2020年1月4日土曜日

日本の豊さ

ぼや川より
金が無い・涙ながらに・粥すする
・・・健康的・・・

日本の人口は1億2000万人余
世界全体に比べれば第11位と中ぐらいの規模
ににもかかわらず1年間に稼ぎ出す名目GDP(国内総生産)は、大国のアメリカ、中国に次ぐ世界第3位
10年前までは中国より上の世界第2位
鉄鉱石や石油などの天然資源もほとんどない
農業生産のための国土面積も7割が森林で限られている
億2680万人(2017年)のうち約6720万人(同)が働いており、その勤勉さは世界的に有名
でも近年は少子高齢化で人手不足が目立つ
自動車産業頼りとはいえ製造業も健在ではあるが携帯電話や家電などはグダグダ
そんな中日本のGDPはいまでも世界第3位
財政赤字がGDPの198%超(2019年度末、政府見通し)金額的にも\1122兆
なのに株式市場は好調
円相場も円売り=円安の兆候は少なく安全資産の代表格
地震は頻繁に起こるし、超大型の台風も次から次へと襲ってくる
にもかかわらず国民1人当たりの日本の食品ロス(食糧廃棄量)は世界一とも言われるほどの飽食
どの商店に行っても商品であふれている
なぜ日本はこんなにも豊かなのか……実際本当に豊かなのか……
平均賃金や1人当たりたりのGDP、貧困率といった個人の豊かさという点では日本経済の落ち込みようは深刻
国は豊かだが個人は貧困
日本にも深刻な格差社会が到来?

国の豊かさを示す経済指標で最も一般的なのはGDP
その世界ランキングを見ると2018年現在
アメリカが$20兆5802億、中国は$13兆3680億そして第3位の日本は$4兆9717億
ちなみに第4位はドイツの$3兆9513億、第5位がイギリスの$2兆8288億

1億2000万人の人口を有する国が世界3位のGDPをどうやって稼ぎだしているか
そもそもGDPとは何なのか
2018年の日本の名目GDPの構成比(支出側)は
・民間最終消費支出(家計消費支出、民間非営利団体を含む)……55.6%
・民間需要(総資本形成)……24.3%
・政府支出……19.8%
・財貨・サービス純輸出(貿易収支など)……0.9%
日本が豊かであることの原動力は
原材料や資源を輸入して自動車などを製造して世界に販売
貿易黒字によって外貨を稼ぎ、食料品やエネルギーなどを購入して豊かな暮らしができていると思いがち
しかしGDPの内訳を見ると個人(民間)消費が圧倒的に大きい
消費税率の引き上げに合わせて、政府が躍起になって個人消費が下がらない政策を打ち出しているのも個人消費の低迷がそのままGDPの低下に結びつくから
・・・だったら民草に銭を回せ
アメリカのGDPが巨大なのも借金しながらでも消費する
その楽観的な国民性に理由が?
あ最近は中国人の消費も大きなパワー

国の力を図るものとしてGDP以外で注目したいのは貿易収支や経常収支
とりわけ日本の強さは貿易黒字や経常黒地の存在が大きいと長い間言われてきた
しかし近年、貿易黒字は減少
実は貿易収支以外の黒字が日本の国力を支えている
経常収支の中身は
・貿易収支……輸出から輸入を差し引いた収支(+¥1兆0480億、2019年見通し、以下同)
・サービス収支……旅行や特許使用料などの収支(-¥470億)
・第1次所得収支……配当・利子の収支(+¥21兆1190憶)
・第2次所得収支……対価を伴わない無償資金援助などの収支(-¥2兆2450億)
2019年度の見通しでは日本の経常黒字は¥19兆8760億
現在では第1次所得収支が日本を支えている
貿易収支は、このところ慢性的に赤字
2017年度はかろうじて黒字
2018年度、2019年度と赤字になる見込み
日本の貿易収支が赤字に転落したのは東日本大震災がきっかけ
エネルギーや鉱物性燃料の輸入額が増え2012年~2015年にかけて赤字
経常収支も赤字にこそならなかったものの大きく減少
経常収費が黒字であるうちは莫大な財政赤字を抱える政府がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性は低い……という考え方がある
莫大な財政赤字があるにもかかわらず日本円が暴落したり、株価下落や金利が跳ね上がらない……
そのポイントは経常収支にあるという専門家も多い
言い換えれば慢性的な経常赤字の状態になれば、日本の富は徐々に失われていく
一方、配当や利息などの第1次所得収支は1980年代から徐々に増加傾向
現在では経常収支の稼ぎ頭
貿易立国から投資立国へのシフトが鮮明になってきた
製造業を中心とした工業立国ではなく金貸しや金融によって豊かになっている

