2025年7月2日水曜日

金融機関の不祥事、ここに極まれり

金融機関の不祥事が聞こえてくる昨今
事件の全容が明らかになるとともに、前代未聞のコンプライアンス、ガバナンス不全事例であるということで、大きな話題に
きっかけは、2024/9にいわき信組の元職員がSNSで不祥事を告発
そこから11月に同信組が告発内容を概ね事実と認め、同時に第三者委員会を設置
調査報告書では長年にわたる不祥事の実態及びその組織的隠ぺい体質、さらには委員会の調査に対する妨害行為についてなどを指摘
「金融機関の歴史を見ても類例をみないほどに悪質な事案」
現時点で分かっている不祥事の発端は2004/3
当時、不動産関連業の大口取引先であったX1社(報告書記載ママ)への融資残高が
2002年のつばさ信用組合との合併の影響もあって、同信組の大口与信限度額である30億円を大きく超える47億円に
監督官庁である東北財務局からはたびたび融資残高の適正化指導があった
しかしX1社は資金繰りに窮する状況にあり、このまま融資支援を続けなければ、X1社の経営が危うくなって多額の貸倒引当金を積むことに
いわき信組の経営自体を揺るがしかねないとの懸念があった

いわき信組のトップであった江尻次郎理事長(当時)は
ペーパーカンパニーを使った迂回融資による違法なX1社支援を指示
そもそもの動機は自身に責任が及んで辞任を迫られたくない・・・
迂回融資は金融機関の関係者であれば新入社員でも知っている即懲戒解雇レベルの違法行為、いわゆる浮き貸し
その後、迂回融資はさらなる迂回融資を生み
2007年頃からは個人取引先の名義を勝手に使用する無断借名融資(帳簿上?に本人の知らない借金)までも加わって、泥沼に

今回の調査で判明しているだけで、ペーパーカンパニーによる迂回融資は計54回、約¥18億
個人名義の借名融資は約260件
X1社の月々の融資返済¥1700万を含めた資金繰りに充てられていた
第三者委員会の調査が認定した同信組の不正融資は総計1293件、総額¥247.8億
(後述する職員個人の不正融資とその穴埋め分を含む)
現状¥8億~¥10億程度の使途不明な融資金もあって、不正の全貌は今回の調査だけでは解明しきれていない

不正融資の新規実行は2012年に一応の終了をみているのですが
そのきっかけとなったのは東日本大震災を受けた被災地支援の一環として公的資¥175億円が注入されたことでした
被災で公的支援を受けたいわき信組は、この¥175億を不正融資の直接無税償却に充てるという恐るべき愚行に
国民の血税である公的資金を不正の穴埋めに流用
金融機関でなくとも社会正義に反するあるまじき行為
迂回融資、名義借用、不正な債権償却、公的資金の流用
不正にどっぷり浸かったまま20年以上も隠ぺいし続けることは、組織ぐるみで不正を容認する体制がなければ決してできるものでは・・・8
実際、今回の調査によって不正関与は江尻理事長(当時)から直接指示を受けた理事はじめ、幹部職員だけでなく名義借用や融資事務手続きにおいて現場の支店長以下末端の職員までもが関わっていた
さらには本来業務を監視する立場であるはずの監事や監査部門、果てはコンプライアンス部門までもが不正に目をつぶるなど組織体制で不正実行と隠ぺいを繰り返していた

組織的腐敗は職員個人の不祥事をも引き起こします
報告書では組織ぐるみの不祥事横行の実情を知った一職員が
その手口をまねて約¥3億もの無断借名融資を個人で行っていた
しかも信組は、X1社関連の不正融資が表になることを恐れて本件も不正融資で穴埋めして事実を隠ぺい
職員を継続雇用
解雇を逃れた職員が再犯を犯すという事態まで
報告書ではこの事案とは別に職員の現金横領事案も
職員へのアンケート調査結果などから他にも未調査の不祥事が相当数あると推測されている
当局の指示や第三者委員会の調査に対する同信組の対応が・・・
不祥事発覚時に金融庁が出した報告徴求命令に対して
実際には実施していない内部調査を実施済みと虚偽報告
第三者委員会に対しては提出要請があった書類の隠ぺいや事実確認に対する不対応および不明瞭な回答
あるいは明らかな虚言回答と思しきものは数知れず
挙句には重要証拠データを保管しているノートパソコンをハンマーで破壊して提出できないetc
調査妨害の類としては委員会が「前例のない状況」・・・

