2025年6月15日日曜日

日本に潜伏?するジャック・マー氏

アマゾンに匹敵する中国ECサイト アリババを成功させたにもかかわらず
当局への断りなしに米トランプ大統領に会うなど、中国政府に不快感を与えていた馬雲(ジャック・マー)会長
2020年前後に中国政府を批判して激怒させアリババのトップの座から失脚
一時行方不明と噂されたが、時々その消息が報道される
その馬氏の日本滞在の状況を詳細に公表した本が出版された
『潤日(ルンリィー):日本へ大脱出する中国人富裕層を追う』
著者が馬氏の側近たちに取材し、近況を克明に調べた結果
馬氏は日本各地の観光地や温泉めぐり

「孫正義氏の贈呈した京都の豪邸に住んでいる」(FRIDAY)
「家族でスキーリゾート地に行っている」(英フィナンシャル・タイムズ)
といった報道はありましたが、今回ほど詳細な記事は初めて
もちろん日本でも専属シェフだけでなく、警備員の厳重な警戒付き
公の場にはなるべく出ないようにして、もっぱら現代日本美術のコレクターとして活動しながら
中国人が多く集まる会員制クラブ(女性が接客するクラブではなく、三菱クラブとか三井クラブのようなもの)で時間を過ごしていると
クラブのひとつは銀座にあり、もうひとつは皇居に面した丸の内の金融街にあるそうで、最近は自ら水彩画まで描くように

一方、復権?に向けての活動も着々と進んでいるようで
23年5月には、東京大学傘下の研究組織 東京カレッジの客員教授に就任
大学の要請は、持続可能な農業や食糧生産分野における東大研究者との共同研究や事業の実施
さらに講演などで起業や企業経営、イノベーションなどの経験を学生や研究者に教えること・・・
もちろん、東大が馬氏の豊富な資金を目当てにして客員教授にしたのではという疑いも
馬氏の活動ぶりには国を追われた失意の人という雰囲気がまったくありません
コロナ禍では日本に100万枚のマスクを寄贈
日本各地に住宅を建てたり、新事業を始めたりという噂が断えない

馬氏だけではありません
馬氏に象徴されるように
もう中国には帰国しない。日本に定住して、豊富な資金で悠々自適に暮らしたい
という新しい中国人集団が、来日し始めている
書籍のタイトルの 潤日の潤(ルン)とは、逃亡するという意味
文字通り日本に逃亡する富裕層が増えてきている現象を指す言葉として、中国でも話題になり始めている
たとえば不動産開発王として名高い 万科創業者の王石氏も、都心のタワマンに夫婦で住んでいます
また杉杉(チャンチャン)集団の鄭永剛氏も、東京の広尾病院で亡くなったというニュースが流れました
馬氏、王氏、鄭氏はそれぞれ中国の急速な経済勃興を担った経済人
政権に対してもある程度距離を置き、経済活動を中心とする言動をしてきた
その意味では、鄧小平以来の、共産主義・社会主義社会より経済再建を優先する
ことが中国の進歩に寄与するという信念?で結ばれていた人々
彼らの多くが日本に滞在しているのは
もちろん実際に習近平中心の独裁化した国家体制の中で、突然逮捕されたり幽閉されたりする可能性を恐れたということもあるでしょう
しかし潤日という移住者は単なる逃亡者ではなく
共通の意図はなくとも、中国の未来を見据えて行動している人々?
加えて、香港の事実上の併合に反対し日本に逃亡してきた言論人や資本家も大勢います
普通に考えても今の中国には富裕層にとって、大きなデメリットが
どんなに資産を作っても土地私有は禁じられていて、あくまでも国からの借地を保有しているにすぎません
大金持ちとはいえ、国の意思で突然、庶民の座に引きずり降ろされるリスクも
教育の問題もあります
中国の受験競争は熾烈で、ある程度カネのある富裕層にとって、自分の子どもにそこまでガリ勉をさせなくても
日本人程度の勉強をさせて(日本人には悔しい表現ですが、東京大学と北京大学の世界ランキングの格差を見れば、納得せざるをえません)
できれば世界4カ国くらいに留学させて、外国語に堪能な二世経営者を育てるという夢がある
そのためには、東京のタワマン程度は、彼らの所得から言えば
円安も手伝って割安な住宅
その上、何と言っても日本では土地も建物も私有物であり、国からの借用地でないことも魅力
日本に限らず中国の潤(ルン)は世界で増加し続け
シンガポールやタイ、米国などにすでに800万人もの富裕層が移民している
日本側の調査でも、移住者(ビザの取得者)に占める中国人の割合が非常に増えている統計も