GDPはその国の力や豊かさを最も象徴する数値として使われてきた
が、近年この数値に疑問が?
確かにGDPの大きさは国はもちろん個人の豊かさを表すものとしても最もポピュラー
ただ国民の幸福度にはつながらないことが指摘されてる
GDPは、経済学者のサイモン・クズネッツが発案
彼自身もアメリカの議会で
「GDPでは国民の幸せははかれない」
むしろ国家の軍事力を見積もるために考案されたもの
GDPが大きいからといって国民が本当の意味の豊かさを手にすることができるかどうかは別問題
実際に現在の世界のGDPを見てみると軍事大国のアメリカが抜きん出て大きく
ついで13億人の巨大な人口を抱えて急成長してきた中国が続いている
平和憲法を持っている日本は軍事費を別のインフラ整備などに回すことができたのが幸いしたのか世界第2位、3位の座をすでに半世紀近く続けてる
GDPはその国の経済の大きさだけではなく
その伸び率などによって経済成長率が判断され景気の良し悪しや経済政策なども決まっていく
そもそもアベノミクスや日銀の異次元緩和もGDPをベースに進められている
そんなGDP最優先主義に逆らう形で始まったのが国の豊かさを改めて考え直す指標
2008/2から1年半をかけて世界の専門家24人が集結して新しい豊かさの概念を提案
これが2009年に発表されたスティグリッツ報告と呼ばれるレポート、通称サルコジ報告
GDPの問題点・生活の質・持続可能な開発と環境という3つのテーマによって
経済のパフォーマンスを考えて行こうという考え方
実際に
社会全体を見るなら平均値ではなく分布や底辺を見るべき
GDPは生産の尺度。市民の幸せを見るなら生産よりも所得と消費を見るべき
GDPの使い方が間違っている
といった指摘をしてる
こうした考え方をもとに、2012/6に国連がまとめた報告書
総合的な豊かさ報告2012年(Inclusive Welth Report2012)が大きな注目を集めた
同報告書は2014年、2018年にもまとめられている
ちなみに同報告書では1990年から2008年までの18年間の国の豊かさをまとめており、2012年に発表されたランキングでは
日本が国全体の豊かさでアメリカに次ぐ第2位
国民1人当たりの豊かさではアメリカを抜いて第1位だった
同報告書では国の豊かさを4つの資本に分けてその残高を計算
年間の伸び率(フロー)ではなく残高(ストック)を計算している
その4つは
・人的資本……教育レベルや健康面での環境なども含む人の質の資源
・生産した資本……人工資本とも呼ばれるが道路や施設などのインフラ部分
・天然資本……化石燃料や鉱物、水産物、森林資源、農業用地など
・社会関係資本……その国に対する信頼感など社会関係の資本と言っていい
日本は天然資源が乏しいとずっと言われ続けてきたが天然資源という枠で考えれば国土の7割は森林
国の周囲は豊富な水産物の資源に恵まれた海に囲まれている
日本の豊かさは勤勉な国民と優れた製造業によるもの、という既成概念は通用しないのかも
ちなみに2018年にまとめられた新国富レポート2018では
世界全体の富のシェアを健康資本(26%)、教育資本(33%)、自然資本(20%)、人工資本(21%)という形で分類
国の豊かさは人間の健康維持の制度や教育システムによって半分以上は決められている
北欧諸国はGDPの規模は小さいが社会福祉制度が充実
質の高い教育環境が整備されている
そういう意味では日本は豊かな国とは言い難い
・・・教育費はタダにしろ
問題は従来のGDPで考えた場合
最近の日本は長い間足踏みをしている状態と言って良い
とりわけ1人当たりGDPの数値は日本経済のバランスの悪さを示してる
たとえば、日本はGDP全体の大きさは世界第3位なのに1人当たりの名目GDPは世界第26位(2018年、IMF調べ)
単純に考えれば生産性が低く、賃金が上昇していないため
安い賃金で働き続ける高齢者やいまだに旧態依然とした産業やゾンビ企業が数多く残っている
・・・ただ高齢者などが低賃金ながら単純労働などで働き
(トータルでみれば生産性は下がる)
自ら稼いでる・・・社会のお荷物になってないのを評価する向きも
・・・だけど働かないと喰えないのも・・・