全ての違法行為、隠ぺい作業、虚言・妨害行為を大元で指示し、組織決定を主導していたのは江尻前理事長
江尻氏は2004~22年に理事長を務め、その後も不祥事発覚後の2024年11月まで会長として絶対的トップの座に
江尻氏の下での上位下達の組織構造が有言・無言の圧力となって、組織は誰も反論できぬままにたび重なる不正の上塗りと隠ぺいを繰り返してきた
トップ自らが不正に走れば、それを止めることは非常に困難
ましてや20年もの長きにわたり独裁体制を堅持してきたわけで、長期独裁が組織の統制を失わせた

組織内の皆がなぜ長きにわたってそれに従い、不正に加担してしまったのか
それは、「クビになるかもしれない」「出世できなくなるかもしれない」といった、実権集中による強迫観念のなせる業
同時に同信組は比較的小さな組織であり、かつ組合経営の特殊なファミリー性もまたムラ的なまとまりを助長したと
ムラの指導者が導く流れに反する動きは異端者とみられ、文字通り村八」的な扱いを受けるかもしれない
そのような恐怖心が職員の口をつぐませて黙って流れに従う常軌を逸した上位下達の風土をつくり上げてきた
このモラルのかけらもない金融機関を放置していたことに、監督官庁は責任を免れ得ない
今回の不祥事で浮き彫りになった問題は複合不祥事を生んだ組織風土以上に、信用組合を巡る金融行政の在り方ではないかと・・・

金融は免許業務であり、顧客の資金を預かって業務を遂行する以上、不正が横行するような組織運営を見過ごすことがあってはならないはず
今回のような20年以上にもわたる組織ぐるみの巨額の不正が、なぜ見過ごされてきてしまったのか
金融庁は猛省するとともに、全中小金融機関に向けた再発防止策の構築を急ぐ必要がある

その上で、まずは第三者委員会がつかみきれていない不祥事の全貌を解明する必要が
金融庁が中小金融機関の監督や検査業務を委任している地方財務局(いわき信組は財務省東北財務局)の管理に問題はなかったのか
その点もしっかりと検証しなくてはいけません
この3月には同じ東北財務局管轄内において、福島県商工信用組合で2008年以降に10件の事故隠ぺいがあったことも発覚
金融の専業官庁ではない地方財務局において、担当者が金融監督のプロとして機能しているのか?
金融庁は2019年に金融機関監督の基本方針を転換
検査マニュアルを廃止して金融機関の自己査定による債権管理と
自主性を尊重する経営指導に移行しています
これは大手銀行および地銀主要行にとっては、新たな金融機関の道を検討し展開する上で有益な施策
しかし、経営管理面でぜい弱な中小金融機関に対しては単に監督の手綱を緩めることになり、不祥事発生の温床となっているのでは
現在全国で143を数える信用組合のすべてが、いわき信組のようなコンプライアンスやガバナンスの崩壊状態にあるとは?
前述の通りに時を同じくして福島県商工信用組合の不祥事が発覚したように
少なくとも近しいケースが皆無であるとは言い難いのでは?

信用組合は昭和の時代において市中銀行の補完的な存在として、重要な役割を果たしてきた
しかし令和の今、金融市場の移り変わりとともに金融機関の役割やあり方も大きく変わってきています
金融庁は今回の不祥事を受け再発防止策を検討するのは当然のこと
信用組合をはじめとした中小金融機関の将来にわたる在り方についても、明確な道筋を示す必要が・・・

・・・刑事だろ
数十人くらい引っ張れば?
いい見せしめ
顧客はど~なる?
預けてる方は、さっさと他行に行けばいいけど
銭を借りてる方は困るわな~

一応、行政処分は出たけど
内容見ても、なんかな~

不正融資先の税務調査は?
まあ税務署は銭の流れさえキッチリしてればOKなんだけど・・・

デカいトコも
ヤってんだろうな~

今日は~
デンドロビウム キンギアナム シルコッキー /Dendrobium kingianum silcockiim

水やりしてたら外れた
クソ忙しいときに
とボヤきつつ
ミズゴケ植えに

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