの研究を邪魔して、出ていきたくなる方向に仕向けることが起きる。あるいは研究室で『使える』人材が来たら、手足のように扱いたくなる。軋轢を生むやり方だ」

東洋経済は東北大学に対し
「メンターを必須とし、かつ研究スペースもメンターから分けてもらうような形は国際的にはPIとはみなされない」と指摘し、質問状を送った
上記のような証言を挙げ
「空間的な独立性がないのになぜPIと言えるのか」
「メンターがスペース提供を拒否したり縮小したりした場合、PIの権利はどう守られるのか」
「研究スペースを含めた独立性が確保されていることを、いつ、どのような基準で確認しているのか」

東北大学は一括回答
「メンター制度は研究者のキャリア初期を支援するものであり、PIとしての独立性と相反するものではない」
等と主張するだけで、質問で示した疑義に具体的に答えることはなかった

・・・今のセンセイや、お役人様は汗をカかない
なんか軽い
文部科学省
いつまでも続くイジメに
アレやってます、コレやってます・・・
上っ面ばっか・・・
動画の拡散には
問題だ、拡散を検証しなければetc
違うだろ・・・とツっこみたくなる

何やるにしても
その後、その先を詰めない
実際、どうなってるか見ようともしない
コイツらを喰わしてるかと思うと・・・

今日は~
スミレ?

画は11月半ば
まだ咲いてる
おかげでツマグロヒョウモンの親がきて
卵を産んでく
食草は枯れてくのに・・・

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