アパートを売ったら全部民泊にして、それまでの住民を高額の借家代で追い出して儲ける中国人や
東京湾などで漁業権もないのに勝手に貝類を漁獲しまくったり、売春の集団を管理したりする不良中国人も、たくさんいます
そうしたイメージによって日本国民の多くは中国人を嫌い
中国から移民が増えることを警戒してきたのが、これまでの歴史でした
しかし、ここにきて大きく様相が変わったことも認識せねばなりません
もはや移民ではなく、定住者に近い形で来日している日本人より圧倒的に富裕な中国人たちがいる
習近平政権の不安定さや、経済の失敗による政治体制の強権化から逃げているだけで、いずれ共産国家・中国に戻る人たち?

全国各所に開設されている中国人専用クラブ
これは女性のいるクラブではなく高級社交クラブであり
中国の現体制に不満を抱く富裕層が日本のこうした場所に集っていることについて、大陸で何かが起きる可能性を彼らが嗅ぎ取り
そのために協議する場所を確保しているのではないか?
日本と中国の間に作られたいくつかの秘密の地下銀行
公式な銀行を使って中国で稼いだカネを日本に送金することは、国家によるチェックを避けられないので危険な行為
しかし地下銀行を使えば、全財産を日本や世界各国に移して隠すことができます
また中国からの大規模な資産送金には仮想通貨も使われている
カネもあり、そして自由もあれば、円安で治安もよく、教育も比較的安定している日本は
富裕層の避難場所として大変便利な国
さらに彼らを日本にたぐり寄せているのがビザの改訂
経営・管理ビザは、外国人が経営者、管理者として働くための就労ビザ
さらに高度な高度専門職1号ビザと共に、中国人の申請がこの1年で前者が3倍、後者が1.5倍に増えています
高度専門職ビザ1号だと、在留期間も最長5年まで認められ
中国大陸の動静をじっくり見ながら日本での生活を送ることができます
最近中国では
「習近平主席が大事な会議で倒れて入院した」
「軍部の重要人物が行方不明になった」
「習近平に会議で尊称が付けられなくなった」
など真偽不明の情報が流れ出しました
何が正しいかわからないのが中国ではありますが
火のないところに煙は立たないという諺が無視できないお国柄なので、習近平の中央集権体制が磐石でなくなっているのは推測できます
ま、中国経済の不安を背景に、鄧小平以来の「社会主義より経済建設」という主張も再び幅を利かせ始めました
そして貧富の差が極端に進み、大都市を抱える省と地方では人々の暮らしにも大きな差が出てきました
こうした格差が進めば、やがて中国が分裂するという説も
いや、そもそもそれを繰り返してきたのが中国という地域の歴史でした

中国の大乱を傍観するのか
潤日たちの間でも、意見は分かれています
このまま日本で中国の大乱を傍観するという人
中国が社会主義を捨てたら中国に戻りたいという人
積極的に資本主義中国を支持する人など様々
どんな結果になるかわかりませんが日本はこれまで以上に対中関係に気を遣わなくてはならないでしょう
たとえば、日本は分裂中国とどう向き合うのでしょうか
下手をすると日中戦争のように、中国の内乱に積極的に関わろうという日本人も出てくるかもしれません
あるいは資本主義大国・中国とどう付き合うのか(資本主義国家になったからといって、緊張関係がなくなるとは限りません)
そして、中国を見据えた日米同盟をどうするのか・・・

・・・なんか辛亥革命前の日本が・・・

今日も~
ニゲラ ダマセナ/Nigella damascena

絵は5月終わり
花の形態イロイロ
ニゲラって
ツボミ⇒種までの色・形の変化がデカい

日本の財政状況がギリシャより悪い・・・

 石破さんの
日本の財政状況がギリシャより悪い・・・
が話題に

財政赤字懸念が世界の国債市場を揺るがした5月
従来ではあり得ない現象が・・・
これらの国は長らく欧州周辺国と呼ばれて二線級の扱いを受け
放漫財政と肥大した官僚主義がその特徴であると
政府債務急増への不安が世界的に広がった先月のような局面では
これらの国の国債こそ強烈な売りを浴びたはず・・・

現在のイタリア、ギリシャ、スペインは強制的な緊縮財政に追い込まれた過去の教訓に学び
赤字を抑制し比較的慎重な財政運営を行っている
一方、ドイツや米国、日本など、規模が大きく経済力に優れる政府は
債務負担を増大させる支出計画に突き進んでいる

・・・トラさん
小さな政府は?

