2025年1月1日水曜日

昨今の神社事情

明治神宮は初詣で¥8億以上の収入があるといわれている
だからといって明治神宮がウハウハということではない
「明治神宮は初詣の参拝者が日本一多いといわれるが、実際の財政は、スポーツ施設や結婚式場の明治記念館の使用料収入など、外苑の稼ぎに頼る構造になっているという」
多くの参拝客が訪れる有名神社でさえ、賽銭や祈祷料などの宗教活動収益だけでは食べてはいけない
全国にある地元密着型の小さな神社では・・・
文化庁の統計によると、神社の数は1994年に8万1424社⇒2024年には7万8689社
この30年で2676社が消滅
このペースはこれから急激に加速していくとされ、2040年には今から3万8000ほどの神社が消滅し、4万程度にまで減ってしまうという予想も

神社はコンビニやファミレスなどのフランチャイズチェーンと似たシステムを導入している

・・・なんか893と同じ?

2024年の宗教年鑑(文化庁)によれば
日本全国の神社は7万8689社あるのだが、その中で7万8251社が加盟しているFC本部のような存在が神社本庁
ここは伊勢神宮を本宗として、日本の神社の頂点に位置付けている宗教法人
7万8251社は被包括神社と呼ばれ、神社本庁が管理・指導に当たっており
宮司の任命権なども神社本庁が握る
全国の被包括神社は神社本庁にさまざまな形で金を納めなくてはいけない
大きいのは、神宮大麻(じんぐうたいま)の売り上げ

・・・なんかアブナイ名前?

神宮大麻とは、分かりやすくいえば、伊勢神宮の神札(おふだ)のこと
被包括神社はこれを委託販売する立場で、販売ノルマが課せられている
宗教業界紙によると、2023年に神宮大麻は803万8452体も頒布(はんぷ:配ること)されているので、1体800円とすると約¥64億3076万の売り上げになる
それを一時的に全て神社本庁が吸い上げて伊勢神宮へ納められる
そして、その中から50%が交付金という形で神社本庁に戻され、全国の神社にも分配される
上納金はそれだけではない
被包括神社は氏子の数や、参拝客数に見合った納付金を神社本庁から求められる
また、神職の数や階級に神職賦課金という会費も払わなくてはいけない
ただでさえ参拝客や祈祷料だけでは経営が難しい中で、このような形で加盟料を徴収されたら経営が苦しくなる神社が多くなるのも・・・

こういう問題が顕在化してくるとフランチャイズビジネスではFC本部への反乱が起きるのだが・・・
週刊ダイヤモンド(ダイヤモンド社)など一部メディアで、神社本庁の不正な不動産取引や幹部の不倫スキャンダルなどが報じられたことや
トップ人事を巡る内紛などで神社本庁への信頼が低下して反旗を翻す有名神社も増えている
2020年には金比羅宮(香川県)が激しい怒りの声明文を出して離脱
2024年には鶴岡八幡宮(神奈川県)も離脱
このような思い切った行動に出られるのは、多くの参拝客が訪れる有名神社だからでもある
参拝客も少なく地元密着型の小さな神社などは神社本庁に加盟していたほうがメリットもあるので、そう簡単に離脱はできない
さりとて上納金もあるので経営はカツカツ
高齢化で氏子も減少し、参拝客も減少傾向のようなところは本殿や境内を修繕する余裕もなく荒れ放題となり・・・

このような未来を回避するには、どんな方法があるのだろうか
これは神社本庁の皆さんもあれやこれやと頭を痛めているところだろうが
例えば
神社の境内に地域の観光案内所を設置し、スペースに余裕があれば地域の野菜や特産品を販売したり、レストランも併設したりする
場合によってはイベントなどで貸切や、宿泊施設としても開放
もちろん、収益を上げた分は宗教活動ではないので、しっかりと課税
明治神宮のように不動産関連の収入があるような神社はそちらに頼ることができるが、それができないところは観光での稼ぎに頼るしかないのでは?
世界では神聖な場所を観光スポットとしてブラッシュアップすることで保護するのが主流

