2023年10月28日土曜日

格差は危機レベル?に・・・

生活費の危機のさなかにあるイギリスでは、住宅問題だけでなく飢えに苦しむ人々による万引きの急増など社会不安が強まっている
BBC放送
ロンドン南部の小学校ハリス・プライマリー・アカデミー・ペッカム・パークは全児童約300人に無償で制服、遠足、給食を提供している
一部の家庭には食料小包も配っている
児童の家庭が困窮しているため
その大半が友人宅のソファや宿泊施設のベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)、ホステルで暮らす
イングランドの地方自治体では昨年4月から1年間にホームレスが雨露をしのげるように民間宿泊施設、B&B、ホステルや避難所に対前年比約9%増の合計£17.4億を費やした
地方自治体はホームレスになった人々に家賃や光熱費を請求したり、住まいを売却したりすることもある
政府の統計では、イングランドでホームレスと認定された子どものいる世帯は今年1~3月、対前年同期比で12.1%増加1万1250世帯
ホームレスの子どもの数は2004年の記録開始以来、最も多い水準の13万1370人に達している
ホームレスと新たに認定されたのは4万1950世帯で、前年同期から10.7%も増加

ハリス・プライマリー・アカデミー・ペッカム・パークのマリー・コルベット校長
「首都ロンドンでこれほどの貧困と困窮があるのを目の当たりにするのは本当にショッキングなことです。今、学校で困難に直面していない家庭を見つける方が難しい状況です」

政府によると、ホームレスとは
(1)屋根のない場所で寝ている(ルーフレスネス)
(2)施設や避難所で一時的に寝ている(ハウスレス)
(3)不安定な賃貸契約が原因で退去を迫られたり、家庭内暴力から逃れたりするため友人宅のソファを転々としている(
4)不適切な住宅や違法キャンプ場のキャラバン、極端に過密な状態で暮らしている
状態を指す

民放ITVニュース
ハリス・プライマリー・アカデミー・ペッカム・パークに通う5歳のメアリーと6歳のテミの家族は安全上の懸念から今年3月、公営の賃貸住宅を退去せざるを得なくなり、現在はイーストロンドンのホテルで暮らしている
メアリー、テミ、両親、10代の兄姉2人はホームレスになって半年の間に10カ所の宿泊施設を転々とした
住宅問題に取り組む慈善団体シェルターとITVニュースの調査
イングランドでは8分に1世帯が何の落ち度もないのに民間の賃貸住宅から退去させられている
毎日172世帯、毎月5223世帯がホームレスになっている計算
民間賃貸住宅に住む家族を対象にした調査では40%が退去を命じられた後、次の住宅を探すのに2カ月以上かかったと

家主が家賃を10%値上げしたら、その賃貸住宅で住めなくなると61%が回答
半数以上が現在暮らしている賃貸住宅を失うことを恐れている
ロンドンでは慢性的に賃貸住宅が不足しており、コロナ危機後のインフレで家賃が急騰した
フィナンシャル・タイムズによると、ロンドンの賃借人は収入の35%を家賃の支払いに充てている
低所得世帯ではこの数字は実に46%に跳ね上がる

ロンドンの賃貸住宅の相場は月平均£1450
過去4年間はほぼ横ばいだったが、昨年後半から記録的な勢いで上昇
民間に比べるとはるかに安い公営賃貸住宅が不足している原因はマーガレット・サッチャー首相時代にさかのぼる
1980年8月、サッチャー首相は公営賃貸住宅を購入できる権利をその賃借人に与える法律を制定した
79年の総選挙でサッチャーは公営賃貸住宅の割引販売を保守党のマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ
割引率は市場価格の33%から始まり、居住20年以上の賃借人は期間に応じて最大50%の割引価格で購入できると
これで公営賃貸住宅の賃借人は夢のマイホームを手に入れ、その後、高騰した住宅を売却して裕福な郊外に引っ越した
もともと公営賃貸住宅だったロンドンの物件は今や£何十万の高値で取引され、中には日本円にして¥1億を超えるものもある
競争を促す市場原理主義は経済を活気づけるが、公共政策に持ち込むと大きな歪みを生み落とす
イギリス家統計局(ONS)
9月の消費者物価指数(CPI)は6.7%と高止まり
食料品インフレは12.1%

昨年4月から男女の食費を追跡調査している市民団体フード・ファンデーション
女性の食費は23.9%上昇し、週£50.76、男性の食費は27.5%値上がりして週£55.49

フードバンク トラッセル・トラストは過去12カ月間で過去最高の298万6203個(前年比37%増)の緊急食料セットを配布
113万9553個は子どもたちに配られ、初めてフードバンクを利用した人は76万人
イギリスで7人に1人が、お金がないため食料品を買えずに飢餓に直面している

エマ・レヴィCEO
「家族を養うためにフードバンクに頼らざるを得ない。しかし、これは氷山の一角に過ぎない。さらに何百万人もの人々が飢えに苦しんでいる。世界でも豊かな国の一つであるはずのイギリスでフードバンクに頼ることは解決策ではない。食料品や生活費を自分でまかなうことができるようになる社会保障制度が必要だ」

生活費の危機の中で激増しているのが万引
6月までの1年間にイングランドとウェールズで警察が記録した万引きは36万5164件で前年同期比25%増
2019/6までの1年間に36万8745件の万引きが記録されたことがある
万引きは必ずしも警察に報告されるとは限らないので実際の件数はもっと多い
イギリスでは14年の法改正で£200以下の万引きは軽犯罪として扱われるようになり、警察は積極的に捜査しなくなった
野放しになった万引きは闇ビジネスとなり、不良グループが犯罪組織から買い物リストを入手して人気のアルコールや粉ミルク、お菓子、肉類など売りさばける商品をごっそり持ち去っていく

BBC
警察当局は専門アナリストと警官によるチームを結成し、イングランドとウェールズで集団万引きに関与している犯罪組織の情報を収集する
顔認識システムを活用して万引き犯を絞り込む
ジョン・ルイス、テスコ、生協を含む13の小売業者グループは万引き対策に2年間で約£80万を拠出する

そういやフランスでもって・・・

・・・不動産本位制?
かつての日本の土地本位制を思い出す
ここんとこ落ち目の日本のが、まだイイ?

今日も~
モナンテス・ポリフィラ/Monanthes polyphyll

ダメになった株から
救助したコ
多肉の植溜に・・・
なんかヤバそう・・・

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