巨額の借り入れを行う国への警戒感が高まる中
ドイツ債の代わりにイタリア債を保有することで投資家が要求する上乗せ利回り(スプレッド)は急低下
1%を割った
10年余り前には最大5.7%だったのに・・・
欧州の持つ者と持たざる者、より全般的には先進国全体の差がなくなってきている

ニューバーガー・バーマンのシニアポートフォリオマネジャー
$60億(約¥8670億)相当の債券を運用パトリック・バーブ氏
「周辺国の方があらゆる部分で好ましい」
「財政運営や赤字の見通しは予想以上に良好で、中核国の多くを上回る高い成長を遂げている」
イタリア債がアウトパフォームを続けると見込んだ
これに対しフランス10年債利回りは上昇して同年限のスペイン債を上回り
いまやギリシャ債をわずか0.03%下回るだけ

欧州の国債利回りが全体的に同じレベルになると見込むトレーディングは、つい最近まで?だった
ゼロ付近の金利と大量の緩和マネーで周辺国を支える欧州中央銀行(ECB)がなければボロボロだったはず
それが今やECBの助け無しでもアリに

イタリアは長らく政治混乱とp低成長、放漫財政、不安定な国債相場のイメージが定着していた
それが
少なくとも他国と比較すれば人気者に
イタリア債とドイツ債のスプレッドは今や0.91%しかなく
この急転換でイタリアは今年、記録的な額の対内投資を獲得
対照的にドイツ債に対して日本の投資家は4月に売り越しに転じ
その規模は2014年以来の大幅だった

ニューバーガーのバーブ氏とその同僚のヤニク・ロワラ氏
トランプ関税で市場が混乱した4月にイタリア債を購入
両氏は独伊スプレッドが年末までに0.8%まで縮小することを目標としている
バークレイズのストラテジストはさらに強気
同スプレッドが向こう6カ月で0.7%まで縮小すると見込む

バーブ氏
「率直に言うと、これほど収れんするとは思っていなかった」
「米国債については多くの疑問があるが
イタリア債を巡ってはしばらく市場を驚かせるようなことが起きていない」

バンク・オブ・アメリカ(BofA)の欧州周辺国債指数は4月以降に2.3%上昇
四半期で2020年以来の好パフォーマンスを記録する
一方、主要7カ国(G7)国債指数は同期間にプラスマイナスほぼゼロ

ブルームバーグがまとめたデータ
年初からの世界の株式市場の値動きを$で換算したところ
スペインとギリシャ、スロベニア、ポーランドが上位10位以内に入った

・・・国際通貨基金の最新データ
日本の債務残高は対国内総生産(GDP)比で234.9%
ギリシャは142.2%
石破さん
それをワかった上でバラまく

今日は~
ナミアゲハの放蝶
画は5月終わり

衣装ケースに入ってる
カバーのレースカーテンを外して飛んでくのを待つ

2025年6月13日金曜日

万博の経済効果はもう達成 お釣りが来てる?


2025/6/9経済学者の高橋洋一氏が更新した自身のYouTubeチャンネル
開催中の大阪・関西万博について言及
万博を3日間訪れたという高橋氏は、日本館やアフリカ館、ペルー館などを見たことを明かした上で「面白いよ」
高橋氏が万博以上に興味をそそったのが、IR事業を計画する夢洲北側エリア
「すごいよ、工事をガンガンやっているんだけど、万博の何倍もの規模で公共事業をやっている」
「万博ってのは、公共事業の塊だ」
「万博をけなす人は公共事業をけなすことになる」
大阪府の過去10年の名目GDPを分析
「比較的、大阪のGDPは全国平均を下回ることが多いんだけど
最近、すごい上がっている」
「大阪に年間、¥1兆近く、ザクザク落ちる感じですね」
「経済効果が¥2・何兆っていうんだけど、もう達成してますな
お釣りが来てますね
数字ってのは正直。あれだけ公共事業をやれば潤うよ」
万博の収支は赤字かという議論があることを持ち出し
「収支が赤字でも、今までの公共事業の効果でお釣りが来る
何兆円の経済効果がすぐに出ちゃう」
 「あと、6、7回行くかな」
「公共事業をやるのはいいことだな」

