2014年12月15日月曜日

特定秘密保護法が施行

ぼや川より
穴深く・埋めたい過去が・3つある
・・・3つだけ?・・・

特定秘密保護法が施行
2014/12/10
松尾邦弘さん・・・元検事総長

 ――国家公務員法や自衛隊法など情報漏洩を取り締まる法律がすでに存在する中で、特定秘密保護法が新設されました。しかも最高刑は懲役10年という重罰です。

 「私は、秘密漏洩が起きても、従来ある法律で十分対処できると思っています。重罰規定を持つ法律をなぜ新たに作る必要があるのか、政府は国民に丁寧に説明し、納得を得なければなりませんが、その手続きは不十分だった印象があります」

 「刑事処罰に深くかかわる役所にいた立場からすると、10年以下の懲役というのはいかにも重い。国家公務員法の1年以下の懲役とでは、刑罰の質が数段階違ってくると言ってもいい。捜査し起訴するかどうかの判断に相当影響するでしょう」

 「報道がからむ国家秘密の漏洩事件は、時に政治性を伴うことがあります。世論がわっと盛り上がった特殊な環境の中で、検察が起訴、不起訴の判断をしなければならない時もあります。検察の判断がぶれないよう、運用の指針となる細則をきちんと決めておかなければいけませんが、その議論は十分になされたように思えません。実際に漏洩事件が起き、いざ捜査、となった時に、その問題がクローズアップされると思います」

 ――実際の漏洩がなかった場合でも、取材にかかわった記者やデスクが共謀の罪に問われる可能性がある規定も導入されました。

 「その規定を設けた趣旨と具体的に想定される記者の違反行為について、どういうものを考えているのか、相当深く議論をしておく必要があります。取材手法が極めて悪質な場合なら、検察や警察が立件を迷うことはありません。しかし、判断に迷うような境界的な手法だった場合、捜査や起訴の判断で検察や警察は過大な精神的負担を負うことになります。そうした判断の全責任が検察や警察に丸投げされるようなことは困ります」

 ――政府は「漏洩が起きても特定秘密の内容は明らかにできない」としています。そうした中で、検察側は公判で犯罪の立証ができるのでしょうか。

 「記者が公務員に秘密漏洩をそそのかした罪に問われた唯一の例が42年前の元毎日新聞記者、西山太吉さんの事件です。検察は、西山さんが、政府が国家の秘密と指定した情報(秘密公電)を社会通念上、是認できない取材手法で入手した、として訴追し、裁判所は最終的に検察の主張を認めました」
 「特定秘密保護法違反が起きた場合の捜査や公判のポイントは、この密約事件と同じだと思います。政府がわざわざ秘密指定しているものを法廷で明かすことはありえません。秘密の内容についての吟味は事実上できない前提で公判での立証は進むことになります」

 ――密約事件では、国民の間に、「密約をした政府こそ責められるべきで、取材した記者を罰するのはおかしい」との意見もありました。

 「検察官には起訴するか不起訴にするかの起訴裁量権があり、犯罪は成立しても、事情を考慮して不起訴(起訴猶予)にすることができます。密約事件では、その判断要素のひとつが『密約』の有無でした。米国との折衝を担当した外務省アメリカ局長の吉野文六さんら政府関係者は国会で『密約はない』と繰り返しました。検察の取り調べに対しても同様の供述をしていました。一方で西山さん逮捕で『密約追及』や『知る権利』を求めるキャンペーン報道が始まりました。当時の検察首脳は困惑したと思います」

 「そうした中で、東京地検特捜部検事で事件を担当していた佐藤道夫さん(故人、元参院議員)が、有名な『情を通じ』のフレーズを考え出しました。検察首脳も『これなら、起訴しても非難囂々(ごうごう)とはなるまい』とゴーサインを出した。実際、起訴状で、西山さんが外務省の女性職員と『情を通じ』、公電を入手した事実を明らかにすると、世論は一転して、どろどろしたスキャンダルと受け止め、それを境にキャンペーンは沈静化しました。後日、法務省刑事局で上司となった佐藤さんから詳細をうかがいましたが、正直、当時の私は見事な事件の収め方だと感心したものです」

 ――しかし、有罪が確定して20年余り後の2006年、吉野さんは「密約」の存在を認めました。

 「当時、私は検事総長でした。危ない事件になった、と感じました。吉野さんが真相を語ったことで、検察の起訴判断時の土台は崩れてしまった。結果として、『密約』という国の嘘(うそ)を暴いた西山さんの有罪は確定したまま、嘘をついた方はお咎(とが)めなしという事実だけが残ったのです」