民主党政権時代2010年の1人当たりのGDPは$4万3000(IMF調べ)
円高の影響もあるがピークに達している
安倍政権になった2015年は$3万2000に下落
この現象は政府が企業側にスタンスを置くか、労働者側に置くかできまった
企業が豊かになるか労働者が豊かになるのかの違い
日本の富の蓄積状況を見ると
日銀が今月20日に発表した2019年7~9月期の資金循環統計
家計が保有する金融資産残高は¥1864兆
企業の現金・預金は¥271兆
金融資産に限れば家計(個人)が最も多くの金融資産を保有しているのは当然
企業も莫大な金融資産を保有
実際に企業の内部留保(利益剰余金)は7年連続で増加
金融業・保険業を除く全産業ベースで¥463兆1308億(2018年度)
金融業、保険業の内部留保は自己資本比率規制があって一定の資産を保有する必要があるため企業の内部留保の数値には含まれない
が、金融業・保険業の資産も含めれば、相当の資産を企業が保有している
ちなみに日本銀行の国債保有高は¥500兆
国債の43.9%を中央銀行が保有しているという歪んだ構造

日本の豊かさを考えるうえでどうしても避けられないもの、世界でも例を見ない莫大な財政赤字
¥1122兆もの財政赤字は負の資産
いまや日本の資産には世界中の投資家が投資
グローバル経済の中では外国人投資家が日本売りに出てしまうことが最も大きなリスク
現在の日本は世界中に投資した利息や配当による収益が経常黒字の大半を占めている
要するに金貸し国家
実際に株価も下がらないし円相場も安定
現在の政権を支えている原動力
日本の豊かさを維持している証拠?
¥が安全資産と言われる背景には、世界の金融マーケットで何かがあったとき
世界中に投資している日本の投資家が外貨を売って日本円に戻すために、どうしても円高になる
また高頻度売買といったプロの機関投資家が希望する投資環境も日本には揃っている
システム的にも投資家の数という面でも、世界有数の流動性を日本は確保
そのおかげで日本の国債や株、¥はたたき売られずに済んでいる
日本経済が失われた20年とも30年とも言われ
日本病という景気低迷のサイクルから抜け出せないにもかかわらず日本の金融市場が現在も安定して推移しているのは流動性があるから?
いつでも莫大な金額が、安定した形で売買取引できる限り、外国人投資家は日本を信頼して取引をする
言い換えれば、この流動性が枯渇したとき日本の強みは失われるのかもしれない
たとえば日本国債は間もなく流動性を失う可能性が
日銀が半分以上の国債を買い占め、その流動性を枯渇させようとしているから
・・・今は銀行が買わなくなった
日本の豊かさの実態が?
このままの状態を日本は維持していくことができるのか?
その脅威は
●人的資源の衰退……人口減少をはじめとして、健康や教育といった資源の衰退は日本の成長に陰りを落とす
少子高齢化がリスクであることは容易に想像できる
・・・でも地球にヤサしい
●気候変動……日本の豊かさのひとつである森林や海洋の資源が、気候変動によって脅かされている
気候変動で森林が破壊されれば治水が機能しなくなり、農産物に大打撃を受ける
海産物の減少と並んで食糧不足をもたらす
●資源価格の高騰……石油や穀物などの食料品を輸入に頼っている日本にとって、貿易収支の悪化は大きな痛手
資源価格の高騰は、日本の富にダメージを与える
●財政赤字……現在の政府の財政赤字をどうするかが大きな問題
現在の日本は企業も個人も、政府に依存した体質
施設を作る、学校を設立する、イベントの実施……、どれをとっても国の補助金ありきでスタート
アメリカのようにクラウドファンディングといった民間投資の概念が低い
そのために経済そのものが政府主導
財政赤字は一向に減らない
さらに、どうしても企業活動優先
財政赤字をどう処理できるかが日本の豊かさを維持する大きな課題
・・・ムリっぽい
●金融マーケット……日本の経常黒字が投資によって支えられている以上、投資にはリスクがつきもの
アメリカ株やアメリカ債、あるいは世界の企業価値が下落すれば、投資立国・日本は計り知れないダメージを被る

この他にも、技術革新による変化は世界の富の構図を変えるかもしれない
いずれにしてもGDPだけでは国の豊かさは測れない

・・・最後はハイパーインフレのジンバブエ化?
どうなんの?
・・・富の配分をなんとかしないと少子化はとまんない
これがデキないのがアベちゃんの限界?

今日は~
マスデバリア エンジェル フロスト/Masdevallia Angel Frost
前にアげたコとは別のコ
年末、水やりしてたらツボミ
しかしエンジェルフロストって優秀

2020/1/5
修正・加筆

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