・・・はあ~
博打場ができて、廃人がソコカシコに
その更生とか人心・社会の荒廃とか
その負の経済効果は?
大阪が、日本一アブない都市に

そんなに公共事業がイイなら
今のインフラの維持管理に銭を回したら
道路の陥没で注目された
上下水道の更新とか
いくらカカると思ってんの?
頭ワいてるわ

今日は~
セツブンソウ /Shibateranthis pinnatifida
フクジュソウ/Adonis ramosa
画は3月終わり
セツブンソウ
フクジュソウ普通種・秩父紅
1つのフレームに収まった
まだまだ寒いころ

2025年6月7日土曜日

超限戦の一環?

米ミシガン大学の実験室で研究する目的で生物学的病原体の密輸を試みたとして
2025/6/3に提出された訴追請求状で
中国人研究者2人が訴追されたことが明らかに

ミシガン州東部地区連邦検察
ジアン・ユンチン容疑者(33)とリウ・ズンヨン容疑者(34)
共謀や密輸、虚偽申告、ビザ(査証)関連詐欺の疑いで訴追された
連邦捜査局(FBI)の宣誓供述書
フザリウム・グラミネアルムについて
トウモロコシやコメ、大麦のような特定の植物に病気を引き起こす潜在的な農業テロ兵器
と形容されている
「毎年世界中で数十億ドル規模の経済損失をもたらしている」

今回の訴追は、トランプ政権が中国人留学生のビザを取り消す方針を示す中で行われた
ルビオ国務長官は先週
特に「中国共産党とのつながりが疑われたり、重要分野を専攻していたりする」学生が対象になると説明
国務省はここ数カ月、米国内の学術関係者による不正行為の可能性を調査しており
その中にはカエルの胚(はい)のサンプルを密輸したとされるハーバード大学の研究者も含まれている

FBIのパテル長官はX(旧ツイッター)への投稿
「中国共産党が工作員や研究者を米国の機関に潜入させ、我が国の食料供給を標的にしようと躍起になっている現状をまざまざと示すものだ
重大な影響を及ぼす可能性がある」
宣誓供述書では、フザリウム・グラミネアルムを研究する意図が何だったのかについては詳しく触れられていない
ジアン容疑者はFBIによって逮捕され、現在も勾留中
検察の報道官によるとリウ容疑者は現在米国にはいないと

宣誓供述書によるとリウ容疑者は中国・浙江大学の研究者
2024年 7月に観光ビザで渡航した際
フザリウム・グラミネアルムの複数のサンプルを持ち込もうと試みた
持ち込み許可は申請していなかっと

ジアン容疑者はリウ容疑者の交際相手で
ミシガン大学の博士研究員
22年8月からはテキサス州の大学でも働いていた
両大学に在籍中、浙江大学でのフザリウム・グラミネアルムの研究を巡り中国政府から資金提供を受けていた証拠が見つかったと

・・・何を狙ってた?
その真菌の対抗策の研究?
より毒性?威力?を強くする研究?
単に、バラまくため?
許可を取らなかった時点で・・・

今日は~
オオナルコユリ/Polygonatum macranthum

絵は4月終わり
ちょうど食べごろ
もう少し大きくなってから
ジミ~に増えてる

2025年6月6日金曜日

アメリカ人の4人に1人がほぼ失業?

