2025年6月1日日曜日

AIカンニングの蔓延

AIカンニングの蔓延が教育を驚くほどの速さで破壊している
AIと教育の在り方をめぐっては、学業をAIに丸投げするカンニングは許さないという姿勢が貫かれている一方
AIを使った不正を正確に看破することが困難なことが研究で判明
技術の進歩に学校側の対応が追いついていない
海外メディアのIntelligencerが、実際にAIを駆使して不正行為を行った若者や、そうした学生への対応に苦慮する教育者へ取材
Rampant AI Cheating Is Ruining Education Alarmingly Fast
https://nymag.com/intelligencer/article/openai-chatgpt-ai-cheating-education-college-students-school.html

Intelligencerの取材に応えた1人目の若者
元コロンビア大学生のチュンギン・リー氏
韓国で生まれ両親が大学進学コンサルティング会社を経営するアトランタ郊外で育ったリー氏
高校に在学中にハーバード大学に受かりましたが、卒業前の校外学習をこっそりさぼったのが発覚して停学処分を受けたため、大学の合格も取り消された
浪人しつつ26の大学を受験したものの、どこにも合格できなかったリー氏
次の1年間をコミュニティカレッジで過ごし、その後コンピュータサイエンス専攻の2年生としてコロンビア大学に編入
しかしプログラミング入門クラスでのリー氏はAIに頼りっぱなしで、課題はChatGPTが出力したものをほとんどそのまま提出していた
また小論文の課題も80%はAIが書いたもので、リー氏が手を加えたのは最後の仕上げの20%だけだった
Intelligencer
「なぜせっかく入学した大学での勉強をAI任せにしたのですか」
リー氏
「大学はスタートアップの共同創設者と、将来の社長夫人と出会うのにうってつけの場所だからです」
なお、リー氏は実際に共同設立者を得てAIスタートアップを立ち上げています
就活でAIを使って退学になった元大学生がAIチートツール企業Cluelyを起業し
¥7億4000万の資金を調達 
Cluelyはマニフェストで
「私たちは全てを『チート』します。世間はそれを不正だとなじるでしょう
電卓も、スペルチェッカーも、Googleもそうでした
テクノロジーが私たちを賢くする度に、世界はパニックに陥り、やがて順応し、突然それが当たり前になったかのように忘れ去ります
ですが、今回は違います
AIは単なるツールではなく、私たちの世界の仕組みを再定義するものです
未来はもう努力に報いません
報われるのは影響力です
だからチートを始めましょう
誰もがチートをすれば、それはチートではなくなります」

2人目は、カナダにあるウィルフリッド・ローリエ大学の1年生のサラ(偽名)さん
サラさんが初めてChatGPTに手を出したのは高校最後の年の春
生成AIに慣れてからはすべての授業でChatGPTを使うようになった
そのおかげで成績が優秀になったサラさん
「AIで私の人生は変わりました」
サラさんは大学に入ってからもChatGPTを使い続けており、ChatGPTを使うと普通なら12時間はかかる小論文が2時間で書けると
また、授業中に他の学生がノートPCを開いてChatGPTを使っているのを見ない日はほとんどないと

そのような姿勢で教育を受けることを快く思っていない学生もいます
地元の名門大学で金融学を専攻しているというウェンディ(偽名)さん
AIの使用に反対しており
「コピー&ペーストにも反対ですし、カンニングや盗用にも反対です」
しかし、そんなウェンディさんですら、AIを活用して大学の課題をこなしている
文章の構成を考えるのが苦手だというウェンディさん
まずAIに「私は大学1年生で英語の授業を受けています」と入力してから
授業についての背景情報を与え、教授の指示をプロンプトに
そしてAIに「プロンプトに従って小論文を書けるように、概要を作ってください」と依頼すると
小論文の概要や導入部分、構成などが出力されるので、それを元に小論文を書いていく

このように学生の間で急速にAIが普及しつつあるため
教師たちは課題を手書きの筆記試験に戻したり、口頭試験に切り替えたり、AIの使用を前提としたものにしたりして、対応を模索

アメリカ・サンタクララ大学の技術倫理学者であるブライアン・パトリック・グリーン氏
初めてChatGPTを触ってから、すぐに小論文の課題を出すのをやめました
そして「これならさすがに誰もChatGPTを使わないだろう」と読書感想文の課題を出しました
すぐに学生の1人がロボットのような言葉遣いとぎこちない言い回しの読書感想文を提出してきた

またアーカンソー大学リトルロック校の哲学教授だという別の教師
「簡単な自己紹介をして、授業で何を学びたいかを述べてください」
という質問にさえAIを使う学生がいるのを見つけたと

同様の不正は、OpenAIが2022年11月にChatGPTをリリースする前からある種のピークを迎えつつありました
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが猛威を振るっていた当時、多くの大学生は遠隔教育で高校を卒業しており、監視の目が届かなかったため
CheggやCourse Heroなどの有料のカンニングサービスを利用する学生も少なくなかったと
そうした不正ツールは、インドなどにいる専門家が24時間365日対応
課題に最短30分で答えることを謳い文句にしていましたが
ChatGPTがリリースされると、より高速で高機能なツールを求める学生たちはすぐに飛びつきました
こうして一気に広まった生成AIに教育機関は手を焼いており
ほとんどの大学は場当たり的なアプローチを採用したり、学生にAIを使わせるべきかどうかの判断を教授たちに委ねたりするほかありませんでした

教育者の中には、課題文の行間に小さく白い文字で課題とは無関係な指示を紛れ込ませる「トロイの木馬」作戦など、機転を利かせてAIを使ったカンニングに対抗している人もいます。

カリフォルニア州立大学チコ校で哲学を教えているトロイ・ジョリモア教授
「こうした工夫がうまくいくこともあります
例えば、アリストテレスとは関係ない課題に『アリストレスならどう答えるか?』と書いたことがあります
もっと突拍子もないことを書いて、学生が気づかなかったこともありました
つまり、彼らは自分で小論文を書いていないどころか、自分が提出する小論文に目を通してすらいないということです」

同様のAI対策が日本の教育機関でも行われていることが、X(旧Twitter)で話題になったことがあります
また、Turnitinを始めとする高精度なAI検出ツールも登場していますが
学生らもあえてスペルミスをしたり、文章の一部を自分で手直ししたり
AIに「ちょっと間抜けな大学1年生として書いてください」と指示したりして対抗
AIの使用を見抜こうとしている教育者と、その目を盗んでAIを使う学生の攻防はいたちごっこの様相

シカゴ大学で数学を学んでいるマークさん
コーディングの課題でAIを使ったことを友だちに打ち明けたところ
友だち
「もし君が大工で、電動工具を使って家を建てたとしても、結局のところ君抜きでは家が完成しなかったはずだ」
マークさんはIntelligencerの取材に対し
「それでも、判断するのは本当に難しいです。AIを使って書いたのを僕の仕事と言っていいのでしょうか」

・・・はあ~
これでは
AIの出す回答?発想?を超えられない
ユニークな発想とかは・・・
そんな小利口、小賢しい輩しか・・・
とりあえず、口頭試問か・・・

今日は~
フウラン/Vanda(Neofinetia) falcata青鷲

え~っと
これ4月
暑かったせいか
早速、キノコが

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