 「検察は『厳正公平・不偏不党』を掲げています。その原則に照らして果たしてこれでいいのか、と。西山さんは、秘密公電を盗むという罪を犯しましたが、『密約』が存在するなら、それを暴こうとした報道の公益も評価しなければならない。仮に、起訴前に吉野さんが正直に真相を供述し、『密約』の事実を検察が知ったら、起訴裁量権にもとづく起訴猶予の判断もあり得たのではないか、と考えたのです」

 ――検察が記者を特定秘密保護法違反で捜査すれば、記者側は、密約事件と同様、「秘密の中身」と「秘密指定の是非」を争うでしょう。

 「検察は、秘密を扱う公務員や、公務員から情報を得た記者の行為が犯罪構成要件に該当したとしても、そういう記者側の主張を含めた周辺の事情、国民に及ぼす影響、十分な情報開示がなされているか、などをトータルに判断して起訴、不起訴を決めます。特定秘密保護法では従来とは比較にならないほど慎重な判断が要求されると思います」

 ――松尾さんは、密約事件の一方の当事者だった吉野さんとも縁があるのですね。
 「1980年から83年まで、法律家として大使館に勤務するリーガルアタッシェとしてドイツに駐在したときの大使が吉野さんでした。吉野さんが後に『密約』を認めたこと自体は、ある意味、ほっとさせられました。常識で考えて、個人的には『密約』の事実はあるだろうな、と思っていましたから。本来なら、お墓までもっていく話です。いさぎよいな、と親近感を持ちました」

 ――そういう立派な人が、国権の最高機関である国会や真実を語るべき法廷で嘘をつかざるを得なかったわけですね。

 「どういう形で申し合わせがあったかわかりませんが、政権中枢や外務省関係者は明白に虚偽の証言をした。検察の調べに対しても、上から下まで虚偽の供述を重ねていたのです。国家権力は、場合によっては、国民はもちろん、司法に対しても積極的に嘘を言う。そういうことが端無くも歴史上、証明されたのが密約事件です。歴史の中で、あそこまで露骨に事実を虚偽で塗り固めて押し通したものはありません。国家の秘密をめぐっては、こういうことがあるんだ、と検察官、裁判官も、事実として認識すべきです」

 ――特定秘密保護法22条には「国民の知る権利の保障に資する報道又(また)は取材の自由に十分配慮しなければならない」と明記されており、政府は、フリーの記者を含めその取材が「法令違反、又は著しく不当な方法」でない限り問題にしない、と国会で答弁しました。信用できるでしょうか。

 「『著しく』はかなり幅のある文言です。時代や社会の状況、風潮によってその意味合いや解釈は変わる余地があります。漏洩した秘密が極めて重大なものであった場合、記者のそそのかしに対する評価も変わってくる可能性があります。民主主義社会にとって報道の自由が保障されることは極めて重要です。そういうことも含め検察は一層慎重に判断することが求められます」

 ――検察が起訴するかどうかで考え込んでしまった場合、政府側が起訴しろ、と指揮権を発動する恐れはありませんか。
 「極端なケースとしてはあり得るでしょうね。そこまでいかなくても、時の政権の考え方が事実上、検察の判断に影響を与えることもなくはない。特定秘密保護法ができたことで、検察は従来以上に慎重に、その適用を検討することになるでしょう」

 <沖縄密約事件> 1971年に締結された沖縄返還協定では、米国政府は日本に返還する基地の原状回復費用400万ドルを所有者に支払うとされたが、日米両政府はそのカネを日本側が負担する「密約」に合意していた。当時の吉野文六外務省アメリカ局長と米高官が文書に署名。毎日新聞政治部記者だった西山太吉さんは、交渉経緯を示す秘密公電のコピーを外務省の女性職員から入手し、国会で野党に追及させた。検察は、西山さんと女性職員を国家公務員法違反で起訴。西山さんは無罪を主張したが、78年6月、最高裁で有罪が確定した。吉野さんは2006年、北海道新聞などの取材に「密約」の存在を認め、西山さんらが起こした情報公開訴訟で東京地裁は2010年4月、「密約」の存在を認定した。民主党政権下の有識者会議も「広義の密約はあった」と認めたが、政府は今も正式に密約とは認めていない。

だいたい召使がご主人様に隠し事するのがおかしくね

今日は~
タツタソウ/Jeffersonia dubia
どうしても、いつもアげるタツタソウは一番最初に咲くコ
なんで他のコはアがらない
冬になりネタが無いので・・・
このコ
見てのとおりセツブンソウの植わってるとこのコ

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