中国経済の息の根が止まる?社会保険料の強制取り立てで中小零細は倒産ラッシュか
破綻寸前の社会保障制度の強化か、民営経済圧縮が狙いか
社会保険料の強制中国で中小零細企業、個人経営者らに対する
中国では五険一金(養老保険、医療保険 労災保険、失業保険、出産養育保険、住宅積立金)などの社会保障制度が導入されており
このうち2021年の段階で養老保険の加入率は90%以上とほぼ全民保険加入状態
だが、実のところ最近の中国経済の低迷や
地方政府の社会保障基金の横領問題の発覚で
保険料の支払いを拒否する労働者が若い世代を中心に増えている
で
2025/8/1人民最高法院(最高裁)
社会保障制度をめぐる労働争議に関する新たな法律解釈を発表
それによれば
たとえ雇用側と労働者側が社会保険料の納付義務と給付を受ける権利を放棄することに合意していても
それは無効で、労働者は離職時に社会保険金を請求できる
つまり労働者が社会保険料を支払っていなくても
企業・雇用者はその分も含めて社会保険料を納付せねばならず
労働者が保険金を請求する訴訟を起こせば、勝訴する
だから、政府当局も企業側から徹底的に社会保険料を徴収するという方針を打ち出した
労働者の社会保障を強化する政策ということになるが
これが中国の一般庶民、労働者側から大きな反発を受けている
これは事実上の民営中小零細企業に対する増税であり
結果的には民営企業の倒産が加速し、失業率が上がり、中国経済にトドメをさすことになる可能性が・・・
中国の社会保険料は雇用主と労働者(被保険者)がそれぞれ決められた割合を支払う
たとえば養老保険は賃金の16%の保険料を企業・雇用側が支払い、労働者が8%を支払う
それぞれ公的な社会保障基金と社会保障専門銀行の個人口座に積み立て運用され
15年以上継続して納めると、定年退職後に平均賃金の6割を目安に年金(養老金)が支払われる
医療保険は賃金の7.5%前後を企業・雇用側が納め、労働者が賃金の2%を納める
失業保険は企業・雇用主側が賃金の0.7%前後、労働者側が0.3%
そんなふうに五険一金を全部納めると
企業・雇主側の負担は賃金の30~42%、労働者は給与の10%あまりの社会保険料
上海市で額面給与1万元の場合、企業はこれに加えて3130元の社会保険料を支払い給与と合わせると1万3130元の人件費に
労働者側は額面給与1万元から基礎控除、社会保険料を差し引いた後の課税所得を基準に所得税を納め、だいたい手取りは8300元
つまり企業が人件費1万3130元を支払うと、政府が得られる社会保障費、税金は約5000元、労働者の手取りは8300元
そして
社会保険料の算定基準には下限があり、上海の場合は月給7384元
それより低い給与でも企業は7384元を基準に社会保険料2200元を支払わねばならない
これは企業にとっても労働者にとっても、かなり重い負担
それで企業と労働者は非公式の労使契約を結び賃金を低く抑え、現金で別の名目の手当て、例えば携帯電話代や交通費などとして現金で支払う工夫をする
また労働者と企業が給与増額の代わりに社会保障を放棄するという約束を水面下で行う
こうしたやり方は社会保障制度のグレーゾーンとして見逃されており、それによって何とか生き残っている中小零細企業も多い
だが9/1以降は、こうしたグレーゾーンを見逃さない
ネットのSNS上の投稿をみると
「全民社会保障が正しいかどうかって? もちろん正しいさ、どんな社会も全面的で広範にカバーする社会保障システムを必要としている
だけど、全民強制社会保障を“今”導入するのが正しいかと問われれば、私は答えることができない
なぜなら、集めたお金が広く、普遍的に、公平に、国民の基本的な社会保障に使われるかどうかを確かめる方法がないからだ」
今年6月に国家審計署(会計監査署)が出した報告書
地方政府が社会保険用にプールされている基金を
負債や財政補填に流用しているケースがいくつも発覚
審計署が25省の企業・従業員、体制内事業機関職員、農村居民のための養老保険基金4.14兆元の資金について重点的に審査したところ
横領、不当支出、詐取などの問題が601.1億元分発覚
この600億元あまりの問題資金のうち、最も深刻なのは地方政府の横領で
少なくとも13省で、養老保険基金から406.26億元を横領
民生予算や公務員の賃金、国有企業債務の償還、政府プロジェクトの借金返済などに充てていた
また、一部の仲介業者と結託した養老金の詐取もいくつか明らかになっており
16省の90社の養老金仲介業者が
2009年~2024年の間に労働契約書や労働争議仲裁証明書を偽造
条件に合わない2万人以上を保険に加入させ、保険金を詐取していた
その中には戸籍上、1歳で就職し22歳で定年退職し、69万元の養老金を受け取ったという全くでたらめな詐取例も
こうした状況から社会保障基金の多くがすでに破綻寸前だという噂も
中国社会科学院の2019年のリポートでは中国の養老保険基金は2035年には底をつくという試算があった
こうした共産党体制下での社会保障基金に対する管理、運用への不信感が募っており、若い世代の中国人、民営零細企業の多くが社会保険料の支払いに消極的となっている
中国の人材派遣プラットフォーム企業、衆合雲科集団が6000企業に対して行った調査によれば
規定通り社会保険を納付している企業は28%だった
今回、中国が社会保障制度への加入を厳格化したのは
このままでは社会保障基金が破綻すると考えたからだろう
中国の社会保障資金運用の赤字は拡大し続けており、その赤字を中央政府が補填して何とか維持しているという
だがネット世論の多くは、社会保障システムがうまく運営されないのは
メディアを通じた世論監督もできず、第三者機関による公正で徹底した監査もできない体制のせいだと考えている
つまり民主的な選挙や三権分立や報道・言論の自由のないところで、公正で透明性のある社会保障基金の運営など絶対に無理
共産党体制であれば必ず社会保障基金は腐敗の温床となると・・・
あるネットユーザー
「(全民強制社会保障制度は)人民の福祉のためなのか、(使い込んだ社会保障基金の)穴埋めのためなのか
この新制度だけを見れば、これは新しい税金と同じだ
今回の全民強制社会保障の実施により、多くの企業が減給となり、羊(人民)は丸裸にされる
それでも多くの中小企業は生き残ることができず、失業した出稼ぎ者はいったいどうなるのか?