アメリカ人の4人に1人がほぼ失業?
現在、アメリカの失業率は50年ぶりの低水準
4月の失業率は4.2%
これはアメリカ経済が比較的健全であり、関税や消費者心理の落ち込みといった逆風にもかかわらず、継続して雇用が維持されていることを示している・・・はず

一方ルドウィッグ共有経済繁栄研究所(LISEP)の最新の報告書
失業者に、ルタイムで働きたいが見つからない人や、生活が困難な水準の低賃金で働く人を加えた実質失業者の割合は4月に24.3%
アメリカ人の4人に1人が安定した仕事がなく、生活できる賃金を得ていないと・・・

LISEPのユージーン・ルドウィッグ所長
実質失業者の割合こそ真の失業率だ、公式の失業率データには欠陥がある
「たとえば、過去2週間の間に1時間でも働いていれば就業者とカウントされ
つまりホームレスでテント村に住んでいても、1時間働いただけで就業者とされる」
ルドウィッグ氏は米政治専門サイトポリティコへの寄稿の中で
公式データは失業率は低く中間層の賃金は伸びており、経済成長がすべての層に恩恵をもたらしていると示唆してきた
しかし国内の各所を旅行し、衰退した都市を見るにつれ
この経済指標に疑問を持ち始めたと
何十年もの間、連邦政府は同じ方法論や同じ情報源に頼って経済統計を出しており
そのデータが現実に即しているかを問う人はほとんどいなかった
これがLISEPを立ち上げた理由であり、はるかにバラ色の現実が描かれた公式統計よりも
一般人の認識のほうが現実を反映していることが分かったと
現在の傾向は改善の兆しをほとんど示していない
厳しい現実は、多くのアメリカ人が依然として生活苦にあえいでいることであり
安定した高賃金の雇用の流入がない限り、経済機会格差は拡大する

失業率が4.2%と低い数字であれば政治家は喜び、人々は実際よりも恵まれていると思い込んでしまう
しかし実際にはそれがあらゆる政策決定を誤らせる
雇用を改善しようとするエネルギーや努力が減り、
果的に中間層や低所得層への打撃となる

・・・アメリカさん
かの国を笑えんぞ

今日は~
キクザキイチゲ/Anemone pseudoaltaica濃色大輪種

4月はじめ
盛りの少し前
安定のコたち

2025年6月3日火曜日

気の疲れる世界

1カ月$29.99を払ってPimEyes(ピムアイズ)というウェブサイトを使えば
人の顔を検索し、その人物が写った写真を見つけられる
ピムアイズで広大なインターネット空間に埋もれて本来なら人目につかないような画像まで見つかる
検索時間はわずか数秒
ニューヨーク・タイムズはその威力を試すため、本人の同意を得た上で記者数十人の顔を検索してみた
ピムアイズは全記者の写真を発見
中には本人が一度も見たことのない写真もあり、サングラスやマスクを着用していたり、カメラから顔を背けていたりしたときに撮影された写真まででてきた
あるテクノロジー担当記者は、彼がまだ若かったころの姿が2011年の音楽フェスコーチェラ・フェスティバルの観客の群れの中から見つかった
ある海外特派員は、数え切れないほどの結婚式写真に写っていた
この特派員は、ギリシャの空港で他人を撮影した2019年の写真のぼやけた背景に埋もれた顔まで検索に引っかかってきた

似たような顔認識ツールには、法執行機関のみが利用できるClearview AI(クリアビューAI)があるが
クリアビューAIと違ってピムアイズの検索結果にはソーシャルメディア上の写真は含まれない
ピムアイズはときとして驚くような画像を見つけ出すが、それらはメディアの記事や結婚式写真のページ、レビューサイト、ブログ、ポルノサイトから出てきたもの

ニューヨーク・タイムズの検索結果の大部分が本人の顔と一致した
女性記者の場合、本人と違う検索結果の多くはポルノサイトから来ていた
ただ間違った検索結果であっても「本人かもしれない」という可能性が浮上してしまうため、落ち着かない気分にさせられた
(ポルノサイトから見つかった画像はどれも女性記者本人を写したものではなかった)

ピムアイズのオーナー、ジョルジ・ゴブロニーゼは34歳の研究者
祖国ジョージアに対するロシアのサイバー攻撃がきっかけで、先進技術に関心を抱くようになったと
ピムアイズは人々に利益をもたらす道具だというのがゴブロニーゼの立場
ネット上での自身の評判を監視するのに役に立つと
例えば
カメラマンが宣伝に使っている写真が気に入らない先述の記者は
ピムアイズのおかげで、その写真をイェルプのページから削除してもらうようカメラマンに頼むこともできる・・・