エジプトのピラミッド
あの遺跡は人類共通の財産であると同時に、エジプト人にとっても神聖な場所が
つい最近、そこを有名YouTuberが貸し切った
世界一のチャンネル登録者数を誇るYouTuberのMrBeast(ミスタービースト)氏
エジプト政府の協力のもとクフ王の大ピラミッドを貸し切って、中で一泊して幽霊探しをしたと
世界遺産の私的利用は、これが初めてではない
2024年初頭には、テック起業家と元プロレスラーが結婚式を行うためにピラミッドとスフィンクスを1週間貸し切り、一般公開を中止
このような話を聞くと
「エジプト人はピラミッドを金もうけの道具くらいにしか考えてないんだな」
と勝手に日本人のモノサシで考えてしまいがちだが
これがピラミッドという神聖な場所を守るためにベストな方法だと考えているから
かの国に行ったことがある人は分かるだろうが、エジプトはそこかしこに遺跡だらけ
これを全て税金によって発掘、修復、保全などをすれば、すぐに財政は破綻
エジプトは日本のように
お金がないのなら赤字国債を発行すればいい、という理屈は通らない
そこでどうするのかというと観光だ

・・・日本に比べれば健全・マトモ
子・孫にツケを回さない

エジプトのアフメド・イッサ観光大臣は2023~24会計年度で
歴史遺産の維持・修復に約30億エジプト・ポンド($9700万)の予算を設定
これをアトラクションの入場料による収入で賄(まかな)うと述べている
つまり遺跡や博物館の入場料、土産物、そして前述したような文化財の貸切
フランスではベルサイユ宮殿が貸し切りをしているし
スペインのアルハンブラ宮殿も貸し切りはできないが宿泊ができる
日本でも二条城などが国際会議場として貸し切りをしている
ここのもうけは私腹を肥やすためではなく、文化財の修繕や保全など維持費に回される

伝統は大切だ
その国の人間ならば伝統を尊重するのも当然
しかし時代の変化に合わせて捉え方を変えなければ、伝統は廃れるだけ
例えば着物
テレビアニメ『サザエさん』の中で、波平さんやフネさんは自宅で和装を着ているが、今の日本であのような姿で自宅で過ごす人はほとんどいない
着物は典型的な消えゆく伝統の一例
なぜこんなことになったのかというと伝統としてやたらと崇(あが)めてしまったことでハードルを高くしたことが大きい
かつては庶民の日常着だったものが、七五三や成人式といった特別な場面でのみ着られるセレモニー着へと変わってしまった
需要が減ったので、着物メーカーとしては売り上げをキープするために高級化を進めるしかない
そうなる、庶民はどんどん着なくなる
しかも利益を上げるために原料や縫製は中国やベトナムに依存するしかないので養蚕業や製糸業は衰退
着物職人も減った
伝統文化とチヤホヤすればするほど、大衆は離れ、産業も衰退していく悪循環に陥っていた
しかし最近になって、この負のスパイラルに変化が起きている
着物がこれまでの伝統的なセレモニー着から、観光地でのコスプレという新たな捉え方が広がった
外国人観光客が京都や浅草を訪れる際、記念として着物をレンタルし、写真を撮るようになった
そういう店が増えれば、若い人たちも映え目的にデートなどで利用するようになった
こういうトレンドを受けてアンティーク着物の価格も高騰している
日本人の伝統的な正装などハードルを上げるのではなく
和装マナーを知らない外国人でも、着方を知らない若者でも気軽に楽しめるコスプレ
とハードルを下げたことで衰退一直線だった着物産業が少しずつだが復活の兆しが見えてきた
以前インタビューをした江戸時代から続く老舗企業の経営者
「伝統とは常に革新を続けていくこと」
伝統というものは守ることを意識すると、どんどん保守的で排他的になってしまう
そうなると一部の人からは熱狂的に支持されても大衆はついてこない
結果、伝統を大事にしろ!という叫びもむなしく衰退していく
日本人の神聖な場所を後世に引き継いでいくためにも、神社の世界にもイノベーションが求められるのではないか・・・

・・・神社でも
宿坊みたく泊まれるトコが・・・
つあ~をヤってるトコも
地元では
境内で料理屋があったりするトコも
人が来ないトコはキビしけど

あと良くワからない神社も
広めの境内
けど参拝客を、ほとんど見ない
社殿は手を入れられてる
神主さんの、お宅も立派
・・・大地主?

今日は~
イカリソウ/Epimedium grandiflorum var. thunbergianum

の、どアップ
4月の終り

0 件のコメント:

コメントを投稿