生き残った企業の雇用を守るために、労働者はさらに必死になって残業に励むだろう。(減給の上に残業増で)泣きっ面に蜂だ
もし大衆の福利のための社会保障制度を考えるなら、(こうした問題をカバーする)仕組みが必要なのだ」
もう一つの問題の本質は中国共産党体制において
民営企業、とくに中小零細企業、あるいは個人経営企業があまりにも軽視されている、ということにあるかもしれない
特に習近平体制になってから、国進民退とよばれる国有企業重視と民営企業圧縮の姿勢がはっきりしてきた
実は中国では中小民営企業こそが最も多くの雇用を生み出してきた
中国の労働人口は7.7億人
北京大学国家発展研究院の調査
中小・零細企業が支える雇用は約2.9億人
そのほとんどが自転車操業型の余裕のない経営
調査サンプルの48~49%が、零細企業で四半期ごとの売り上げは2.5万元程度
4割の零細企業は利益がなく、2割の零細企業は完全に赤字、2割が何とか収益をあげている状況
こうしたギリギリの中小零細企業は、ちょっとした環境の変化で倒産
9/1から全民強制社会保障制度が徹底されれば中小零細企業の倒産ラッシュ
そうなれば失業率はさらに上昇
たとえ企業側が倒産しなくとも、労働者に支払う賃金を下げざるを得ない状況に
結局、民衆が得られる可処分所得は下がり、消費の回復はさらに遠のき、中国経済はますます低迷すると・・・
・・・内需?
何それ・・・
「中国共産党が今回の政策を打ち出した目的は体制の維持であり、社会保障体制を破綻させないことだ
だが、そのために生活ぎりぎりの人民から社会保保険料を奪おうとすることは
卵を産む前の鶏を殺して卵をとるようなもので、この様子は王朝末期の様相だ」
「保険料率の引き下げや保険料基盤の改革を行わずに保険料面の拡大をし、企業や労働者の利益を犠牲にして年金の支給を保障するというのは矛盾している」
こんな声が・・・
今、上海株価は10年ぶりに高騰して、投資家たちの期待も高まっているようだが
中国経済の行方には明るい材料はない
一方
家計預金3300兆円に熱視線
中国株式相場が上昇する中、個人投資家の参入が今後の株高に弾みをつけるとの期待が高まっている
莫大(ばくだい)な家計の貯蓄が次なる上昇局面を支えると・・・
代表的な株価指数であるCSI300指数は8月に入って10%上昇し、世界でも有数のパフォーマンス
流動性の高まりが背景にあるが、ヘッジファンドが市場で積極的に動く一方
個人投資家による株式や株式ファンドへの資金シフトはまだ始まったばかりだと、アナリストらは分析
中国の家計預金は7月に160兆9000億元(約¥3300兆)と6月の過去最高から0.7%減少
投資家が資金を動かし始めたことを示唆した
JPモルガン・チェースは、2025/7から来年末までに約$3500億(約¥51兆4600億)の貯蓄が新たに株式市場に流入
株価を20%余り押し上げる可能性があると予測
潤沢な貯蓄は、米ウォール街の銀行が中国株の目標価格を引き上げる要因の一つにもなっている
業績不振や経済の先行き不透明感といった懸念をものともせず続くこの上昇が、なお上値余地を残しているとの期待感が高まっている
ゴールドマン・サックスのストラテジスト
家計の過剰貯蓄を理由にCSI300の目標を引き上げ、今後12カ月で約10%の上昇を予想
HSBCホールディングスも、貯蓄の規模を「非常にポジティブなカタリスト」になり得るとし、同国の主要2指数の目標値を引き上げた
貯蓄から株式への資金移動は、現時点ではまだ、さざ波に過ぎない
株式、ファンド、信託口座の流動性を示す非金融預金は7月に約2兆1000億元増加、2月以来の高水準となったが
過去10年間の季節的な平均をそれほど上回っていない。
それでも株式市場には「TINA(there is no alternative=ほかに選択肢はない)」という環境が追い風となる可能性がある
債券利回りは過去最低水準にあり、かつて中国人の富の源泉だった不動産市場は長期低迷から回復していない
BofAセキュリティーズの中国株担当チーフストラテジスト、ウィニー・ウー氏
「中国には投資対象が不足している」
「株式市場に明確な利益をもたらす効果があれば、人々はより多くの資金を投資するだろう」
・・・日本も税etcが高いと・・・
まさか中国が・・・
日本も云われるけど
よく革命が起こらないなあ~と
インドネシアのほうが・・・
中国に限らず
ドコも同じ
持ってる方は持ってる
今日は~
ザミア プミラ/Zamia pumila
6月の終わり新芽がアがってるんで
これから剪定