ピムアイズの利用者は自分自身、または同意を得た人物の顔しか検索してはならないことになっているとゴブロニーゼ
しかしピムアイズは群衆の中で個人が匿名でいられるという長年保たれてきた状況を侵食するものであるにもかかわらず
不適切な利用を防ぐ措置をまったくといっていいほど講じていない
利用者が倫理的に行動するという前提に立っている
同サイトは他人の顔の検索を防ぐ規制をまったく行っていないうえ
羽目を外した夜に撮られた不名誉な写真に一生付きまとわれたくなければ
高い料金を払え、と利用者を誘導するようなこともしている

プライバシー擁護団体、ヨーロピアン・デジタル・ライツの政策顧問エラ・ヤクボウスカ
「運営側が何と言おうが、ストーカーウェアだ」

コンピューターエンジニアのシェール・スカーレットは数カ月前に初めてピムアイズを使ったが
そのせいで記憶から消そうと苦しんできた人生の1ページと直面させられることになった
2005年、当時19歳だったスカーレットは経済的に困窮しお金のためにポルノに出演しようと考え、ニューヨークまでオーディションに出向いたことがある
しかし、そこであまりにも屈辱的な体験をさせられたため、ポルノ出演のアイデアは捨てた
ピムアイズが掘り返したのは、そうした10年以上前のトラウマ
検索結果には彼女の性的な画像が見られるサイトのリンクも貼られていた
現在のスカーレットは労働運動に関わっており、アップルで自らが主導した有名な労働争議によりメディアから注目される存在となっているが
ピムアイズの検索結果には過去の性的な画像が入り交じっていた
スカーレット
「こんな画像がネットに上がっているなんて、そのときまで考えもしなかった」
世の中の反応が不安になった彼女は、直ちに画像を削除する方法を探し始めた
スカーレットは、このときの経験をMedium(メディアム)への投稿やCNNで語っている
ピムアイズで見つかった露骨な画像をクリックするとポップアップメニューが立ち上がり、画像が存在するサイトのリンクと併せて
ピムアイズの「公開結果から除外する」というオプションが表示された
ところが、このオプションは月額$89.99~299.99の
PROtectプランの契約者しか利用できない
結局、最も高額なプランに申し込むことになったスカーレット
「これって、ほとんどゆすりじゃない」

ゴブロニーゼは”ゆすり”と呼ばれることに同意しない
その証拠として彼はピムアイズの検索結果を削除する無料ツールに言及したが
その存在はピムアイズ上でしっかりと告知されているわけではない
ゴブロニーゼは、スカーレットが支払った$299.99の利用料を4月に返金したという明細も提示して見せた

・・・ドッカよりは良心的?

ゴブロニーゼによるとピムアイズの契約者は数万人
アクセスはアメリカとヨーロッパからのものが大半
収益の大部分はPROtectプランの契約者からもたらされており
そこにはピムアイズのサポートスタッフによる外部サイトの写真削除支援プランも含まれる
ピムアイズには、同サイトから自身のデータを削除してほしいという利用者のために無料のオプトアウトも用意されており、これは顔写真の検索にも適用される
このオプトアウトを受けるため、スカーレットは公的な身分証明書のスキャン画像と10代のころの写真を提出
ピムアイズからは4月初旬にオプトアウト依頼が受理されたという連絡を受けていた
ピムアイズのからのメール
「あなたの顔が含まれている可能性のある結果は、当システムから削除されています」
ところが、その1カ月後ニューヨーク・タイムズが本人の同意を得てスカーレットの顔をピムアイズで検索
性的な画像も含めて100件以上の検索結果が表示された

これに対しゴブロニーゼ
「それは悲しい話だ」
オプトアウトを使っても顔の検索を止められるわけではないと
これはオプトアウトした時点で、類似レベルが高いとされた顔写真をピムアイズ上で検索できなくするためのものにすぎないと
つまりピムアイズの検索から逃れ続けるには
自分の写真を大量に使って、オプトアウトを定期的に繰り返すしかない
ゴブロニーゼは倫理的な利用を望んでいると
検索は自分の顔だけにしてもらいたい、という意味
しかし、ピムアイズはそのための努力をほとんどしていない
せいぜい顔写真をアップロードする際に、それが本人のものであることを確認するボックスを表示させる程度の対策

プライバシーについて研究しているコーネル大学教授のヘレン・ニッセンバウム
「ばかげている」
とピムアイズの取り組みを一蹴
オプトアウト時にスカーレットに要求したのと同じく
ピムアイズで検索を行う人にも公的な身分証明書の提示を求めるべきだと話した

ピムアイズより知名度の高いクリアビューAIは、ヨーロッパなど世界各地で強い逆風にさらされている
200億枚の顔写真を保存しているクリアビューAIのデータベースは、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパの一部のプライバシー規制当局から違法とされ
同社は画像の削除を命じられている
イタリアとイギリスでは$数千万の制裁金を科せられた

ピムアイズについても昨年、ドイツのデータ保護当局が調査の開始を発表
生体データの利用について厳格なルールを定めているヨーロッパのプライバシー法
一般データ保護規則(GDPR)に違反している可能性があると
調査は継続中となっている

・・・肖像権とかナニソレ
まあ、元々データがネット上にアるのも・・・
アチコチにあるカメラ
ソレがどんな映像を撮っているのかワかったもんじゃない
ドッカで立ち???してる画とか・・・
特に、かの国製はデータを共産党に送ってるって
ソレを使って何を・・・
日々の行動に気をつけるしか・・・
そんな疲れる毎日なんて・・・

今日は~
キバナイカリソウ/Epimedium koreanum

5月はじめ
しつこくない、薄い黄色
が良い

2025年6月1日日曜日

AIカンニングの蔓延

AIカンニングの蔓延が教育を驚くほどの速さで破壊している
AIと教育の在り方をめぐっては、学業をAIに丸投げするカンニングは許さないという姿勢が貫かれている一方
AIを使った不正を正確に看破することが困難なことが研究で判明
技術の進歩に学校側の対応が追いついていない
海外メディアのIntelligencerが、実際にAIを駆使して不正行為を行った若者や、そうした学生への対応に苦慮する教育者へ取材
Rampant AI Cheating Is Ruining Education Alarmingly Fast
https://nymag.com/intelligencer/article/openai-chatgpt-ai-cheating-education-college-students-school.html

Intelligencerの取材に応えた1人目の若者
元コロンビア大学生のチュンギン・リー氏
韓国で生まれ両親が大学進学コンサルティング会社を経営するアトランタ郊外で育ったリー氏
高校に在学中にハーバード大学に受かりましたが、卒業前の校外学習をこっそりさぼったのが発覚して停学処分を受けたため、大学の合格も取り消された
浪人しつつ26の大学を受験したものの、どこにも合格できなかったリー氏
次の1年間をコミュニティカレッジで過ごし、その後コンピュータサイエンス専攻の2年生としてコロンビア大学に編入
しかしプログラミング入門クラスでのリー氏はAIに頼りっぱなしで、課題はChatGPTが出力したものをほとんどそのまま提出していた
また小論文の課題も80%はAIが書いたもので、リー氏が手を加えたのは最後の仕上げの20%だけだった
Intelligencer
「なぜせっかく入学した大学での勉強をAI任せにしたのですか」
リー氏
「大学はスタートアップの共同創設者と、将来の社長夫人と出会うのにうってつけの場所だからです」
なお、リー氏は実際に共同設立者を得てAIスタートアップを立ち上げています
就活でAIを使って退学になった元大学生がAIチートツール企業Cluelyを起業し
¥7億4000万の資金を調達 
Cluelyはマニフェストで
「私たちは全てを『チート』します。世間はそれを不正だとなじるでしょう
電卓も、スペルチェッカーも、Googleもそうでした
テクノロジーが私たちを賢くする度に、世界はパニックに陥り、やがて順応し、突然それが当たり前になったかのように忘れ去ります
ですが、今回は違います
AIは単なるツールではなく、私たちの世界の仕組みを再定義するものです
未来はもう努力に報いません
報われるのは影響力です
だからチートを始めましょう
誰もがチートをすれば、それはチートではなくなります」

2人目は、カナダにあるウィルフリッド・ローリエ大学の1年生のサラ(偽名)さん
サラさんが初めてChatGPTに手を出したのは高校最後の年の春
生成AIに慣れてからはすべての授業でChatGPTを使うようになった
そのおかげで成績が優秀になったサラさん
「AIで私の人生は変わりました」
サラさんは大学に入ってからもChatGPTを使い続けており、ChatGPTを使うと普通なら12時間はかかる小論文が2時間で書けると
また、授業中に他の学生がノートPCを開いてChatGPTを使っているのを見ない日はほとんどないと

そのような姿勢で教育を受けることを快く思っていない学生もいます
地元の名門大学で金融学を専攻しているというウェンディ(偽名)さん
AIの使用に反対しており
「コピー&ペーストにも反対ですし、カンニングや盗用にも反対です」
しかし、そんなウェンディさんですら、AIを活用して大学の課題をこなしている
文章の構成を考えるのが苦手だというウェンディさん
まずAIに「私は大学1年生で英語の授業を受けています」と入力してから
授業についての背景情報を与え、教授の指示をプロンプトに
そしてAIに「プロンプトに従って小論文を書けるように、概要を作ってください」と依頼すると
小論文の概要や導入部分、構成などが出力されるので、それを元に小論文を書いていく

このように学生の間で急速にAIが普及しつつあるため
教師たちは課題を手書きの筆記試験に戻したり、口頭試験に切り替えたり、AIの使用を前提としたものにしたりして、対応を模索

アメリカ・サンタクララ大学の技術倫理学者であるブライアン・パトリック・グリーン氏
初めてChatGPTを触ってから、すぐに小論文の課題を出すのをやめました
そして「これならさすがに誰もChatGPTを使わないだろう」と読書感想文の課題を出しました
すぐに学生の1人がロボットのような言葉遣いとぎこちない言い回しの読書感想文を提出してきた

またアーカンソー大学リトルロック校の哲学教授だという別の教師
「簡単な自己紹介をして、授業で何を学びたいかを述べてください」
という質問にさえAIを使う学生がいるのを見つけたと

同様の不正は、OpenAIが2022年11月にChatGPTをリリースする前からある種のピークを迎えつつありました
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが猛威を振るっていた当時、多くの大学生は遠隔教育で高校を卒業しており、監視の目が届かなかったため
CheggやCourse Heroなどの有料のカンニングサービスを利用する学生も少なくなかったと
そうした不正ツールは、インドなどにいる専門家が24時間365日対応
課題に最短30分で答えることを謳い文句にしていましたが
ChatGPTがリリースされると、より高速で高機能なツールを求める学生たちはすぐに飛びつきました
こうして一気に広まった生成AIに教育機関は手を焼いており
ほとんどの大学は場当たり的なアプローチを採用したり、学生にAIを使わせるべきかどうかの判断を教授たちに委ねたりするほかありませんでした

教育者の中には、課題文の行間に小さく白い文字で課題とは無関係な指示を紛れ込ませる「トロイの木馬」作戦など、機転を利かせてAIを使ったカンニングに対抗している人もいます。

カリフォルニア州立大学チコ校で哲学を教えているトロイ・ジョリモア教授
「こうした工夫がうまくいくこともあります
例えば、アリストテレスとは関係ない課題に『アリストレスならどう答えるか?』と書いたことがあります
もっと突拍子もないことを書いて、学生が気づかなかったこともありました
つまり、彼らは自分で小論文を書いていないどころか、自分が提出する小論文に目を通してすらいないということです」

同様のAI対策が日本の教育機関でも行われていることが、X(旧Twitter)で話題になったことがあります
また、Turnitinを始めとする高精度なAI検出ツールも登場していますが
学生らもあえてスペルミスをしたり、文章の一部を自分で手直ししたり
AIに「ちょっと間抜けな大学1年生として書いてください」と指示したりして対抗
AIの使用を見抜こうとしている教育者と、その目を盗んでAIを使う学生の攻防はいたちごっこの様相

シカゴ大学で数学を学んでいるマークさん
コーディングの課題でAIを使ったことを友だちに打ち明けたところ
友だち
「もし君が大工で、電動工具を使って家を建てたとしても、結局のところ君抜きでは家が完成しなかったはずだ」
マークさんはIntelligencerの取材に対し
「それでも、判断するのは本当に難しいです。AIを使って書いたのを僕の仕事と言っていいのでしょうか」

・・・はあ~
これでは
AIの出す回答?発想?を超えられない
ユニークな発想とかは・・・
そんな小利口、小賢しい輩しか・・・
とりあえず、口頭試問か・・・

今日は~
フウラン/Vanda(Neofinetia) falcata青鷲

え~っと
これ4月
暑かったせいか
早速、キノコが